※今回はユーチューブのコミュニティ欄に先日投稿したニュースをベースにしています。
ジェンダーギャップ指数で日本は116位、フィリピンは19位(7/13)
フィリピンで生活していると、特にビジネス関係で女性の社会進出を感じます。役所では高い役職が女性である場合も多く、それは戦後の大統領13人中、女性大統領がすでに二人誕生していることからもみてとれるかもしれません。
今度の選挙でも、副大統領は前回のレニー・ロブレド氏に続いて女性であるサラ・ドゥテルテ氏が選ばれました。
少し古いデータですが、「フィリピンの管理職に占める女性の割合は57.9%とILO(国際労働機関)が公表しているデータ中でトップであり、日本は10.1%に過ぎず、フランス、韓国についで低い。一方で全体の就業者数に占める女性の割合は、フィリピン38.5%に比べて日本が41.4%とほとんど差がない。(※1)」
私は8年前に退職するまで地方公務員でしたが、私の直属の部下が子育てと親の介護が重なり、退職するという事がありました。本人とは何度も話し合いましたが、意志は固く覆ることはありませんでっした。
管理職以前の問題として特に家庭を持つ女性が働く事自体が決して容易ではないという現状もみられます。また、さらに言えば、男女問わず『働き方改革』が謳われるように、日本の働く者の環境は、少なくとも先進国の中では決して進んでいるとは言えないのかもしれません。
公務員の福利厚生などの勤務条件や職場環境は一般企業より恵まれているといえます。これは労働条件などは民間のモデルとなるように、努力義務やガイドラインを実現するための高い水準に、社会で先立って設定されることが多いためです。働き方改革とあわせ、女性活躍に関しても積極的に取り組みが行われています(※3)
それでも現実はかなり厳しいものがあります。
女性政治家や女性管理職が少ないというのは、やはり日本では依然として女性の子育ての役割分担の割合が高く大きな負担となっており、20代から30代という時期にキャリアを積んだり高めることが難しいという問題が一つの要因であることは確かかと感じます。
その点、フィリピンの場合は今も「大家族制」が残っており、親や兄弟など家族全体で子育てに参加するなどの役割分担が機能し、これが女性の社会進出においても、一つの大きな役割を果たしていると言えます。
しかし、フィリピンも都市部では核家族が増えてきており、少しずつですが状況は変わっていくかもしれません。
※1「フィリピンで進む女性管理職の活用」(大和総研 2010.12.07)
※2「労働力調査の結果を見る際のポイント No.16 非正規の約7割は女性が占める ~男女・年齢階級別で著しく違う正規・非正規の割合~ 詳細集計 2012年平均結果から」(総務省統計局 2013.2.19)
※3「地方公務員における 女性活躍・働き方改革推進のための ガイドブック改訂版」(総務省 平成31(2019)年3月 総務省)
1「日本のジェンダーギャップ指数は主要先進国最下位の116位(フィリピンは19位でアジア最上位)」(7月13日)(朝日デジタル 2022.07.13)
https://www.asahi.com/articles/ASQ7F23H1Q7DUHBI01Q.html
世界経済フォーラム(WEF)は13日、世界の男女格差の状況をまとめた2022年版の「ジェンダーギャップ報告書」( https://www.weforum.org/reports/global-gender-gap-report-2022 )を発表した。
男女が平等な状態を100%とした場合、世界全体での達成率は68・1%。平等の実現までの年数はコロナ禍で1世代分遅れ、今のペースでは132年かかると警告した。日本は116位だった。なお、フィリピンは19位でアジアで最も高い。
1 Iceland(アイスランド)、2 Finland(フィンランド)、3 Norway(ノルウェー)、 4 New Zealand(ニュージーランド)、5 Sweden(スウェーデン)、6 Rwanda(ルワンダ)、7 Nicaragua(ニカラグア)、8 Namibia(ナミビア)、9 Ireland (アイルランド)、10 Germany(ドイツ)、11 Lithuania(リトアニア)、12 Costa Rica(コスタリカ)、13 Switzerland(スイス)、14 Belgium(ベルギー)、15 France(フランス)、16 Moldova(モルドバ)、17 Spain(スペイン)、18 Albania(アルバニア)、19 Philippines(フィリピン)、20 South Africa (南アフリカ)
新セブ市長「シンガポールのようなシティに」(6/30)
セブ市は面積291.2k㎡、人口922,611人(2015年現在)ですが、メトロセブでは面積1163.36k㎡2,551,100人(2010年)、セブ島全体では4,422k㎡で3,356,137人(2000年)シンガポールは719.2k㎡で5,850,000人(2020年現在)という規模です。
シンガポールでは国土利用・都市計画の骨格を「コンセプトプラン(以下、CP)」で示し、具体的・詳細な計画は「マスタープラン(以下、MP)」で定めているそうです。
1971年、1991年、2001年に計画されたコンセプトプランは以下のような内容です。
1971年は「都市中心部の不法占拠者 ・住宅不足 ・社会基盤整備の欠如 ・貧困、高失業率(13%以上) といった背景とし「産業・インフラ整備」を課題として「①都心部の集積機能の強化 ②島内全域への就業地域の分散 ③ジュロン地区等へ重工業の集中 ④ニュータウンへ軽工業の集中 ⑤高速道路網及びMRT拡張 ⑥チャンギ空港の建設」などを提案
1991年は「不動産等の過剰投資 ・経営コストの上昇 ・石油不況の深刻化」を背景とし「生活の質の向上」を課題とし「①より良好な居住の提供 ②レジャー・アイランド化 ③中心部の過度な混雑と開発阻止 ④新たな都心開発 ⑤総合的な交通システムの構築」などを提言
2001年は「土地不足の深刻化 ・低失業率(3%以下)」を背景とし、「国土の徹底的な有効利用」を課題とし、「①住み慣れた地域の新しい住宅 ②眺望のよい高層の都心住宅提供 ③多種多様なレクリエーションの提供 ④新ビジネスゾーンの設定 ⑤世界的なビジネス中心地 ⑥交通環境の整備 ⑦個性・独自性の重視」を提言
ラマ市長がシンガポールを参考にした理由としては、シンガポールは島で都市国家であり、土地も狭く資源も無く1965年のマレーシアからの独立時は決して豊かではなかったにも関わらず、観光政策や、エネルギーやインフラなどの国土政策、そして教育や人材確保に力を入れ、そういった施策が急速な経済発展に好循環でつながっていった点が参考になるとの考えと思われます。
<出典>
シンガポールの都市政策vol.1海外資本を呼びこむ都市戦略(名古屋都市センター アジアまちづくり研究会 2012.3)
シンガポールの都市政策vol.2 緑豊かなコンパクトシティ (名古屋都市センター アジアまちづくり研究会 2012.6)
シンガポールの都市政策vol.3弱みを強みに変える水施策(名古屋都市センター アジアまちづくり研究会 2012.6)
シンガポールの観光・経済社会について (国土交通省 国土政策局 平成26(2014)年4月)
2「ラマ セブ市長はシンガポールのようなセブシティを構想しています(Rama envisions a Singapore-like Cebu City)」(CDNデジタル 2022.6.30)
https://cebudailynews.inquirer.net/450493/rama-envisions-a-singapore-like-cebu-city
セブ市長のマイケル・ラマ氏は2022年6月30日の就任演説で、セブ市をシンガポールのように構想していると述べた。
・今後3年間で、待望のバス高速輸送(BRT)システムを最終的に完成させ、軽鉄道システム、モノレールシステム、ケーブルカーの研究を開始。
・地下鉄、高架橋、拡幅された道路、およびその他のインフラプロジェクト。
・最初の100日間でSRPローンの全額を支払い、93-1の取引を実現し、BRTプロジェクトを実現し、交通サミットを開催し、街の通りをアスファルトで覆い、公共のWiFiを設置し、Let ThereBeLightプロジェクトを展開
・中層ビル(MRB)などの住宅、市職員向けの住宅、警察の装備と近代化、新しい警察署の建設、スカイウェイの下のスペースなど、市内の空きスペースの造園など市内の緑地を増やす。
・その他の計画は歩道の再設計、SRPに向かう道路の増設、SRPでの新しいセブ市庁舎の建設など。
セブ市は災害対応を改善する(7/12)
雨季に入り、セブでは洪水被害が発生しています。特に急激に都市化が進んだメトロセブは、埋立地や河川などの排水機能が乏しい上にゴミなどの堆積やそれを取り除く浚渫(しゅんせつ)工事が追いつかないなど慢性的な洪水に悩まされています。
幹線道路の迂回路が少ないのもメトロセブの特徴で、一度洪水が起きると主要道路が遮断され大渋滞が発生するということもあり、経済的損失も大きいものになります。
昨年の台風被害での災害対策とともに、毎年起こる大雨による被害軽減も大きな課題ですので、積極的な取り組みが望まれます。
3「最初の100日間:セブ市長はバランガイの災害対応を改善することを誓う(First 100 days: Cebu City mayor vows to improve barangay disaster response)」(Rappler 2022.7.12)
First 100 days: Cebu City mayor vows to improve barangay disaster response
フィリピン、セブ–セブ市長のマイク・ラマは、新政権の最初の100日以内にバランガイに基づく緊急対応を強化することを約束した。
・セブ市の災害リスク軽減管理局(CCDRMO)は、この1週間に、大雨による市内南部のバランガイのうち少なくとも20か所が洪水の影響を受けたと報告した。
・関係者は、排水システムの不十分な維持と、高架バランガイの近くの主要な水路に沿って堆積するゴミが、広範囲にわたる洪水の理由のいくつかであると指摘した。
・新しいシステムでは、災害や災害の際に、CDDRMO、バランガイを拠点とする緊急対応チーム、警察、およびその他の関係機関間のすべての通信を一元化する。
・6月の初め、セブ市は川から3メートルの範囲内で見つかった建物や家屋の撤去を開始した。
・政策の影響を受けた住宅所有者は、移転と住宅を約束された。
セブ市が8月にモビリティサミットを開催(7/13)
市は現在、シンガポールの交通システムを調査しており、その運営から学ぶことを望んでいます。
ただ、2019年に日本のJICA(国際協力機構)のODAとして、メトロセブ全体(セブ市を含む13自治体)の交通システムに関して「メトロセブ都市交通システム開発マスタープランプロジェクト」が策定されており、こちらとの関連が気になるところです。
このマスタープランでは、『メトロセブ都市交通マスタープラン(Metro Cebu Urban Transport Master Plan)』の背景として「メトロセブは急激な都市化、人口増加が進行している一方、包括的な都市交通改善のためのインフラ投資が行われてこなかったため、道路交通渋滞の更なる深刻化が懸念されている 」とし、「JICA は 2015 年に「メトロセブ持続可能な環境都市構築のためのロードマップ策定支援調査」(RM 調査)を実施し、都市交通セクターを含む、短期(2020 年まで)、中期(2030 年まで)、長期(2050年まで)で取り組むべき総合的なプロジェクトをリストアップしている。」
しかし、複数の自治体にまたがる交通インフラプロジェクトの合意形成が障害となっていて、包括的な都市交通インフラ投資が進んでいない。こうした背景のもと、「RM調査結果に基づき、具体的なプロジェクトの優先順位に係るメトロセブの関係者の合意形成を行い、次のアクションへつなげていくために都市交通マスタープラン(MP)を策定するMCUTMPが我が国に要請された。」としています。
メトロセブにおいて、コロナ以前のような渋滞は経済的損失も大きいものがあります。土木事務所に勤めていた経験や、現在タクシービジネスという公共交通事業に携わっている者として関心をもっていきたいと思っています。
4「セブ市が8月にモビリティサミットを開催(Cebu City to hold Mobility summit in August)」(CDNデジタル 2022.7.13)
https://cebudailynews.inquirer.net/452777/cebu-city-to-hold-mobility-summit-in-august
セブ市は、市内の交通と交通の懸念に取り組むために、今年8月にモビリティサミットを開催する。
・モビリティサミットは、市に影響を与える重要な問題について話し合い、対処するために、今年、市政府が主催する3回目のサミットになる。
・市役所は、4月に固形廃棄物管理サミットを、5月に環境サミットを開催した。
・モビリティサミットの実施は、マイケルラマ市長が就任演説で、セブ市をシンガポールのようにするという政権の計画の準備として、さまざまな利害関係者と協力して市の交通と交通の懸念に対処するという約束を果たすもので、市は現在、シンガポールの交通システムを調査しており、その運営から学ぶことを望んでいる。
セブ州刑務所の「囚人ダンス」ショー復活へ(7/13)
コロナ前のセブの観光スポットのひとつだった『囚人ダンス』です。私は行ったことは無いのですが、見学に行った人の話ではダンスの後には、見学者も広場に入って受刑者と一緒に記念撮影もできたのだとか。このへんは日本では絶対に有り得ないフィリピンならではの光景ですね。
もともとは、運動不足になりがちな服役者の運動として始まったというような話も聞いたことがありますが、収益は出所後のためにも使われるそうなので、一石二鳥ということで、コロナが明けて復活できそうで、よかったのではないでしょうか。
5「セブ州知事が刑務所の『囚人ダンス』ショーを復活させる(Cebu governor brings back ‘dancing inmates’ show)」(Inquirer 2022.7.13)
https://newsinfo.inquirer.net/1626810/cebu-governor-brings-back-dancing-inmates-show
・セブ州知事のグウェンドリンガルシアは、セブ州拘留リハビリテーションセンター(CPDRC)の「踊る囚人」を呼び戻し、観光客を引き付け、数年前にYouTubeに投稿されたダンスルーチンが話題になった囚人に収入をもたらすことを願っている。
・ガルシア氏はまた、セブ協同銀行のCPDRC受刑者の普通預金口座を再開すると述べた。彼女によると、各受刑者には普通預金通帳が渡されるという。
・彼女が2004年から2013年までセブ州知事を務めていたとき、ガルシアはCPDRCで生計プログラムを導入し、受刑者が州の刑務所から釈放された後、貯蓄を利用できるように支援した。
・CPDRCは、マイケルジャクソンのミュージックビデオ「スリラー」の振り付けダンスが、当時の刑務所コンサルタントである知事の兄弟であるバイロンガルシアによって、2007年にYouTubeに投稿されたときにインターネットで大ヒットした、ダンスの受刑者のために人気を博した。
・元の投稿はこれまでに5,950万回以上再生されている。
・今回、ガルシア知事は、州政府がダンススポーツ振付師のエドワード・ジェイコとCPDRCの受刑者を訓練する協定を結んだと述べた。
ドゥテルテ前大統領、安倍氏へ哀悼コメント(7/9)
記事にもあるように、安倍元首相はドゥテルテ大統領就任後初めて訪れた、また唯一ダバオの実家を訪れた外国首脳だったそうです。
2020年に安倍元首相の辞任表明を受けたコメントでは「彼の任期中にフィリピンと日本の2国間関係は戦略的なパートナーシップへと大きく発展した」と日本の支援によるインフラ整備が進むなど2国間関係が緊密になったことを評価し、また、2017年1月に安倍首相と昭恵夫人を南部ミンダナオ島ダバオ市の自宅に招いたことに触れ、「彼は私とフィリピン人にとって、兄弟より近い真の友人だ」と述べています。※1
政治的な話題はこのブログでは触れませんが、フィリピン人にとっても最も印象深い日本の首相だったのではと思われます。
また、日本が『安全な国』ということは多くのフィリピン人にとっての共通認識であるゆえに、元首相が殺害されるという事件は衝撃的な出来事として受け止められました。
※1「フィリピン大統領「2国間関係が発展」 首相辞任表明受け」(日本経済新聞 2020.08.29)
6「比ドゥテルテ氏『安倍氏と共に過ごした時間大切に』」(テレ朝news 2022.07.09)
ドゥテルテ前大統領はフェイスブック上に安倍晋三元総理の死を悼みコメントした。
安倍元総理はドゥテルテの大統領選挙後に初めてフィリピンを訪れた外国の首脳であり、ダバオ市の自宅を訪れた唯一の外国首脳だった。
中国の王外相が新大統領と会談、フィリピンに秋波(7/7)
中国とは南沙諸島の問題を抱えているものの、経済的な関係も強く、米中対立が深まるとともに両国との外交は新大統領にとっては難しいハンドリングとなるでしょう。
7 中国、フィリピンに秋波 王外相が新大統領と会談(時事通信 2022.07.07)https://www.jiji.com/jc/article?k=2022070700636&g=int ←リンク切れ
中国の王毅国務委員兼外相は6日、訪問先のマニラでフィリピンのマルコス新大統領と会談し、両国関係の新たな「黄金時代」を切り開きたいと秋波を送った。
セブシティで完全な対面授業を再開へ(6/30)
2020年3月のロックダウン以降、学校の対面授業が中止され、公立学校は抽出された学校による試行を経てようやく全面的な再開の方針が示されました。
我が家でも姪のアティーナは昨年グレード1だったのが一回も通学せずにグレード2に進級、甥のマティーオも幼稚園には通わずにグレード1に入学です。
この間、一応オンラインクラスはあったものの、正直なところ学力にとってどれだけ効果的か心配になります。(以前、ユーチューブにその様子を投稿しましたのでよろしければ御覧ください)
8 セブシティで完全な対面授業を再開へ(Cebu City to resume full in-person classes)(Inquirer 2022.6.30)
https://newsinfo.inquirer.net/1619202/cebu-city-to-resume-full-in-person-classes
・セブ市のすべての教育訓練機関は、完全かつ安全な施設の収容能力まで、あらゆるレベルで対面式の授業を再開できる行政命令(174号)を発した。
・学生、教師、非教職員にはワクチン接種を受けるよう促した。
・セブ市の教師と非教師の約96%がCOVID-19の予防接種を受けていたという。
・フェイスマスクの着用、身体的距離の確認、温度のチェック、頻繁な手洗いと消毒、咳のエチケット、インフルエンザのような症状の早期相談と報告を学校で厳格に実施する必要がある。
・セブ市緊急オペレーションセンターは、健康プロトコルの実施においてすべての学校を監視する任務を負っている。
・ラマ氏は、集団免疫につながるワクチン接種がCOVID-19の影響を和らげる方法であるという政府の立場は堅固で一貫していると述べた。
・セブ市は3月16日からCOVID-19アラートレベル1になっている。
ムーディーズ、フィリピンのGDP成長予測を引き上げ(6/23)
経済には疎いのですが、フィリピンは世界最長のロックダウンとも言われたコロナ対策で、経済的には相当なダメージを負っているとともに、政府の財政も悪化しているのではないかと思われます。
日本は長いデフレから、今度は原油高や円安での物価高騰と、あまり経済で明るい話題はなさそうですが、どうなんでしょう?
9「ムーディーズアナリティクスはフィリピンのGDP成長予測を引き上げる(Moody’s Analytics hikes Philippine GDP growth forecast)」(フィリピンスター2022.6.23)
ムーディーズアナリティクスは、フィリピンの国内総生産(GDP)の成長予測を、第1四半期の予想を上回る拡大の後、今年の6.1%から7%以上に引き上げた。
フィリピン中銀、政策金利2.25%から2.5%に利上げ(6/23)
これも、経済関係は疎いので、『で、政策金利があがるとどうなの?』という疑問で、ちょっと調べてみたのでした。
「為替レートに影響を与える金融政策」(SBI証券)によると
「金融政策とは、物価や通貨の安定のために中央銀行(日本では日本銀行)が行う金融面での経済政策のことで、経済情勢から「金融緩和」か「金融引き締め」の金融政策を実施します。
為替相場では、「政策金利」の調整が特に大きく注目されます。政策金利は景気が過熱しすぎた場合には金利を引き上げ(=利上げ)て景気を冷まそうとし、反対に景気が後退する場面では金利を引き下げ(=利下げ)て景気の失速を防ごうとします。」
日本では少し前に『超低金利政策』を続ける日銀の黒田総裁の発言のニュースが話題になりましたね。
続けて、「なぜ政策金利の利上げ、利下げで為替レートが動くのか。例えば日本円の金利が低く、米ドルの金利が高いという場合で考えてみると、投資家はより有利な金利を求めて日本円の資産の比率を減らして、米国ドルの資産の比率を増やそうとします。これにより、金利の高い米ドルを買うという動きが出てくることによって、為替は「円安ドル高」となります。
このように一般的には、各国の政策金利と為替レートには相関性があり、政策金利の変動は為替レートに影響を及ぼしています」
とのこと、ペソ安でインフレ傾向に対して利上げをして、抑制しようとしているわけです。ただ、インフレを抑えることは景気の抑制にも繋がるので、ハンドリングが難しいところ。
アメリカの金融政策は世界経済にも影響を及ぼしますが、こんなニュースもあります。7月12日の日本経済新聞「株安で動かぬFRB アメリカの景気後退が濃厚に」では
「アメリカの5月のCPI(消費者物価指数)は、前年同月比で8.6%上昇し、当初予想を覆して40年5カ月ぶりの高水準を記録。2021年春頃から上昇し始めたCPIは、3月の8.5%をピークに下がり始めるとみられていただけに、この上昇は想定外でした。
止まらぬインフレを受けて、政策金利を0.75%引き上げる大幅利上げが発表され。市場では、FRBは政策金利が少なくとも3%台に乗るまで利上げを続けるとの見方が強まりました」
とのこと。円安はまだしばらく続くのでしょうか。
10「フィリピン中銀、政策金利2.25%から2.5%に利上げ 2会合連続」(Nikkei 2022.6.23)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM2338D0T20C22A6000000/
フィリピン中央銀行は23日の金融政策決定会合で、政策金利である翌日物借入金利を年2.25%から2.5%に引き上げることを決めた。利上げは2会合連続となる。インフレ率が高水準にあることに対応する。フィリピンと米国の金利差が拡大するとの懸念により急速に進むドル高ペソ安の抑制にもつなげたい考えだ。
セブ市がジープニー不足に対処(6/23)
セブ市街地ではコロナ禍に入ってロックダウンが解除されて以降、急速にジプニーからバスへの入れ替えが進みました。
とはいってもジプニーの小規模オーナーは単独でバスへ変更できないケースも多く、コアボラティブ(協同組合)に加入するか廃業するかの選択をしたようです。
実は私のところにも、サブドライバーで応募してきたドライバーがいて、彼はジプニー1台を所有していたのですが、廃業したのだそうです。もともとジプニーに関しては排ガス規制の関係もあって、何年も前から廃業した場合には一定の補償金を支払うといった政策がとられてきたこともあります。
ジプニー不足に関してはこういった背景もあるのではないかと思われます。
東南アジアらしいジプニーの姿が見られなくなる日もそう遠くないかもしれません。ちょっと寂しいっですね。
11「セブ市がジープニー不足に対処(How Cebu City is dealing with a jeepney shortage)」(Rappler 2022.06.23)
https://www.rappler.com/nation/how-cebu-city-dealing-shortage-public-utility-vehicles/
セブシティだけでも、パンデミックの前に5,000〜6,000人が運転していたと推定されるが、現在戻ってきたのは3,000人だけであり、さらにセブの現在の燃料価格は、ディーゼルガソリンと無鉛ガソリンの両方で1リットルあたり90ペソを超えており、石油価格は、年初の価格のほぼ2倍となっている。燃料価格の高騰により、少なくとも300人の運転手がセブ市での運転を停止しており、市はPUV(公共交通車両)ドライバーに燃料割引と現金援助を提供している。
世界競争力ランキング、フィリピンは63カ国中48位(6/23)
IMDの「世界競争力ランキング」とは『やまとごころ.jp』の「IMD 2021年世界競争力ランキング発表。スイスが初めて1位を獲得、日本は31位」によると
「世界の主要60か国と地域を対象に、「企業にとってビジネスをしやすい環境がどれほど整っているか」を基準に順位付けしたもの。「経済状況」「政府の効率性」「ビジネスの効率性」「インフラ」の4つの指標が設定されており、全部で300を超える項目を調査して決まる。
幅広い観点から企業が競争力を発揮できる土壌の整備度を測るものと見ることができるため、世界各国の経営層や投資家が参考にしている。」とのこと
フィリピンはまだまだですが、日本も結構低い順位ですね。
12「2022年版の世界競争力ランキング、シンガポールが3位に上昇(フィリピンは48位)」(ジェトロ 2022.6.23)
2022年版の世界競争力ランキング、シンガポールが3位に上昇
スイスのビジネススクールである国際経営開発研究所(IMD)がIMDは63カ国・地域を対象に、20項目・333の基準で「全体スコア」「経済パフォーマンス」「政府の効率性」「ビジネスの効率性」「インフラ」の5つのカテゴリーで競争力をスコア付けした6月15日に発表した「世界競争力ランキング2022」を発表し、フィリピンは前回調査から順位を上げ48位だった。日本は34位だった。