Grab VS Micab(配車アプリ)そしてツーリストレンタカー事業に向けて

私自身の救急搬送による入院や父の施設への引っ越し、家の引き払いなど昨年9月から11月にかけての日本への一時帰国は怒涛の展開でした。

セブに戻ったのが11月ですから早いものではや8カ月が過ぎましたが、ようやく一時帰国の目途が立ったのでチケットを購入したいと思っています。

今日は、フィリピンのタクシー業界に導入されたものの課題となっている『配車サービス』とこれから準備を始めたいと思っている『レンタカービジネス』について少しお話ししたいと思います。

Grab VS Micab

ウーバーとグラブ
ライドシェア及び配車アプリについては、以前、シェアリングビジネスについての話しの中で触れたところです。

フィリピンを含む東南アジアではライドシェア事業においてUber(ウーバー)とグラブ( GrabTaxi Holdings Pte Ltd)という配車アプリサービス事業者が競っていましたが、ウーバーが撤退したことによりグラブが一人勝ちの状況となっています。

とはいってもウィキペディアによれば孫社長の「ソフトバンク」はグラブの主要株主であると同時にUber(ウーバー)の筆頭株主でもあるようです。

グラブの配車アプリは『グラブカー(自家用車を利用したライドシェア)』と『グラブタクシー(タクシーの配車)』の二種類があります(アプリ上は区別されること無く利用できます)。

Uber(ウーバー)はもともとは2009年にアメリカでライドシェアの配車アプリ事業からスタートしました。一方のグラブは2011年にシンガポールでタクシーの配車アプリ事業でスタートしました。

Uber(ウーバー)はシェアリングエコノミーの理念から、グラブはシンガポールの劣悪なタクシー事情を何とかしたいという必要性からとそれぞれの企業の生い立ちは異なるようです。

このためフィリピンにおいてはUber(ウーバー)がライドシェアの配車アプリ事業のみを行っていたのに対し、グラブはライドシェアとタクシー配車の両方の事業を行っていました。

グラブに加入しなかった理由
グラブ
が始めたタクシー配車アプリ事業のシステムは、まずオペレーターがタクシーにWi-Fiシステムを設置し、ドライバーがグラブに登録して売り上げに応じた手数料を支払うというものでした。

タクシービジネスを始めて最初のころに加入を検討したこともあるのですが、ドライバーが毎日現金をグラブの支店に支払わなければならないという手間と手数料に対し、配車アプリによる収益増は割が合わないと思い断念しました。

現在のセブでは日曜祝日以外は「流し」でもほとんど空車の時間なく乗客を見つけることができるのでそれほどのメリットは感じられませんが、今後は「配車アプリ」の割合は確実に増えていくでしょう。

グラブタクシーを利用する場合、通常料金はメーターより料金が高く設定されています。この割増分は需要と供給の関係などでグラブが自由に設定して変動するようです。

セブは全タクシー車両に配車アプリ導入
今年、全タクシーにドライブレコーダーとWi-Fiシステム及びGPSが義務付けられた際に、タクシー業者は配車アプリ事業者のグラブマイカブ(Micab)のどちらかを選択するとされました。

1台あたり1万ペソ位の費用負担になりましたが、当局はこれらの事業者を通じて情報を得て交通行政に活かすとのことでした。

その時私はてっきり実績もあるグラブを選択するかと思ったのですがカミさんの意見はMicabでした。結局多くの事業者はMicabにしました。

先程述べたようにグラブは手数料を利用客に転嫁していますがMicabは一定額をオペレーターから徴収するだけで利用客は通常料金のみです。

グラブの問題点
現在、グラブによるほぼ独占状態でいくつかの問題が懸念されています。

MicabuのCEOがグラブに対し営業妨害を訴えています。「Micab CEO claims Grab PH behind ‘phantom bookings’ on its platform

300以上の偽アカウントから「Micabu」に登録しているドライバーにフェイクの予約を入れブッキングをしてはすっぽかすという行為が繰り返さおり、その数は6月以降で2900件以上にのぼるとのこと。さらにすっぽかされたドライバーに対しグラブへの移行の勧誘もかけているとのこと。

フィリピンでは携帯はプリペイドが主流で、40ペソ位でSIMを買えば簡単に異なる電話番号の偽アカウントが作れてしまいます。

ちなみ記事のタイトルにあるplatform(ファントム)は「オペラ座の怪人」の現代の「The Phantom of the Opera」のファントムですが英語の意味は幻、幻影や幽霊、お化けといった意味があります。

グラブが設定した1分あたり2ペソの料金が違法なオーバーチャージだとしてLTFRBが1,000万ペソの罰金を課したというニュースもありました。

「Grab Philippines appeals P10-million penalty over ‘illegal’ P2-per-minute charge 」(リンク切れ)(manilastandardnetから)

Grab asks LTFRB to reconsider P10-million fine」(BusinessWorldから)

 

マイカブとグラブ
グラブがどうのというより資本主義経済社会においては1社独占ではなく競争があったほうが好ましいのは確かです。

先ほども少し触れましたがウーバーとの東南アジアでの配車アプリの覇権争いに勝利したグラブはソフトバンクと世界第二位のユニコーン企業でもある中国の配車アプリ事業者である滴滴出行が主要株主でもあります。

フィリピンでそれに立ち向かうのは(マニラではなく)地方都市セブに本社を置くローカルベンチャー企業の「MIcab」ということで、地元でもあり、また日本人的な判官びいきで応援したくなります。

グラブに対する不信感なども含め諸事情から多くのタクシーオペレーターは「Micab」に加入することになりました。行政もグラブの一人勝ちは望んではおらず、ほかにも新興の配車アプリ事業者が参入してくるのではないかと思われます。

いずれにせよ最終的には利用者にとって有益となる方向に向かってもらいたいと願っています。

旅行レンタカー事業

レンタカー事業を始める準備

私は公務員を早期退職してセブに移住しました。公務員生活を定年退職まで続けたなら(年金制度についてはいろいろ言われてはいますが)恐らくは金銭的には不自由なく老後を送ることができたと思います。

ですが今は多少貧しくとも適度な刺激があってゆったりとした生活ができればいいという気持ちで、今の生活を選択したことを後悔していません。

ですからセブでビジネスをするにあたってもさきほどのMicab VS グラブのような、あるいは日本でも多くの経営者やビジネスマンが向き合っている生き馬の目を抜くような熾烈な競争のビジネスの世界は初めから無理だと思っています。

マイペースで分相応に身の丈に合わせて無理をせず欲を出さない、その範囲でそのビジネスで自分のまわりの人たちの生活が安定しハッピーになり、自分も夢をもって着実に一歩ずつ歩んでいき、ほどほどの利益が後からついてきたら幸い、と思っています。

日本でのビジネスの経験もないド素人が始めたタクシービジネスも5年目になり、フィリピンビジネスの洗礼も受ける中で楽しさも知りようやく形になってきたところです。

次は一歩進めて観光レンタカー業に広げ、最終目的である「中期・長期滞在サポート(アパートメント)及びゲストハウス」事業につなげていきたいと思っています。

ゲストが利用するにあたっては少人数だとタクシーの借り上げでもいいのですが、やはり10人以上乗れるバンがあると便利だと思っています。

旅行業用車(ツーリストバン)を営業するためには観光省のツーリストバンの許可(フランチャイズ)が必要になります。ツーリストバンは数年前に調べた時は5台以上でないと許可されなかったのですが今は10台になりました。

10台の車両を揃えて事業を始める余裕はありません。最近他のタクシーオーナーと知り合いになったのですがレンタカービジネスもしていて何人かが集まって共同事業主になってフランチャイズを分け合っているとのことでした。

信頼できる共同事業者(パートナー)を見つければ参入できるかもしれません。

違法営業でないこと

以前のブログでも触れましたが日本では中国人による白タク行為が問題となっています。

中国のアプリでブッキングして中国人の無許可営業の車(白ナンバー)で観光客を乗せガイドをするものです。また一部報道によると車だけではなく、宿泊先や土産屋まですべて違法中国人事業者によって仕切られ日本には全くお金を落とさないようなケースもあるとのことです。

これらはかなり組織的に大規模に行われているようです。

フィリピンでも無許可でガイドをしたり車を使ったツアーを行っているケースがあるようで、所在地がマニラなので私は直接は知らないのですが、ネットで検索すると「ACCESS TRIP TRANSPORT」というレンタカー会社があり注意喚起をしています、

その会社のHPには「当社レンタカーは、すべてD.O.T(フィリピン観光省)、LTFRB(陸上輸送許可管理委員)の公認レンタカーで、ナンバープレートも営業許可プレートです。
 他社の多くは自家用ナンバーで、違法のレンタカー営業されていますが、保険も自家用と営業用とでは違い、トラブルがあった場合保障もありませんのでご注意下さい。」また、ガイドについても「当社の現地STAFFはD.O.T(政府観光局)のライセンスを持ったガイドです。」とあります。

日本で観光業を行う場合、誰でもできるという訳ではなく行政の許可が必要です。少し前に自治体が主催するツアーが旅行業法に抵触して違法ではないかというニュースが話題になりましたがそれくらい厳しいものです。

違法行為に巻き込まれると特に外国人は厄介なことになるので、ツアーガイドなどちゃんの許認可を受けている事業者を利用することが賢明です。

レンタカーではありませんが、私がセブに来た翌年にこんなこともありました。2015年にセブで日本人約60人が不法就労で逮捕された事件です。

フィリピンで日本人が不法就労の疑い 「60人逮捕」の衝撃と余波」(.j-cast会社ウォッチ2015.09.17)

英語留学を無料で受講できる代わりにコールセンターで働いていた日本人が無許可の不法就労とされたものです。

当時のニュースによればその事業者は「事前に監督官庁から違法ではないとの了解を得ていた」とのコメントをしていたようですが、確認があまかったのかもしれませんし、監督官庁がいい加減7日もしれませんが、フィリピンでは十分に起こりえる事態です。

このケースがどうかは分かりませんが、アンダーザテーブル(袖の下・賄賂)で担当権限のある者の了解を得ていたが、告発や上部監督官庁などの指摘で引っくり返されるということもありえます。

なお、いわゆるゼロ円留学というものですが、一見得なようにも見えますが、授業料の対価をコールセンターなどでの労働で支払うということですから、セブより賃金単価の高い日本で働いて授業料をためた方が効率的なようにも思えます。(仕事を探す手間ははぶけますが)

それに、実際に英語学校に通ってみて思うのは、せっかく留学するのだから授業以外も予習復習して英語漬けにして集中した方がいいように思います。(話が横道にそれてしまいました)

信頼できる会社であること

フィリピンではあらゆる業種で信頼できる業者を見つけることに苦労します。日本であっても生活の中で、時々サービスや対応が悪かったりと質の悪い業者にあたったり、場合によっては詐欺にあったりすることはあります。

今の日本企業でも時折問題になりますが、誠実な仕事をするという当たり前のことが欠けていてはならないと思います。しかし経営者が誠実であってもスタッフに裏切られる可能性もあります。

セブにはタクシーの共同事業組合があります。ウッドラスコとシートラスコというのですが、組合がフランチャイズを持っていて組合員が事業を行うものです。

最近のフランチャイズの高騰により安価に事業を始めることができます。私も1台加入しています。ところが、昨年経理担当者が持ち逃げしてしまったのです。日本でも経理担当者による横領のニュースはたまに聞きますが、ビジネスを始めて数年の私が当事者になる位ですから発生率は日本より高いと思われます。

私が以前住んでいたアパートは結構大規模ですが家賃はオーナー自ら集金していました。それ位でないとダメなのかもしれません。お客さんから得た収入を持ち逃げされて会社が潰れてしまったら大変です。

信頼できるドライバー

タクシービジネスを始めて最初の新車でわずか1カ月そこらで大きな事故を起こしたドライバーは結局バックレてしまいました。それ以降如何にしてグッドドライバーを雇うかに苦心してきました。「タクシービジネスの成功及び失敗はドライバーによる」というのはいろいろな方から受けたアドバイスです。

まず事故を起こさない安全運転ができることが重要です。前にもお話ししましたがフィリピンではタクシードライバーになるためのプロフェッショナルライセンスはお金さえ出せば運転技術などどうでも取得できてしまいます。安全運転という意識も決して高くないように思います。

以前リタイアメントビザを取得した方から聞いた話です。セブでレンタカーを頼み、一人で観光されていたそうなのですが、夕食の時にドライバーもレストランに誘ったら友達もつれてきていいかと聞かれOKしたところ総額1万ペソ近くかかったそうでした。ぼったくりか最高級の料理か、ちなみに私がセブに来て一番高かった料理でも大人5人で3,000ペソ以下です。

誠実さ、勤勉さと運転技術を兼ね備えたドライバーを探す必要がありますが、これはタクシー事業の経験を生かせると思います。

優秀なガイド

フィリピン人は陽気な性格の持ち主が多くそういった意味では接客向きの人材が多いような気がします。

陽気なだけでなくマナーを守ったしっかりした接客ができることはもちろんですが、フィリピンでは「時間を守る」、「些細なことで仕事を辞めたりしない」という人材をみつけるのも結構大変です。優秀だなあという思える人は大抵すでにいい企業などに就職しています。

フィリピンでは6カ月の試用期間が終了したら一度解雇し、期間を空けてまた採用するというENDO(end-of-contract)というシステムが一般化しており、従業員のモチベーション低下を招いているという雇用主側の問題もあります。日本でも非正規雇用労働者の雇止めが2018年問題としてニュースなどで取り上げられていますね。

以前にブログで紹介した大家族のドライバーのリチャードの長女は今日本で働いています。下の写真の次女は今年高校を卒業し現在カレッジに通学しています。三女は今高校三年生ですが成績優秀で奨学生なので来年は大学を目指すでしょう。3人とも才色兼備で性格もいい美人姉妹で将来が楽しみです。

三姉妹の今後は分かりませんがツーリストバンやゲストハウスの計画を進めてタイミングが合えば彼女たちをスカウトしてガイド等のスタッフを頼めたらなあと密かに思っています。

↓リチャードの次女の写真です。一応ジャパニーズスタイルだそうですが日本人から見るとジャパンではないです。日本では成人年齢が法改正されましたがフィリピンの法律では従来から18歳が成人で、お金持ちは盛大なパーティをします。彼女の場合は多くの兄弟姉妹もいてそういったことはできませんが、高校の卒業記念と成人を記念してこういった写真を撮るのも一般的のようです。

次回は日本からになると思います。日本は全国的に暑いみたいですね。皆さま体調にお気を付けください。

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