コメントで「タクシーのフランチャイズ権っていくら位が相場ですか?教えていただけると幸いです。」というお問い合わせをいただきましたが、セブのフランチャイズは少し複雑な事情があって「今いくらです」というようなお答えができないのが現状です。
ここセブでも新しくビジネスをする方が増えてきています。新ネガティブリストでは飲食店を含む小売りの外資のハードルがかなり下がるので2019年に施行されたら益々増えてくると思います。
タクシービジネスを始める前ですから5年くらい前にネットでもタクシービジネスを始めフィリピンビジネスに関する情報をネットで探したのですが「フィリピンビジネスは難しい」「失敗する」という話は沢山あるのですが具体的な経験が述べられているブログはほとんど見つかりませんでした。
このブログはフィリピンという日本と異なる社会システムの国で「タクシービジネス」という特殊な分野ではありますがその経験の記録を残すという点で少しは意味があるのかなという思いもあって始めました、
今回ちょうどタクシービジネスに関するご質問をいただいたので「フランチャイズに関する説明と現状」をお話しして今年最後の投稿としたいと思います。
ということで「セブの5年間を振り返る」はなかなか進みませんが来年投稿します。
今回の「フランチャイズについて」は慌ただしく書いたので十分ではありませんが年明けには「タクシービジネスの5年間を振り返る」記事も投稿する予定ですので良ければご覧ください。
なお下の写真ですが、一人で家にいると近所の子供が持ってきました。液体のものは市場やサリサリストアなどで売っているスープみたいなものだと思われ、個体の方は一応鶏肉のようなのですが、食材にしては少量でよくわかりません。
妹が帰ってきて渡したら怪訝なそぶりも見せずに受け取ったので頼んでいたのかもしれません。
今日のテーマは表紙にする写真がないのでとりあえずこれを載せておきます。
フランチャイズ制とは
フィリピンで何かビジネスをするためにはまずは市役所で営業許可(ビジネスパーミット)をとる必要があります。
まず営業許可を得るには個人事業主か会社経営かを選択する必要がありますが、個人事業主は外国人の場合事実上はほぼ無理といっていいかと思われます。その場合はフィリピン人パートナーを見つけフィリピン人名義で実質共同事業主として行うことになりますが、事実上日本人経営としてダミー法に引っかかると違法ですので注意が必要です。
一方会社経営の場合は外資100%にするには現在のネガティブリストですと資本金250万ドル以上の資本金であれば可能ですがあまり現実的ではありません。私の場合は私が40パーセントで残りを妻と家族・親戚で持つ形としています。
フィリピンでお店に入ると必ず客の目につく場所に沢山の許可書が掲示されています。特に目につくのは赤い文字で「BIR」と書かれたもので「BIR」というのは日本の国税庁にあたり、内国歳入庁(Bureau of Internal Revenue)です。
このほかに消防署であるとか飲食店だと食品衛生局のような関係セクションの許可書が必要となります。タクシービジネスの場合は比較的少ないのですがオフィスに掲示することが義務づけられています。
またそのほかフィリピンは日本と同様に自家用車と営業車の区別があり新車をタクシーにする場合は「LTO」で変更手続きを行います。強制保険の手続きやら営業区域の許可など結構やることはあります。
タクシーやバス、ジプニー、トライシクルなどは「LTFRB」(Land Transportation Franchising and Regulatory Board)が所管官庁になります。
タクシーの台数は政府によって台数が総量規制されて「LTFRB」が交付する営業権(フランチャイズ)がないと事業主は運行することができません。
このフランチャイズは昔は1フランチャイズで5台とかいう時代もあったようですが、だんだんと少なくなり最終的には1フランチャイズ1台となり私がタクシービジネスを始めたころにはもう新規交付は中止されていました。
ちなみに私が持っているフランチャイズは1フランチャイズ1台、2台、3台と三種類あります。
中古でフランチャイズを購入する場合はまず「DEED OF SALE」という売買契約書を取り交わします。
私の場合は最初の2台は中古の車両付でフランチャイズを購入しましたがそれ以降はフランチャイズのみを購入しています。
その場合、契約締結時点はまだフランチャイズには古い車両が登録されているので古い車両を廃して新しい車両に登録しなおす「DROP AND SUBSTITUTION」という事務手続きが必要になります。
それらの手続きが終わってやっと新車での走行が可能になります。
フランチャイズの名義変更手続き中止と今後
私がタクシービジネスを始めたときは名義変更は1年に一回のみというルールでした。つまり購入したフランチャイズを一年以内に転売してもその購入者は名義変更できないということです。年々高騰するフランチャイズの販売価格を抑制する意図があったと思われます。
ところが1昨年に「LTFRB」が名義変更手続きを止めました。
名義変更が中止された直前はフランチャイズ価格は50万ペソとか60万ペソとかまでに高騰していました。
フランチャイズを売買することは民民(民間同士)の契約なので可能ですが名義変更できないので旧オーナー名義で事業を行うことになり当然のことリスクを伴います。
売りに出しても当然、従来と比べると価格は下落しましたし、購入に当たっては売り主の信用も影響するので買い手がつかないケースもあったようです。
このような状況が約2年間続き、年明けに新規則が施行されコンソレーションといってフランチャイズの統合が行われるとアナウンスされました。
これまで1フランチャイズで1台から複数台まで交付された時代によってまちまちだったのが10台に統一されるとのことです。
このため10台を超える台数を持つ場合は端数をどうするか。10台に満たない小規模オーナーはどうするかという問題が生じます。
これを機会に自分のフランチャイズを手放すので買ってほしいという話や共同経営の相手にならないかという話がオペレーター同士でなされています。
質問「フランチャイズの相場はいくらか?」について
ということでセブの「フランチャイズの相場はいくらか?」については2年前まででしたら1台あたり50万ペソ以上と答えられたのですが年明けの規則改正でどうなるか全く分かりません。
しかし、1フランチャイズ10台となった場合、それ以降はフランチャイズ単位の売買はかなり限定される事が予想されます。
また共同経営体をつくってその中の権利を切り売りするということも考えられますが、トラブルの心配などかなり難しいのではないかと思われます。
もっとも役所のルールが突然変更される場合はままあるのでアナウンス通りになるとも限りません。フィリピンでは常にフリーハンドで臨機応変に対応しなければなりません。
さて2018年も残りわずかです。1階ではカミさんが分割で買ったスピーカーがクリスマスには間に合わなかったのですがようやく届き、鳴り響いています。皆踊ってます。
というか日本時間はもう12時を回ってしまいました。日本とフィリピンは1時間時差があるのです。2018年は日本は大きな災害が多くありました。2019年が皆様にとって良い年になりますように。