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あなたの1票で日本は変わるのか?(第51回衆議院総選挙)【フィリピン・セブから見た日本】

政局の急展開

2026年1月23日(金)、高市首相は衆議院を解散しました。

これに先立ち、1月9日に読売新聞が通常国会冒頭での解散検討を報じたことで、政界は一気に慌ただしくなりました。

1999年から26年間続いてきた自民党と公明党の連立政権から、2025年10月に公明党が離脱。それからわずか3か月で、公明党は、それまで対立していた立憲民主党と「新党」を立ち上げました。前回とは大きく異なる構図に、選挙結果の予想は非常に難しくなっています。

まさに「昨日の友は今日の敵、昨日の敵は今日の友」。そんな言葉通りの激動の中、日本の政治は今、歴史的な転換点を迎えています。

深刻な投票率の低さ

こうした政局の動きも注目されますが、本来であれば「消費税」「経済政策や成長戦略」「安全保障」「少子化対策」「社会保障制度改革」「急激な時代の変化に対応した制度やルール作り」「人口減少社会における税やインフラ、自治体のあり方」「予測不可能なグローバル世界の中での立ち位置や戦略」などの政策議論が重要です。

しかし、そもそも日本の選挙は、投票に行く人が驚くほど少ないのが現状です。

  • 前回の衆院選の投票率: 53.85%1(有権者の約半分)
  • 世界での順位(国政選挙): 約200か国中158位という低水準2

特に目立つのは、若い世代の低さです。3

  • 60代以上: 60%以上
  • 30代: 約45%
  • 20代: 約35%

日本の選挙は、投票に行く人が驚くほど少ないのが現状です。

なぜ若者は投票に行かないのでしょうか。

「自分たちが動いても社会を変えられない」という無力感や、「政治に関心がある」「意識が高い」と思われるのを避ける「空気感」が原因だという分析もあります。4

投票に行かないことのデメリット

多くの人が投票を棄権し、投票率が低い状態では、次のような問題が懸念されます。

シルバー民主主義5の加速
少子高齢化で有権者に占める高齢者の割合が高くなっていることに加え、高齢者の投票率が高いと、政治家はどうしても高齢者向けの政策を優先しがちです。その結果、現役世代や子供たちのための改革が後回しになってしまう恐れがあります。

「組織票」の影響力が強まる
投票率が低いと、特定の企業や団体から支援を受ける政党や政治家が有利になります。特定のグループの利益や意向に目が向く政治が行われやすくなってしまいます。

「変化」のない政治と社会
実績や知名度がある現職議員や、大きな組織の支援を受けた候補者、「地盤(後援会組織)」「看板(知名度・名前)」「かばん (資金)」のある世襲議員やが有利となり、新しい風が吹きづらくなることで、既得権益が維持され、時代の変化に対応した改革や政策が進まなくなる可能性があります。

「(支持政党がない無党派層は)関心がないといって、あとの方は寝てしまってくれればいい。雨が降ればいいなと思っている」という、かつての政治家の発言は、まさに「無関心な人が増えるほど、組織を持つ側が有利になる」、「変化が起きづらくなる」という本音の表れといえます。6

フィリピンの選挙

私が暮らすフィリピンでは、1986年の革命(「エドゥサ革命(ピープルパワー革命)」)で独裁政権を倒して民主主義を取り戻した歴史があることもあり、国民の政治への情熱が非常に高いといえます。

フィリピンの投票率(2022年大統領選): 83.07%7
※フィリピンでは、選挙で投票するためには事前の「有権者登録」が必要で、この数字は登録済み有権者数(Registered Voters)を分母とします。

    世界では、今も、国民が投票できなかったり、仮にできたとしても、形だけというような国が多く存在します。

    そんな中で、フィリピンの選挙というと「実弾(現金)が飛び交う」8という側面はありますが、私がフィリピンに来た2014年からみると、だんだんと少なくなっているように思えます。

    フィリピン国民の民主主義を守る意識は高く、「麻薬撲滅戦争」で超法規的殺害を容認する強硬な政策を行い「独裁的」という批判を受けながらも、絶大な人気を誇ったドゥテルテ前大統領でさえ、再選が禁じられている大統領から副大統領へと立場を変えて権力を維持する道は、違法ではないものの国民に受け入れられず、断念に追い込まれるという事態も起きています。

    なぜそれでも投票すべきなのか

    選挙では、「あなたの1票が日本を変える」などと言われることがあります。

    しかし、実際に、国政選挙において、1票で選挙結果がひっくり返ることは、ほぼありません。

    それでも投票に行くべき理由は、「1票の積み重ねが政治家へのプレッシャーになる」からです。

    「投票しない」ということは、「何も意思を示さないこと」と考える人も多いかもしれませんが、実は、明らかな意思表示といえます。

    ものを買ったり、家を借りたり、働いたりと、何か契約をするときに「白紙委任」、つまり「金額や条件はあなたの好きなようにして構いません」という内容でハンコを押す人はいないでしょう。

    選挙というのは「当選したら、私はみなさんとは、こういう契約内容で政治を行います」という意思を示す候補者や「私は今までこういう実績やキャリアがあるので期待に添える政治を行います」と信任を訴える候補者を選ぶ作業です。

    しばしば、それが実行されないこともありますが、それに対しては次の選挙で再び審判を下すことができる権利を有します。

    投票の棄権は「誰がどんなルールを作っても一切文句を言いません」という白紙の契約書を渡すことと同じです。

    「一滴の水に力はなくても、集まれば岩をも砕く」、あるいは、仏教では「曹源一滴水そうげんのいってきすい9という言葉があります。一滴の水が山からしたた り、小川を作り、やがては大河となって天下を潤すという意味です。

    NHK大河ドラマでは、戦国時代と並び人気のある時代の幕末では、倒幕・明治維新を成し遂げた「薩長土肥」の志士たち(西郷隆盛、大久保利通、木戸孝允(桂小五郎)、高杉晋作、坂本龍馬ら)が多く描かれます。

    しかし、そういった主役級の人物だけではなく、名もなき多くの志士の屍の上に歴史は動いてきました。

    また、高校生のときに学校で映画「あゝ野麦峠」を観ました。現代でもブラック企業はありますが、想像を絶する過酷さです。あの時代と比べると、遥かに労働環境は改善しています。

    これも、今の労働環境は神様が与えてくれたわけではなく、多くの名もなき労働者の努力や闘いによって勝ち取ってきたものです。

    このように、かつては命がけだった「社会を変える力」を、民主主義国家で生きる私たちは「投票」という形で持っています。

    私たちの一雫の水が、歴史を動かし、未来へつながっていくのです。

    日本という民主主義の国に生まれ、暮らすことのできる幸運を「投票」という形で表す。たった1票にも大きな意味と価値があると感じられるはずです。

    2月8日の投票日、もし都合が悪ければ期日前投票も利用できます。

    今回の衆議院選挙は、解散から投票までわずか16日間という「戦後最短」のスケジュールで行われます。なお、公示から投開票までの期間は、公職選挙法によって定められた日数(12日間)が確保されています。
    1月23日(金): 解散
    1月27日(火): 公示
    2月8日(日): 投開票
    今後、皆さんが投票する際の参考になるような情報を発信していきたいと思っています。

    一人ひとりの1票で、日本の未来をつくっていきましょう。

    脚注

    1. 国政選挙における投票率の推移」(総務省) ↩︎
    2. 日本は世界200カ国中158位…先進国と比べても投票率が圧倒的に低いのは、いったいなぜ?」(文春オンライン 2024.8.09) ↩︎
    3. 国政選挙における年代別投票率について」(総務省) ↩︎
    4. 「自分の1票で社会は変わらず」若者の政治への無力感は日本特有? 向き合い方は」(高校生新聞 2025.8.20) ↩︎
    5. シルバー民主主義」(コトバンク) ↩︎
    6. 時には「命とり」に…政権を揺るがせた失言」(読売新聞オンライン 2022.8.05) ↩︎
    7. 2022 Philippine presidential election」(wikipedia) ↩︎
    8. 実弾が飛び交う」(Weblio辞書) ↩︎
    9. 市長の窓 曹源一滴水(そうげんのいってきすい)」)(能代市) ↩︎

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