タクシーが拾いにくい大渋滞の年末のセブ
先日15日に、SMシティセブ・モールへ所用で出かけたときの話です。
平日の木曜日ですが、多くの企業の給料日で、しかも、13か月給与(『クリスマスボーナス』とも)が支給される場合もあるということもあり、夕方の時間帯は人出も多く、しかも、今にも雨が降り出しそうな天気で、タクシープールには多くの人が並んでいました。
コロナ以前のセブ市街地は、本格的なクリスマスシーズンである12月はとんでもない渋滞で、とても出かけたくない状況でしたが、3年ぶりにその頃に近い状況になってきたように思えます。
その日は6時にアヤラ・モールで打ち合わせの予定があり、カミさんが近くのドライバーに来てもらうように頼んでエントランスから少し離れたところで待っていました(やっとこさ、連絡がとれました)。
タクシーが捕まらない韓国人カップル
するとそこに若い韓国人カップルがいて、バイクタクシー(ハバルハバル)に乗ろうかとしていました。
カップルはスーツケースを持っていて、バイクタクシーのドライバーは、それをバイクの前部分(よく子供を乗っけるスタイルです)に無理やり載せようとしていましたが、海外旅行用のスーツケースなので、大きくてうまく収まりません。
どこからどうみても危険です。
ドライバーが四苦八苦している姿を見て、男性の方が躊躇して「大丈夫ですかね?」みたいなことをカミさんに聞いてきたので「危ないから車のほうがいいと思う」と答えたようでした。
(そのあと雨が降ってきたので、乗っていたら、結構悲惨なことになっていたかもしれません)
結局、ドライバーも諦めてタクシーを待つことに。
しかし、道でタクシーを捕まえるのにも慣れておらず、何組かのフィリピン人に先を越されてしまっていました。
ただ立ちすくんでいるだけという感じ(なんか、喧嘩になりそうなパターン)。
カミさんが聞いたところ、彼らはマクタン島の東北端のホテルまで行きたいとのこと。(すぐ近くにはタクシープールがあったのですが、あえて、そこにいたのは、断られたからかもしれません)
私などは多分「今後一生、泊まることはないだろうな」という超高級ホテルです。そんなとこに泊まっている土地に不慣れな外国人というだけで、カモを探している悪いやつらのターゲットにされそうです。
SMからマクタン島西北端のホテルまでのタクシー料金
カミさんが見かねて、ちょっと先で休憩するために止まったタクシーに聞いてみたところ、「1,500ペソなら行く」とのこと。
後でグーグルマップで計算したところ、それほど渋滞していない時間帯だと400ペソくらいで行ける距離です。
ちなみに現在のタクシー料金は初乗り40ペソで、以降、時間と距離併用で、1分ごとに2ペソ、1kmごとに13.5ペソです。(ただし、現在、ガソリン価格高騰時に認可を受けたタクシーは初乗り5ペソ上乗せでき、この場合は、車内にその旨掲示されています)
タクシー料金表(LTFRB) ホワイトタクシー案内(マクタン空港)
※少しネットを検索すると2017年の改定前の料金や計算方法が異なる情報が掲載されているケースがあるのでご注意ください。
タクシーを使う場合は、距離と時間をグーグルマップの『ルート・乗り換え機能』で調べておくと、大体の料金が計算できます。
「渋滞」と「長距離」を避けたいタクシードライバー
さて、いくらなんでも1,500ペソというのは高すぎです。単に休みたかったのでふっかけたという可能性もありますし、現在地(SMシティ・モール)からこのような目的地は避けたいというのもあったかもしれません。
第3ブリッジが完成したといっても、セブ島からマクタン島への渋滞は激しく、この時期(クリスマス前)で、雨が降ってしまうと輪をかけて大渋滞です。
タクシー事情についてはユーチューブの『アキラ先輩』の動画で解説されており、私は、さらにその動画を解説するブログを投稿したいと思っています。
その動画でも触れられていますが、タクシーメーター料金では、渋滞では乗客を乗せて走ってもノルマの稼ぎに達しません(下手すると赤字になってしまいます)。
また、長距離も帰りが空になってしまう可能性が高いので嫌われます。駅などでの乗客待ちに列をなす光景を見る日本と異なり、セブのタクシーの稼働率は非常に高く、常に乗客を乗せフル稼働しなければ、これもまた、ノルマを達成するのが難しくなります。
(車両代もガソリン代も日本と比べて、そんなに安いとは言えない『フィリピンのタクシー料金の安さ』は人件費の安さ以外にも、その稼働率の高さが前提になっている面もあると思います)
つまり、タクシードライバーはできるだけ『渋滞を避け』、『(初乗りで稼げる)短い距離の客を乗せたい』のです。
『グラブ・アプリ』を使って何とか車がつかまる
以前お話したようにセブの役所(LTFRB)は追加料金請求などのクレームが入ると、ちゃんとオペレーター(事業主)とドライバーを呼んで聴聞会を行うというように厳しく対応します。
ただ、乗客が同意した場合はその限りではないので、遠距離の場合など、乗る前に額を示すということは実際に行われています。
近くにうちのタクシーがいれば呼んであげても良かったのですが、空車は全く無く、さきほどもようやく1台見つかった感じで、少し離れていると渋滞でかなり時間がかかってしまいます。
カミさんが「配車アプリの『グラブ』は持っていないか?」と聞くと、一応アプリは入れてあるが使い方が良くわからないとのこと。
私は使ったことないので(…..)、カミさんが使い方を教えてあげ、幸いなことに1台つかまりました。
値段は800ペソちょっと。
『グラブ』はタクシーとプライベートカーがありますが、どちらもタクシーのメーター料金よりは高い設定になっています。
その料金は、多分アルゴリズムで状況に応じて変えているのだと思います。つまり、渋滞がひどかったり、需要が多いシーズンや時間帯は高くなるような。
通常時のタクシー料金よりはかなり高いですが、それでも、これを逃すとますます混む時間帯になります。さらに雨も降ってきました。
結局グラブを予約して、カミさんがドライバーの顔写真も呼び出してみせて、何かあったらクレームも入れられるし、荷物を忘れても連絡がとれるといった簡単な説明をしていると、うちのタクシーがやってきたので先に乗り込みました。
その際に女性が「フィリピン人は親切、ありがとう」とカミさんにお礼を。
かなりの渋滞になったと思いますが、無事着いたことを願っています。
おわりに
さて、ちなみに私が『グラブ』を使ったことがない理由ですが、一応アプリは入れて使えるようにはしているのですが、必要であれば、カミさんがいるときは呼んでくれます。
もっとも、セブでは通常は大抵流しのタクシーが捕まります。捕まらない場合は大体は渋滞時で、その場合は、車よりバイクタクシー(ハバルハバル、『アンガス』)の方が早いので、そちらを利用します。
これまでも何度かお話してきましたが、バイクタクシーは結構危険です。私のフィリピン人の友人も怪我をしましたが補償もされません(『アンガス』は補償があるかもしれませんが、死亡時だけでなく怪我の場合も対応できるかは不明です)。
ただ、渋滞時は、たとえ事故になっても大きな怪我になる可能性は少ないので、そういった場合には利用しています。
私は『グラブ』より一般タクシーの方が安いので使っていませんが、観光旅行者は基本的に『グラブ』を準備されることが賢明かと存じます。(特にこのシーズンでなくとも利用したほうが、少し高い料金を払っても安心です)。
(以前お話しましたが、役所は全タクシーに配車アプリを義務付け、多くの車両が『MiCab』を利用しているのですが、まだ実用的ではありません。)
別途投稿で説明したいと思いますが、マニラに比べるとボッタクリは少ないと言われるセブですが、特に観光客に対しては、悪質な事例が生じていると思われます。
『グラブ』でも追加料金の要求など全く無いわけでは無いようですが、クレームを入れられるので、抑止力になっているでしょう。
最後になりますが、冒頭にお話したように、この時期は、コロナ以前はどうにもならないくらいの大渋滞で、今年は3年ぶりにその状況に近くなってきています。
また、今は一応乾季ですが、それでも全く降らない訳ではなく、大雨になるとさらに悲惨なことに。さらにさらに、事故渋滞が発生すると目も当てられない状況に・・・。
セブシティは狭いエリアで抜け道も少ないので、詰まってしまうとどうにもならなくなります。
いずれにしても渋滞を見越して、時間に余裕を持ったプランで行動されるのが良いかと思います(特に帰りのフライトで空港へ向かう場合など)。
セブでのよい旅を願っています。