はじめに
インフレが続くフィリピン
長いデフレの時期には、期間限定とはいえマクドナルドのハンバーガーが59円で買えた時代もあった日本ですが、現在では物価高騰に対して賃金上昇がなかなか追いつかず、庶民にとって厳しい時代となっています。1)
一方、フィリピンはインフレの影響を感じつつも、経済成長は比較的順調で、(不満はあろうものの)給与水準もそれに伴い上昇しています。
例えば、今年もセブ市を含む地域の一般事業所の最低賃金は、10月2日から、468ペソから501ペソへ引き上げられました。2)
私がセブに来た2014年5月の中央ビサヤ地方(セブを含む)の最低賃金は340ペソで、さらに前の2006年の241ペソと比較すると41%も増加しています。3)
(日本円にすると今(2024年11月18日現在で1ペソ2.63円)のレートで468ペソは約1,231円、501ペソは約1,318円、2014年5月は1ペソ2.3円で(この年の後半にかけてアベノミクスによる円安になります)、340ペソは約780円です。)
(日本円に換算すると、2024年11月18日現在のレート(1ペソ=2.63円)で468ペソが約1,231円、501ペソが約1,318円、2014年5月当時のレート(1ペソ=2.3円)では340ペソが約780円となります。2014年の後半にアベノミクスによる円安が進みますが、その少し前の頃です。)
確かにスーパーのレジ係などの日給は300~350ペソ程度と聞いた記憶があります(小規模事業所などでは最低賃金が守られていないケースもあったようです)。
サービス業は人件費が大きな割合を占めますが、私がセブに来た頃は40ペソほどだったローカルの散髪代は今は100ペソと倍以上になっています。
2017年頃に私がよく行っていたカレンデリア(※)でよく頼んでいたランチ(カレンデリアとしてはちょっとハイグレードです)は下の写真のような感じで、フライドライスにおかず3品で100ペソ札でお釣りがきました(当時のレートで100ペソは220円程度)。
残念ながら、コロナ禍で閉業してしまいましたが、今であれば130~150ペソくらいにはなるのではないかと思います(今のレートは2024年11月18日現在で1ペソ2.63円なので340~400円程度)。
物価は、サービスやモノによってかなり異なり、この10年で倍になったものもありますが、2割から4割増くらいが多いかなというのが私の体感です(日本人にとっては円安の影響もあり、1.5倍位以上の感覚かもしれません)。
7年ぶりの料金メーター変更(改定)
タクシーやジプニー、バスといった交通公共機関の運賃・料金は国が定めているのですが、庶民の毎日の足として家計にも直結することから、政府は値上げには慎重な姿勢で、私がセブに来てからこの10年でメーターの改定(変更)は1回のみでした。
(その他、ガソリン価格の変動に伴うメーターの変更を伴わない暫定的な改定はありました)
ジプニーの最低運賃は、セブに来た頃は6ペソか7ペソ位だったと思いますが、現在は従来型ジプニーの最低運賃が13ペソ、ミニバス(モダンジプニー)(※)の最低運賃が15ペソに引き上げられています。
タクシーに比べると値上げ幅が大きいように感じますが、ジプニーに関しては、ミニバスへの移行が進められており(詳しくは後ほど説明します)、オペレーター(※)からは、280万ペソ程度の車両代(車種により異なります)や維持費を考慮した運賃設定の要望が出されています。5年以内に最低運賃が50ペソになるという見込みもあります。4)
ジプニーとミニバスは同じ路線を混在して運行しており、運賃に大きな差を付けにくい点や、ミニバスの運賃を大幅に値上げすると、移行に対して反対の声が大きくなる恐れも考慮されているのではないかと思われます。
ですから、完全移行が完了した後に、ミニバス運賃が値上げになる可能性はありえます。
料金メーター変更(改定)作業
2024年11月、セブではタクシーのメーター変更(改定)作業が順次行われています。
私がセブに来る前のタクシー料金の改定は2010年で、その次が2017年ということで、大体7年に一回のサイクルで、メーター変更が行われていることになります。
当社は11月14日が作業日で、午前中に指定のメーター業者で変更を行ったのですが、突然、役所の偉い人からの指示とのことで午後に予定されていた認証作業がストップしてしまいました。
役所の認証がなければ運行できません。
さすがにオペレーターやドライバーは怒り心頭で、結果的に何とか当日中に作業を終えましたが、バウンダリー(※)は無し、本日の収入はゼロです。
翌日には、別のオペレーターから電話があり、「メーター業者がマニラに行ったとのことで作業ができない、昨日の状況を知りたい」という電話が…。
「居留守の可能性もあるので、スタッフでなくオーナーに直接確認したほうがよい」と、カミさんがアドバイスしていました…。
こんな感じで、いつもの調子のフィリピンビジネスです。
というわけで、今回はタクシーやジプニー(※)などの公共交通について、運賃・料金を中心にお話ししたいと思います。
よろしければ、どうぞお付き合いください。(予定していた「海外在住者と住所」については次回に繰り延べさせていただきます。)
1)「マクドナルド値上げ あなたの思い出のハンバーガーの値段は? 52年の価格変遷を振り返る」
「実質賃金の回復を急げ~持続的な生産性向上に向けた議論を」(ニッセイ基礎研究所 2024/10/28)
2)「DAILY MINIMUM WAGE RATES(日給最低賃金)」(DOLE:フィリピン労働雇用省)
3)「Labor Day mayday!(労働者の日メーデー!)」(CDN 2014/05/02)
4)「As Philippines scraps jeepney buses, operators struggle with costs(フィリピンがジープニーバスを廃止、運行会社はコストに苦慮)」(Context 2023/02/27)
「P50 minimum jeepney fare ‘seen in 5 years’ under PUV modernization(PUV 近代化により、5 年以内にジープニーの最低運賃が P50 になる見込み)」(Philstar.com 2024年/01/03)
<用語>(※)の付いている単語です。
LTFRB(Land Transportation Franchising and Regulatory Board):陸上輸送フランチャイズおよび規制委員会
タクシーやジプニーの運行を所管する官庁。
LTO(Land Transportation Office):フィリピン陸運局
運転免許証や車両登録を所管する官庁。
オペレーター
タクシーやジプニーなどの経営主体。LTFRBからフランチャイズ(営業権)の認可を受け運行する。会社の場合は「SEC(Securities and Exchange Commission):証券取引委員会」、個人の場合は「DTI(Department of Trade and Industry):貿易産業省」への登録や、事務所所在地自治体の営業許可(ビジネスパーミット)も取得する必要がある。
バウンダリー
フィリピンのタクシービジネスでは、一般的にレンタカーのようにオペレーターがドライバーに車両を貸付け、ドライバーが一日いくらというように利用料金を支払うシステムが多く、その利用料金のことをバウンダリーという。
ジプニー(jeepneyまたはjeep)
フィリピンの交通公共機関で、市内や郊外までの短・中距離を網羅する。第二次世界大戦後に軍のジープを払い下げて改造して利用したためジープ、あるいはジプニーと呼ばれている。運賃はかなり安く、庶民の足となっているが、排ガス規制などもあり、ミニバス(モダンジプニー)への移行が進められており、従来のジプニーはトラディショナル(伝統的)ジプニーとも呼ばれる。
TNCs(Transportation Network Companies):輸送ネットワーク会社
アプリなどのデジタルプラットフォームを通じて、ドライバーと利用者をマッチングさせて、オンデマンドでライドシェアによる交通サービスを提供する企業。特徴としては、基本的に自社の車両は保有せず、個人事業主であるドライバーが所有する車両が運行する。セブにおいては乗用車は「グラブ」、バイクタクシーは「アンガス」が運営会社として大きなシェアを占めている。
カレンデリア(Carinderia)
「トロトロ(turo-turo)」ともいう。庶民を中心に広くすべてのフィリピン人に利用され、手頃な価格で、主に作り置きの品が陳列され、客が選び提供されるスタイルの食堂。
カレンデリアという言葉は、カレーを意味する「カリ(kari)」を語源とするフィリピンの伝統料理「カリカリ(Kare-kare)」を提供することに由来しているといわれている。
また、ビサヤ地方では「しゃがむ(pungko)」という言葉からきている、屋台形式で食事を提供する「プンコ プンコ(Pungko-Pungko)」も、安価な庶民の食事処である。
「Carinderia」(Wikipedia)
「Pungko Pungko」(Ang Sarap)
<参考>
LTFRBが所管する公共交通機関(PUV : Public Utility Vehicle)等
- 公共バス (PUB):Public Utility Buses (PUBs)
- ミニバス(モダンジプニー):Mini-buse(Modern jeepney)(「BEEP」ともいう)
- 公共ジープニー (PUJ):Public Utility Jeepneys (PUJs) (「トラディショナル(Traditional) ジプニー」ともいう)
- ユーティリティ ビークル (UV) エクスプレス サービス:Utility Vehicle (UV) Express Services(都市から地方市など中距離を結ぶバン)
- タクシー:Taxies(一般のホワイトタクシーのほか、空港サービスのイエローシー、黒塗りの高級仕様のプレミアムタクシーなどの種類がある)
- 交通ネットワーク ビークル サービス (TNVS):Network Vehicle Services (TNVS) (自家用車及びタクシーを対象とする「グラブ」やバイクタクシーの「アンガス」など配車アプリによるサービス)
- 観光輸送サービス:Tourist Transport Services(観光省の許認可も必要)
- フィルキャブ サービス:Filcab service(トライシクル運行地区を走るバイクがベースの7~8人乗りの乗り合い車)
- スクール サービス(スクールバス):School services
※三輪車のトライシクルはLTFRBではなく自治体の所管により運行される。
※バイクタクシーはアンガスのような配車アプリによるものはTNVSとしてLTFRBが所管しているが、それ以外の個人で運営される「ハバルハバル」と呼ばれるものは現行法制度では無許可営業であるが、事実上黙認されている。
<参考>
「Comprehensive Guide to Public Transport Services in the Philippines(フィリピンの公共交通機関サービス総合ガイド)」(LTO Portal PH)
フィリピン・セブのタクシー料金や公共交通
2014年【フィリピンのタクシー料金は安い?】
セブの風景
私が初めてフィリピン・セブの地を踏んだのは2014年でした。
当時通っていた英語学校で、日本人の誰かから「フィリピンのタクシー料金は世界一安く、1万円で東京からどこまで行けるか?」という日本のテレビの企画で「福岡まで行けたらしい」と聞いたことがあります。1)
当時のセブのタクシーは、ボディはボコボコでペイントもあちこち剥がれているオンボロ車両が結構走っていました。
ある日、乗客であろう欧米人が故障した車両を路肩に寄せるために押している姿を見て、「乗る車両を選ばないと罰ゲームのような目に遭うなあ。日本じゃ見られない光景だ」と思ったものでした。
フィリピンでは乗用車の中古車輸入が禁じられているため、この頃は部品を輸入しフィリピンで組み立てる「Multicab」(私にはモンティカブと聞こえていました)と呼ばれる小型バンをよく見かけました。
しかし、その後、セブ州の「LTO」(※)では登録の更新が認められず、他州で登録したもののみが許可されるようになり、10年経った今ではその数もだいぶ少なくなりました。
タクシーもその頃と比べるとオンボロ車両は随分少なくなりましたし、ジプニーもその数は減り、ミニバス(モダンジプニー)に変わりつつあります。
後に「TNCs」(※) として認可されるウーバーがフィリピンに参入してきたのはこの年です。2)
そして、この翌年の2015年に、私はタクシービジネスを始めることになります。
1)「フィリピンのタクシー事情」(Primer)
2)「Uproar over Uber taxi(ウーバータクシーをめぐる騒動)」(INQUIRER.NET 2014/12/21)
2015年【ガソリン価格の下落と公共交通運賃・料金値下げ】
初乗り料金:40ペソ→30ペソ
※メーター変更は無し
最低料金:7.5ペソ→7ペソ
※フィリピンのリッター当たりの単位は米ドル
ガソリン価格下落に伴う暫定的な運賃・料金値下げ
左がフィリピンのガソリン価格、右が国際原油価格の推移です。
原油価格は2000年頃から上昇しますが、2008年9月のリーマンショックで急落します。その後、再び上昇しましたが、シェールガスやシェールオイルの生産拡大などの影響で2014年頃をピークに大幅な下落に転じます。1)
フィリピンのガソリン価格も下がり、このため、公共交通機関の運賃・料金値下げを求める声が強まりました。その結果、ジプニーの最低運賃は7.50ペソから7.00ペソに引き下げられました。4)
タクシー料金の値下げ額は、当初は5ペソという話もありましたが2)、最終的に、2015年3月9日に初乗り料金が暫定的に40ペソから30ペソに引き下げられました(空港タクシー(イエロータクシー)は70ペソから60ペソ)。
このとき、料金メーターの変更は行われず、乗客がメーターから10ペソ引かれているかを確認する必要がありました。
ドライバーと乗客間でのトラブルも発生しました。引き下げを拒むドライバーには5,000ペソの罰金が課せられます3)が、マニラでは10ペソを引かずに請求したタクシー5台が運行停止処分となるケースも生じています。5)
1)「2014年を振り返るキーワード 「原油価格」の下落 (グローバル)【キーワード】」(三井住友DSアセットマネジメント 2014/12/19)
「2015年上半期 世界経済報告 原油価格下落と世界経済~メリットとリスクの総点検」(内閣府 平成27年6月)
「原油価格の大幅下落が持つ意味」(野村證券経済調査部)
「『石油価格のメカニズム』2015年の大暴落、その真相とは?」(DIAMOND online 2016/3/25)
2)「Taxi group can only take P5 cut in flag-down rate(タクシーグループは初乗り料金を5ペソ値下げするしかない)」(Philippine Daily Inquirer 2015/01/10)
3)「LTFRB approves P7 minimum jeepney fare(LTFRB、ジープニーの最低運賃をP7を承認)」(The Freeman 2015/1/11)
4)「LTFRB announces Php10 rollback in taxi flag-down rates(LTFRB、タクシー初乗り料金を10ペソ引き下げると発表)」(YugaTech.com 2015/03/07)
「LTFRB implements new taxi flag-down rates starting Monday, March 9(LTFRBは3月9日月曜日から新しいタクシー料金を導入します)」(THE SUMMIT EXPRESS : ABS-CBN News 2015/03/08)
「LTFRB approves P7 minimum jeepney fare(LTFRB、ジープニーの最低運賃を(7.5ペソから)7ペソ(への値下げ)を承認)」(The Freeman 2015/01/11)
5)「5 cabs grounded over flag-down rate cut,LTFRB takes action vs drivers who refuse to implement P10 rollback(フラッグダウン料金引き下げでタクシー5台運行停止)」(Philippine Daily Inquirer 2015/03/11)
2016年【初乗り30ペソ恒久化との報道】
タクシー料金について「初乗りの40ペソから30ペソへの引き下げを恒久化し、料金メーターを変更し、さらに距離料金を300mごとに3.5ペソから500mごとに3.5ペソに改定することが決定された」1)と報道されましたが、結局セブでは距離料金およびメーターの変更は実施されませんでした。
そのような状況の中、日本(東京)では2016年3月を境にガソリン価格が上昇し始めました。2) フィリピンでも同時期から上昇が始まっています。3)
1)「Permanent taxi flagdown rate nationwide: P30(全国的に恒久的なタクシー初乗り料金は30ペソ)」(Rappler 2015/03/08)
「P10 cut in Cebu cab flag down rate now permanent(セブのタクシー料金10ペソの値下げが恒久化)」(PadayhagInquirer Visayas 2016/03/08)
「P30 taxi flag-down rate permanent(P30タクシー初乗り料金永続)」(Philippine Daily Inquirer 2016/03/09)
2)「ガソリン価格推移(1966年~2023年)と世界情勢の動向」(カーライダー 2023/10/06)
3)「Gasoline Monthly Price – Philippine Peso per Gallon(ガソリン月額価格 – 1ガロンあたりフィリピンペソ)」(index mundi)
2017年【2010年以来の料金改定で初乗り40ペソに戻るとともに距離・時間料金値上げへ】
初乗り料金:30(暫定)→40ペソ(1km未満)
乗車距離料金:300mあたり3.50ペソ(1kmあたり約11ペソ)→1kmあたり13.50ペソ
時間料金:2分ごとに3.50ペソ→1分ごとに2ペソ
2月にガソリン価格の上昇、インフレによる物価高騰、平均賃金のベースアップなどの状況を踏まえ、タクシーの初乗り料金を500メートルまで40ペソに戻すと発表されました。1)
その後、最終的には10月に、初乗り料金だけでなく、時間料金、距離料金ともに見直し、改定(値上げ)が決定されました。
例えば、マクタン・セブ空港からSMシティモールの隣にあるベイフロントホテルまで(10km、30分として)であれば、約198ペソ(30+115.5+52.5)が235ペソ(40+135+60)になります。
1)「LTFRB announces flagdown fare hike for taxi services nationwide(LTFRB、全国のタクシーサービスの初値上げを発表)」(YugaTech 2017/02/11)
2)「TFRB adjusts taxi fares, makes P40 flag-down rate permanent(LTFRB がタクシー料金を調整、初乗り料金 P40 を恒久化)」(GMA News online 2017/10/04(05更新))
「Running time’: Learn how the new taxi fare system works(「走行時間」:新しいタクシー料金システムの仕組みを学ぶ)」(GMA News online 2017/10/04)
「TFRB brings taxi flag down rate back to P40(LTFRB、タクシーのフラッグダウン料金を再び40ペソに戻す)」(Philstar.com 2017/10/04)
「LTFRB approves higher taxi rates(LTFRB、タクシー料金の引き上げを承認)」(The Manila Times 2017年10月5日)
2018年【料金改定に伴うメーター変更】
初乗り料金:40ペソ(10km未満)
乗車距離料金:1kmあたり13.50ペソ
時間料金:1分ごとに2ペソ
最低運賃:(2018年7月の1ペソ値上げ(8ペソ→9ペソ)を経て)9ペソ→10ペソ
2018年2月6日に、ミンダナオのダバオでメーター変更が行われ、1) セブでは、2月21日時点で6,000台のうち1,600台のメーター変更が終了しました。2)
また、7月31日には、マニラ首都圏でも約21,000台のタクシーを対象に、パラニャーケ市のニノイ・アキノ国際空港でメーター変更が開始されました。3)
ジプニー運賃も7月の暫定的な値上げに加え、さらなる値上げが実施され、最低運賃は10ペソとなりました。4)
1)「Taxi rates in Davao City up by P1.84 per kilometer(ダバオ市のタクシー料金が1キロあたり1.84ペソ値上がり)」(SunStar 2018/1/25)
「LTFRB-Davao clarifies new taxi fare(LTFRB-ダバオが新しいタクシー料金を明確化)」(SunStar 2018/02/06)
2)「LTFRB starts calibration of taxis for new fare rate(LTFRB、新運賃に向けてタクシーの調整を開始」(The Freeman 2018/02/21)
3)「LTFRB starts recalibrating taxis for fare increase(LTFRB、運賃値上げに向けてタクシーの再調整を開始)」(Rappler 2018/08/01)
「LTFRB starts calibrating taxi meters for fare hike(LTFRB、運賃値上げに備えてタクシーメーターの校正を開始)」(The Philippine Star2018年8月1日)
「Taxi meters reset to implement fare hike(タクシーメーターがリセットされ運賃値上げ実施へ)」(ABS-CBN News 2018年7月31日(8/01更新))
4)「LTFRB sets P10 minimum fare for ‘modernized’ jeepneys(LTFRB、近代化されたジープニーの最低運賃を10ペソに設定)」(PHILIPPINE NEWS AGENCY 2018/06/19)
「LTFRB approves P10 minimum jeepney fare(LTFRB、ジープニーの最低運賃を10ペソにすることを承認)」(philstar 2018/10/17)
「LTFRB approves P10 jeepney fare for November 2018」(LTFRB、2018年11月のジープニー運賃を10ペソに引き上げる法案を承認)」(philstar 2018/10/18)
2019年【フランチャイズ統合が始まる】
コンソリデーション
この頃から「コンソリデーション」が本格的に始まりました。
コンソリデーション(consolidation)とは「1.〔会社などの〕統合、合同 2.〔複数のものの〕統合 3.[合同]体 4.強化、安定化、強固になること」(英辞郎)といった意味があります。
タクシーやジプニーに関していえば、従来は1つのフランチャイズで1台や2台、3台などが許可されていました(発行された時期によって異なる)が、現在では1つのフランチャイズで最低10台以上が必要となり、それ未満の場合は統合されることになりました。
つまり、それまでは1台分のフランチャイズを持っていればその1台で事業を行うことができたのが、最低10台分が必要となったのです。
この台数はその後、改正され、現在は15台以上必要となっています。
公共交通機関近代化プログラム
このコンソリデーションは「公共交通機関近代化プログラム(Public Utility Vehicle Modernization Program:PTMP)」の一環として行われました。
以前からフィリピンの公共交通システムの近代化計画は進められてきましたが、2017年にリニューアルされ、以降、急速に進展します。
最も大きな改革はジプニーの廃止でしょう。
排ガス規制に準拠しない従来のジプニーは更新が認められず、ミニバス(モダンジプニー)に順次切り替えられていきます。1)
とはいえ、ミニバスは安価で購入できるジプニーと異なり高価なうえ、タクシーと同様にコンソリデーションにより、原則として10台以上(現在は15台)といった単位でなければ認可されなくなりました。2)
このため、多くのジプニーオーナーはフランチャイズを手放すか、コーポラティブという共同組合に参加することになったようです。
フランチャイズを放棄する場合には一定の補償金が支払われました。
この他にも以下のような取り組みが行われました。
- キャッシュレス決済機器の設置(バス)
- CCTVカメラ(ドライブレコーダー)の設置義務
- GPSモニターの設置義務
- 配車アプリの義務付け(※保留状態)
この時期に「衰退するタクシー業界」3)というコラムが掲載されています。
その中で、セブで40年前に創業し、車両も136ユニットまで順調に増やしたものの、現在、路上で営業しているのは50ユニットだけというオーナーが紹介されています。
その中で、多くのドライバーはグラブやアンガス、ハバルハバルに転職したと指摘されています。
嵐の前の静けさ
大晦日の2019年12月31日に「中国湖北省武漢市で発熱や呼吸困難などの症状がみられる原因不明のウイルス性肺炎の発症が確認され、中国政府の専門チームが現地に派遣され、感染経路などを調べている」といった内容の記事が掲載されています。4)
後に、全世界が大混乱に陥る事態となり、長く苦しいコロナ禍が始まるとは、その時点で思っていた人はいなかったでしょう。
このとき、私は日本で入院中。病室で静かに新年を迎えようとしていました。
1)「Jeepney phaseout begins January 2018(ジープニーの段階的廃止は2018年1月に始まる)」(philstar 2017/12/27)
2)「In fear of livelihood loss, all UPD jeepney drivers forced to consolidate(生計を失う恐れから、UPDの ジープニー運転手全員が「強 制的に」「統合を余儀なくされ)」(TINIG NG PLARIDEL)
3)「Special report: Cebu’s ‘dying’ taxi industry (First of a series)(特別レポート:セブの「衰退する」タクシー業界(シリーズ第 1 回))」
(The Freeman 2019/04/14)
4)「中国・武漢で原因不明の肺炎 海鮮市場の店主ら多数発症」(朝日新聞 2019/12/31)
2020年【コロナ禍でロックダウン、以降も厳しい状況が続く】
コロナ禍のフィリピン
フィリピン国内で、中国の武漢からの渡航者により初めてのコロナ感染者が確認されたのが2020年1月30日、最初の死者が出たのは2月1日でした。
3月6日に初の国内感染が確認され、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領は3月15日、マニラ首都圏に「一般的なコミュニティ隔離措置(GCQ)」を、さらに2日後にはルソン島全域に、いわゆるロックダウンである「強化されたコミュニティ隔離措置(ECQ)」を敷きました。1)
セブ島も3月25日にECQが宣言され、29日から施行されます。2)
タクシーを含めた公共交通機関はほぼすべて営業停止となり、外出は食料品や日用品の調達など最小限に制限され、外出許可書が必要となりました。
ITパークのコールセンターに勤める知人は、オフィスに泊まり込むという状況でした。
すべての学校が休校となり、多くの英語学校があるセブでは日本人も影響を受けました。
当初は検疫等もなく、帰国目的であればトラベルパスを取得して、マニラ経由で出国できたものの、機会を逸し取り残された学生もいました。
その後も、帰国自体は可能でしたが、日本への入国も検疫や一定期間の隔離が必要となり、私も渡航を見合わせることになりました。
新型コロナウイルスワクチン接種が始まると、一定の条件で検疫が免除されるようになりましたが、最終的にすべての検疫が廃止されるのは2023年4月29日まで待たなければなりません。3)
フィリピンは「世界一長いロックダウン」とも言われた隔離政策により、経済は大きなダメージを受けました。4)
2020年のフィリピンのGDP全体は-9.6%の縮小でしたが、輸送および保管業界は-31%の縮小となりました。5)
失業者も多く発生し、食事にありつけない人も出て暴動や治安の悪化が起きるのではという心配もありましたが、幸い、恐れていた程には大きな混乱はなく、人々はじっと耐え忍びます。
コロナ禍のタクシービジネス
セブ市やマンダウエ市は感染状況が悪く、一度MECQ(修正を加えた強化されたコミュニティ隔離措置)に移行するものの、すぐにECQに逆戻りし、他の地域よりMECQやGCQへの移行が遅れました。
タクシーが再開するのは8月に入ってからで、実に4ヶ月間以上、オペレーターもドライバーも無収入の状態が続くことになります。
ECQが解除されても、乗客の数は少なく、その影響は続きます。モールやスーパーの前には長いタクシーの列が作られていました。
コロナ禍におけるマネジメントは各オペレーターによって異なり、バウンダリーを減額するケースもありましたが、当社ではバウンダリーの額は変えず、毎日の稼ぎによって払えない場合は認めるという方法を取りました。
多くのドライバーのラッキングバウンダリー(規定額のバウンダリーを払えない)は2021年末まで続き、2022年に入るとようやく、ほぼ通常通りの額となりました。
ただ、当社では、コロナ禍前は原則として2人のドライバーで毎日稼働する24時間システムで運行していましたが、ドライバーが退職した場合の補充はせず、1人のドライバーによる12時間システムに移行したことにより、バウンダリーの額も減り、オペレーターの収入はコロナ前より20%程度減額となりました。
12時間システムに移行した理由のひとつとして、次の項目で触れますが、グラブやアンガス等による影響でタクシー全体での収入が減っていることが挙げられます。
特に、バイクタクシーはバイクさえあれば参入できるため、コロナ禍で普及したフードデリバリーとともに、急速に拡大しました。
そのような状況で、かねてから計画されていたとはいえ、9月に黒塗りのプレミアムタクシーがセブで認可を受けて走り出し、「ちょっと待ってよ、今ですか?」と思わざるを得ませんでした。6)
もっとも、このプレミアムタクシーはバンタイプもあり、こちらの方はタクシーよりもむしろUVエクスプレス(※)や長距離バスと競合し、料金メーターを使わない「乗り合い」を行っていて、違法ではないかという疑義などもあり、一時期フランチャイズの新規発行停止などの措置がとられました。7)
1)「【領事班からのお知らせ】フィリピンにおける新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の対応について(その15:ルソン地域全域へのコミュニティー隔離措置等)」(在フィリピン日本大使館 2020/03/17)
2)「【領事班からのお知らせ】フィリピンにおける新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の対応について(その26:セブ州の強化されたコミュニティ隔離措置等)」(在フィリピン日本大使館 2020/03/26)
「【領事班からのお知らせ】フィリピンにおける新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の対応について(その30:セブ圏の主な都市における強化されたコミュニティ隔離措置等)」(在フィリピン日本大使館 2020/03/28)
3)「今後の水際措置について(2023年4月29日以降順次適用)」(外務省海外安全ホームページ)
4)「コロナ禍のフィリピンにみる「国家の強さ・リーダーの強さ」再考その1 ドゥテルテ政権と「市民社会」」(笹川平和財団 2021/07/31)
「フィリピンのCOVID-19対策──国家の力の限界──」
5)「The transportation sector and the motorcycle taxi(運輸部門とバイクタクシー)」(Business World 2022/01/17)」
6)「LOOK: New premium black taxis in Cebu(注目:セブの新しい高級黒タクシー)」
(Sugbo.ph 2020/09/23)
7)「LTFRB halts issuing premium taxi franchises(LTFRB、プレミアムタクシーフランチャイズの発行を停止)(philstar 2022/12/18)
2021年【経済は回復基調もグラブやバイクタクシーとの競合へ】
台風オデットがセブを直撃
2021年12月16日に、フィリピン中央部を横断し、多大な被害をもたらした台風オデットはセブも直撃しました。このような台風は、何十年もセブで暮らす家族にとっても初めての経験でした。
直後は断水もあり、また、停電により多くの飲料水ステーションが営業を中止したため、市販の飲料水はすべて売り切れ、さらに、スーパーマーケットもパンなどの食糧も軒並み売り切れており、1週間ほどは本当に危機感を覚えました。
私の地域の電気が復旧したのは1月13日で、停電は1か月近く続きました。マクタン島などはさらに復旧に時間がかかった地域もありました。
タクシーにとって問題だったのはガソリンで、台風直後からガソリンスタンドには長蛇の列ができ、結局買えないこともありましたが、こちらは、幸いなことに、1週間ほどで解消しました。
交通ネットワーク ビークル サービス (TNVS)
前述したように、コロナの影響もあり、この年はまだラッキングバウンダリーが続く状況ですが、その原因としては、グラブやバイクタクシーの影響もありました。
日本では「ウーバーイーツ」を利用された方もいるかもしれませんが、「ウーバー(Uber)」は本来ライドシェアの配車アプリ事業で世界的に知られています。2014年、フィリピンに「Uber Philippines」が設立されました。
その後、シンガポールに拠点を置き東南アジア各国に展開する「グラブ」が参入し、後にUberは東南アジアからの撤退を行うともに事業はグラブに売却されました。1)
バイクタクシーは「ハバルハバル」と呼ばれ、法律の適用がなく違法状態ではありますが、社会的に認知されていることから、行政や警察も黙認している状況でした。
しかし、コロナ禍前の2019年から試験的に導入されていた配車アプリによるバイクタクシーは、コロナ後には渋滞対策としての効果も期待されて、アンガスなど「TNVS」として事業認定されたバイクは正式に合法的な交通手段として認められたのです。
ハバルハバルは一般的に危険であるという認識がある上に、ドライバーの素性も運転技術も分からないという不安感もありますが、アンガスの場合は登録時に身元確認がされているほか、乗客からの評価があるため、一定の安心感もあります。
これらTNVSの拡充により、タクシーは厳しい状況ですが、グラブのドライバーも車両の購入費用から維持管理・修理費用も負担したうえで、コミッション料(手数料)は収入の25%と負担が大ききく、2018年の時点で四半期ごとに15%が辞めているというように、決して楽とは言えない一面もあるようです。2)
この話題についてはかなり、長くなってしまうので、別の機会にお話したいと思います。
1)「The Real Story Behind Uber’s Exit from Southeast Asia(Uber の東南アジア撤退の真相)」(Knowledge 2018/09/19)
「Grab and Uber merger: An inevitable reality(グラブとウーバーの合併:避けられない現実)」(philstar 2018/4/16)
2)「The sad numbers behind a Grab driver’s income,Something to consider before joining the TNVS industry(グラブドライバーの収入の裏にある悲しい数字 TNVS業界に参入する前に考慮すべきこと(VISOR 2018年8月30日)
2022年【ガソリン価格の高騰とインフレの中、初乗りが45ペソに料金改定されるがメーター変更なし】
初乗り料金:40ペソ→45ペソ
乗車距離料金:1kmあたり13.50ペソ(変更なし)
時間料金:1分ごとに2ペソ(変更なし)
最低運賃:10ペソ→11ペソ
モダンジプニー・ミニバス運賃改定(2022年7月1日)
最低運賃:12ペソ→13ペソ
最低運賃:11ペソ→12ペソ(最初の4km)
距離運賃:1kmあたり1.50ペソ→1.80ペソ
ミニバス(モダンジプニー)運賃改定(2022年10月4日)
最低運賃:13ペソ→14ペソ
距離運賃:1kmあたり1.80ペソ→2.20ペソ
fuel Save Diesel 79.85ペソ
V-Power Diesel 85.95ペソ
Fuel Save Gasoline 78.80ペソ
V-Power Gasoline 81.10ペソ
「Shell V-Power」(Wikipedia)
2022年2月24日にロシアによるウクライナ侵攻が始まり、天然ガスや原油価格が高騰するととともに物価も上昇しました。1)
日本ではガソリン価格高騰に対し、2022年1月からガソリン補助が続いていますが、フィリピンも、マニラにおいては6月の1リッターあたりの小売価格は74ペソから95.95ペソ、パラワン島のプエルト・プリンセサ市では1リッターあたり99.45ペソから99.65ペソと100ペソに近い価格まで高騰しているというニュースも見られました。2)
セブでも1リッター80ペソを超えるガソリンスタンドもありました。
上の写真は2022年5月22日でFuel Save Gasoline(レギュラーが)78.8ペソです。当時のレートは1ペソ2.5円程度なので、1リッターあたり197円程度ということになります。
このような状況の中で、運休する事業者も現れ、公共交通機関関係者から運賃・料金改定の要望が強くなります。3)
そして、運賃・料金改定が決定されます。なお、タクシー料金に関しては暫定的な措置として、メーターの変更は行われませんでした。4)
1)「ウクライナ侵攻1年 世界経済に与えた打撃は?今後のリスクは? 原油も一時、13年8か月ぶりの高値に」(2023/2/24)
2)「Pump prices of fuel may reach P100 per liter(ガソリンスタンドの価格は1リッターあたり100ペソに達する可能性がある)」(INQUIRER.NET 2022/06/14)
3)「Taxi, jeepney drivers can barely feed families over oil price hike(原油価格高騰でタクシーやジープニーの運転手は家族を養うことがほとんどできない)」(DAVAOTODAY 2022/03/19)」「Taxi drivers struggle amid increasing oil price hike(原油価格高騰でタクシー運転手が苦戦)」(SunStar Davao 2022/04/04)
「Cebu transport groups nix fare hike, but seek gov’t, commuters’ help(セブの交通団体は運賃値上げを否定、しかし政府と通勤者の支援を求める)」(SunSta2022年6月21日)
「Taxis Plying NCR Down 40% Due To Fuel Costs(燃料費高騰でNCRのタクシー運行が40%減少)」(OneNews.PH 2022/06/25)
4)「Effective July 1: Base fare of P11 for regular jeepneys, P13 for modern jeepneys(7月1日より、通常のジープニーの基本運賃は11ペソ、最新のジープニーは13ペソになります。)」(TopGear.com.ph 2022/06/29)
「Fare hikes approved for jeepneys, buses, taxis, TNVS —LTFRB(ジープニー、バス、タクシー、TNVSの運賃値上げが承認される —LTFRB)」(GMA News 2022/09/16)
「Fare increase for jeepneys, buses, taxis, TNVS effective Oct. 4(ジプニー、バス、タクシー、TNVSの運賃が10月4日より値上げ)」PHILIPPINE NEWS AGENCY 2022/09/16)
「LTFRB approves fare hike for jeep, bus, taxi and TNVS(LTFRB、ジープ、バス、タクシー、TNVSの運賃値上げを承認)」(PTV News GC 2022/09/16)
「Fare hikes OK’d for bus, jeepney, taxi, TNVS sectors(バス、ジープニー、タクシー、TNVS区間の運賃値上げが承認)」(INQPhilippine Daily Inquirer 2022/09/17)
「Fare hikes OK’d for bus, jeepney, taxi, TNVS sectors(バス、ジープニー、タクシー、TNVS区間の運賃値上げが承認)」(INQPhilippine Daily Inquirer 2022/09/17)
「Fare hike will impact on our budget – commuters(運賃値上げは私たちの予算に影響する – 通勤者)」(CDN Digital 2022/09/17)
「Fare hike worries drivers, commuters(運賃値上げは運転手や通勤者を不安にさせる)」(SunStar 2022年9月17日)
2023年【緊急事態宣言が解除され外国人観光客が増加】
2024年11月21日現在運賃
最低運賃:12ペソ→13ペソ(最初の4km)
距離運賃:1kmあたり1.80ペソ(変更なし)
ミニバス(モダンジプニー)運賃改定(2023年10月)
最低運賃:14ペソ→15ペソ(最初の4km)
距離運賃:1kmあたり2.20ペソ(変更なし)
2023年7月21日付で緊急事態宣言が解除され、入国規制もすべて撤廃されました。1)
10月にはジプニーの最低運賃が1ペソ値上げになりました。2)
1)「【領事班からのお知らせ】フィリピンにおける新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の対応について(その222:公衆衛生上の緊急事態宣言解除に伴う出入国ガイドラインの変更について)」(在フィリピン日本国大使館 2023/09/01)
2)「LTFRB approves P1 provisional jeepney fare hike by October 8(LTFRB、10月8日までにP1暫定ジープニー運賃値上げを承認)」(INQINQUIRER.net 2023/10/03)
2024年【料金改定及びメーター変更(初乗り50ペソに)】
2024年11月21日現在料金
初乗り料金:50ペソ
乗車距離料金:1kmあたり13.50ペソ(変更なし)
時間料金:1分ごとに2ペソ(変更なし)
初乗り40ペソから45ペソへの値上げは、あくまでガソリン価格高騰による暫定的な措置としてメーターの変更は行われませんでした。
このため、メーターは40ペソなのに45ペソを請求することによるトラブルも生じます。
しかし、2024年3月18日付の命令で、2022年9月16日付の決定によるP5ペソの値上げに加えて、さらに5ペソを追加し、タクシーの初乗り料金を50ペソにする引き上げを認可し、冒頭でお話したように、メーター変更も行われることになりました。1)
今のタクシーマネジメントの大きな課題はドライバーの確保です。
このため、今回の改定でバウンダリーの額を増額する予定はなく、「料金が上がると乗客数が減る」ということも若干あるのですが、トータルでドライバーの収入が増えれば幸いと思っています。
1)「Taxi flag down rate now P50 but no fare matrix, no fare hike – LTFRB(タクシーの初乗り料金が50ペソになったが、運賃表はなく、運賃の値上げもない – LTFRB)」(Panay News 2024/06/14)
「LTFRB okays P50 flag down rate for taxis(LTFRB、タクシーの初乗り料金を50ペソで承認)」(Breaking News 2024/08/06)
「New P50 taxi flagdown rate in Cordillera draws mixed reactions(コルディリェラの新しいP50タクシーの初乗り料金がさまざまな反応を引き起こす)」(INQUIRER.NET 2024/08/08)
お知らせ
現在ユーチューブ動画の方が中断しておりますが、近く、再開したいと思っています。
また、ブログでは、セブに関する情報やフィリピンや日本のニュース、社会・時事問題などについても取り上げていく予定です。
フィリピン・セブからの情報発信を行うにあたって、多くの方と情報交換ができたらと考えており、LINEのオープンチャットの開設を準備しています。
現在(仮称)、オープンチャット「フィリピン暮らし(セブ・ビサヤ地方)情報交換の広場」
https://line.me/ti/g2/JyOGhHKATK0w6RxYSX_ds4K2Ct6m1HpMUa4FNQ?utm_source=invitation&utm_medium=link_copy&utm_campaign=default という名称で部屋を作っております。
しかし、LINEのオープンチャットは日本の電話番号で認証したLINEアカウントでないと利用できない仕様になっており(海外の電話番号で認証した場合、日本の電話番号に変更することで利用できるようです)。
このため、フェイスブックのグループ「フィリピン暮らし(セブ・ビサヤ地方)情報交換の広場(https://www.facebook.com/share/g/1Gog6R8qYx/)」もあわせて開設を予定しています。
まだ本格的な運営はしておりませんが、参加者が多い方が検索されやすいようなので、よろしければご参加くださると嬉しいです。
(アカウント乗っ取りなどセキュリティの心配に関しては、LINEのオープンチャットは自分のLINEのアカウントを登録・表示することなく、個々の参加するオープンチャットでニックネームを設定するシステムなので比較的安心だと思います。)
内容は以下の通りで、将来的にはセブに交流の場を作れたらと思っています。運営者はセブ在住なのでセブやビサヤ地方の話題が中心となると思いますが、幅広くフィリピンに興味・関心のある方も遠慮なくご参加いただければと存じます。
内容
- フィリピンで暮らしている、または暮らしたいと思っている人同士の情報・意見交換
- フィリピンやビサヤ地方、セブに関するニュースについて
- 海外から見た日本のニュースについて(税制や年金など役に立つものから社会現象まで幅広く)
- フィリピンの観光振興に関すること
<参考>
「LINEのオープンチャットを検索及び参加する方法まとめ」(wondershare)