「カルボン・ナイトマーケットと再開発計画」(フィリピン・セブ島)

〔今回の内容はユーチューブに投稿した動画を解説したものです。〕

カルボンマーケット フェイスブックHP https://m.facebook.com/pg/CarbonMarketCebu/posts

動画の内容

コロンストリートからカルボンマーケットへ)

コロンで買い物をして、最後はユニトップ。ここからスタートです。

ユニトップ(UNITOP)コロン店は3階建てで広い売り場面積を持つ総合ディスカウントスーパーです。衣料品や、日用雑貨、電化製品、文房具、工具類、おもちゃなど品揃えは豊富。平日の昼間でも混んでいます。

ユニトップからEモールに行く途中にある、極狭マクドナルドです。

店名は「McDo Fries & Sundae」で、マクドナルドなのに主力商品のハンバーガーやチキンなどは販売しておらず、飲み物とマックフライポテトのみ。

メニューにあるコーヒーはいつも売り切れで、これは他のマックでもよくあることです。

このマクドの場所は、ユニトップからフェンテ・オスメニア方面に行き、ハイウエイの手前の交差点を左に折れ、Eモール方面へ歩いて1、2分です

コロンストリートとの交差点には馬車のターミナルがあります。

観光客っぽくない一般のお客さんが乗っていました。普通に足代わりに走っているようです。

サンホセ大学です。セブではサンカルロス大学と並んで歴史ある大学です。

メトロセブ内にいくつかキャンパスがあるようですが、ここが本校になります。

ユニトップとカルボンマーケットの中間地点くらいにあります。

横道に入ると魚を売っている露店通りがあります。

カルボンマーケットの一角です。前にフェンスが見えますが、ここは再開発区域で工事が始まっています。

以前はこちら側にも露店商が軒を連ねていましたが撤去されています。

カルボンマーケットはいくつかの建物がありますが、こちらは古い建物で、流石に老朽化も目立ち、衛生面でも問題がありそうです。

左手に見えるのが新しい建物で、再開発のフェーズ1で建てられました。この建物は2年間の暫定市場となるようです。

右手に集落があって道路沿いに店もありますが、再開発の対象地域になっています

赤いテントはナイトマーケット用で、もう準備を始めています。

さきほどの写真の新しい棟のメインの入口で、入った所に完成予想図のパネルが展示されていました。

次の項目で取り上げていますが、賃料が高いとベンダーが抗議運動をしたとのこと。

花屋さんもたくさん入っていますが、ニュースによると1店舗あたりの割り当てスペースが小さすぎるという不平・不満があがっているそうです。

こちらはお米屋さん。街中のスーパーマーケットやサリサリストア同様に量り売りで売っています。

日用品や雑貨の店もあります

2階には食堂(カレンデリア)などがありますが空きスペースのほうが多かったです。

3階(屋上)から見た山(北)側の様子。

海(南)側にはセブ島とマクタン島を結ぶ第3橋(セブ-コルドバリンク高速道路(CCLEX))が見えます。

眼下には多くの露天が並んでいますが、計画図によるとここから海岸まで総て再開発区域になっているので、いずれ立ち退きが命じられると思われます。

カルボンマーケットナイトマーケット

コロナ禍で休止されていたナイトマーケットは2022年3月下旬にソフトオープンし、4月22日に正式に再開しました。

Carbon night market revives trade in downtown Cebu City」(Yahoo news 2022.05.23)

サント・ニーニョ教会(Sto. Nino Church)やマゼランクロス(Magellan’s Cross)、サンペドロ要塞(Fort San Pedro)などの観光スポットから側のメインのエントランスです。

これらの観光スポットからは徒歩圏内なので観光ルートに入れてもいいと思います。

ナイトマーケットは左の地図の青の点線の道路で行われています。

全長200メートル位で、別途紹介予定のコロンストリートのナイトマーケットと比べるとこじんまりした規模です。

コロンストリートのナイトマーケットは衣料品などの露天も多く出店されていますが、こちらはほとんど飲食店です。

カルボンのナイトマーケットをはずれて北に向かいます。

ここからコロンに至る一帯は、夜になると道の両脇に露天が多く出店され、マーケットのようになります。

道路には大きな台車が行き交って活気があります。

さきほどのサンホセ大学の通りまできました。

カルボンマーケット再開発と立ち退き問題

再開発

「Carbon Market Redevelopment(カルボンマーケットの再開発)」(MEGAWIDE)

  • 所有者:  Cebu2World Development, Inc.
  • 場所:  MC Briones St., Brgy. エルミタ 6000 セブシティ
  • CFA: 広大な低密度商業開発のフェーズ 1 で120,000 平方メートル以上 
  • 契約:  50 年間の合弁事業

2020 年、『メガワイド』の子会社である『Cebu2World Development.Inc』 は、カーボン マーケット ディストリクトの建設と運営に関する 50 年間の契約を獲得した。 

「Megawide(メガワイド)」とは(ウィキペディア)

https://en.wikipedia.org/wiki/Megawide

メガワイド コンストラクション コーポレーション( PSE :  MWIDE ) は、1997 年にフィリピンのケソン市で土木技師のエドガー サアベドラとマイケル コシキエンによって中規模の建設会社として設立されたコングロマリット(狭義には、多業種間にまたがる巨大企業のこと。ただ、今日では、多業種間にまたがらない巨大企業もコングロマリットと呼ばれることも少なくない。複合企業(ふくごうきぎょう)(複合企業体) や  グループ会社などとも。)。
2004 年には、エンジニアリング、調達、建設(EPC)、空港インフラストラクチャ、輸送指向開発の事業を組み込み成長した。
2011 年にフィリピン証券取引所に上場した。
マクタン セブ国際空港(MCIA) (インド企業 GMR との合弁事業を通じて) などの主要なインフラストラクチャ プロジェクトにおけるフィリピン政府のパートナーである。
 PITXターミナル(Parañaque Integrated Terminal Exchange)、官民パートナーシップ学校インフラ プロジェクト (PPP for School Infrastructure Project)、およびクラーク国際空港旅客ターミナルビルなどのプロジェクトを請け負っている。
2020 年 9 月 25 日の時点で、メガワイドの時価総額は 150億ペソ、株価は 7.43ペソ 。

「LOOK: P5.5B MODERNIZED CARBON MARKET IN CEBU CITY(セブ市の近代化されたカルボンマーケット)」(Sugbo 2020.11.05)
https://sugbo.ph/2020/modernized-carbon-market/

クイーン シティ(セブ)は、セブ市行政府と メガワイド(Megawide) との間の官民パートナーシップの下で、さまざまなプロジェクトで大規模な改造を行っています。これらのプロジェクトは、セブ市が持つ自然の恵みと豊かな遺産を強調することを目的としています。
カルボン市場は、約 1,300 人の屋台の所有者と少なくとも 5,000 人の移動販売業者で構成されており、全員が収入を商品に依存しています。
追加料金の懸念もあったが、ベンダーから徴収する料金は変わらないと市場管理者であるマツギナ氏マツギナ氏は言う。貿易センターは、新しい取り決めには仲介者が介在しないため、農家が農産物をより安い価格で販売するのにも役立ちます。 

「IN PHOTOS: SNEAK PEEK OF THE NEW CARBON MARKET IN CEBU CITY(セブシティの新しいカーボンマーケットのスニークピーク(先行プレビュー))」(Sugbo 2022.1.31)

2022年1月28日、近代化されたカルボン市場の再開発がまだ進行中である間、約100の立ち退きしたベンダーが、カルボンマーケットのユニット2に新たに開設された中間市場の露天に一時的に移動しました。
この一時的な露天は、セブ市政府とメガワイドの間の官民パートナーシップである「カルボン市場近代化プロジェクトのフェーズ 1」 の一部です。セブ市議会議員 Jerry Guardo が共有した写真は、清潔でより整理された屋台、より広いスペースと通路、清潔で快適な部屋を強調しています。

<その他参考サイト>

「Modernization of the Carbon Public Market to improve people’s livelihood(人々の生活を改善するためのカルボンマーケットの近代化)」(Cebu CFI Community Cooperative:セブ CFI コミュニティ協同組合 )
https://www.cficoop.com/articles/modernization-of-the-carbon-public-market-to-improve-peoples-livelihood/

立ち退き問題

経緯

2019年9月
当時のセブ市長エドガー・ラベラは、新しい市場の構築のために SM グループと提携する市の計画を明らかにしました。 
当初の提案では、1 階が販売エリア、2 階が駐車場になる予定でした。一方、3 階は公設市場に持ち込まれる商品の中継駅などでした。

2019年10月11日
メガワイド コンストラクション コーポレーションは、未承諾の提案をセブ市政府に提出し、ビジネス コンプレックスに変える計画を立てました。
セブ市でのプロジェクトの授与プロセスには、市議会による調査が含まれ、ジョイントベンチャー選定委員会(JVSC)が選定プロセスを実施し、提案を審議して提案の受け入れを推奨します。SM グループの提案については触れられていません。

2020年1月
メガワイドは、55 億ペソの開発提案でカーボン マーケット プロジェクトを獲得しました。市とコングロマリット(複合企業体)は、1 月11日に合弁事業契約 (JVA) を締結しました。

2020年10月10日
会長のウィンストン・ガルシアが率いる 「CFI コミュニティ協同組合」は、35 億ペソの開発対案でメガワイドの提案に異議を唱えました。

2020年10月21日
CFI の対案のプレゼンテーション中に、ウィンストン・ガルシアは市議会に、債務を抱えているとされるコングロマリットに市場の開発を任せる理由を尋ねました。メガワイドは、「彼らの信用状態はプロジェクトにとって十分です」と答えています。

2020年10月23日
市議会は、JVA の論争を取り上げ、JVSC に選考プロセスとその他の関連する論争について説明するよう求めました。

2021 年 1 月 7 日
セブ市議会が「市長が市を代表して覚書 (MOA) に署名する」決議を承認し、メガワイドがカルボンマーケット全体を改修する契約の締結が認められました。
リノベーション計画は複合用途資産の建設、開発、運用を含む、カルボンの段階的な再開発のため50年間で、市場の 1、2、3 号施設の一部の解体が含まれます。

2021年2月
市場の最初のスケッチが公開されました。メガワイドによると、デザインはセブ南部のカーカーシティにあった古い鉄道駅にインスパイアされ、工業デザインと地元の織り模様が組み合わされています。(セブ島にはアメリカ統治下時代に、南北に鉄道が走っていました)

2021年3月
カルボンマーケットの民営化に反対する運動は、市場建設に反対する抗議活動に広がり、市場に反対する嘆願書が 3 月 1 日にセブ市政府に提出されました。
ベンダーは、メガワイドがレンタル料金を徴収し、3 年後にリース価格を引き上げることを許可する JVA の一部に同意しません。
一連の協議の後、市政府とベンダーは、3 月 24 日に高齢者市民公園で起工式が行われた後も交渉を継続するという決議に署名しました。

2021年6月
露天の所有者が移転する予定の暫定市場で建設が始まります。
少なくとも 11 人のセブ市の住民が、ラベラ(当時の市長)、ラマ(当時の副市長、現市長)、およびその他の市の役人に対して、カルボンの近代化のために重大な不正行為と汚職の苦情を申し立てています。

2021年7月

売り手と擁護者は、保留中の移転に抗議するために、暫定的な市場の建物の外で、ろうそくを灯す徹夜の抗議活動を行いました.

2021 年 8 月 25 日
いくつかのグループが、JVA を無効にする請願書を提出しました。彼らはまた、プロジェクトの実施に対して一時的な差し止め命令を申請しました。

2021 年 8 月 26 日
ラマ副市長は、JVA の再評価の必要性について声明を発表しました。「私たちは物事を正しく行う必要があります」と彼は言います。

2022 年 1 月 28 日
中間カルボン市場がオープンしました。

2022 年 5 月
大統領選挙と同時に行われた地方選挙(セブ市長選挙)で建設計画に反対の姿勢を示し自分が市長になればメガワイドに対して訴訟を起こし、JVAを取り消すと述べていたマーゴット・オスメニャが、元副市長で推進派のラーマに敗れ、プロジェクトの廃止への希望が打ち砕かれました。

2022年6月
セブ市議会は、6 月 29 日にメガワイドとの補足覚書を可決しました。
この契約により、Megawide の投資額は 58 億ペソから 80 億ペソに増加されました。
また、運営開始から 11 年目までに市のシェアを年間 5,000 万ペソに引き上げられました。 

2022年7月
7 月 18 日、ベンダーは市政府の職員によって力ずくでフリーダム パークの露天から追い出されました。 


概要

セブ市のカルボン・マーケットは、1919 年以来何らかの形で、人々が集まってさまざまな商品を売買する公共市場として、100 年以上存在しています。

歴史家によると、この地域に終点があった古いセブ鉄道の石炭貯蔵庫にちなんで名付けられました。

1990 年に市場に近代的な建物が建設され、最後に改装されたのは 2007 年でした。長年にわたり、元アメリカ軍の駐屯地であった古いウォリック兵舎とフリーダム パークのスペースを占有するベンダーが増えました。

メガワイドは 2019 年 10 月 11 日にカーボン マーケットの再開発プロジェクトを請け負うための提案を提出しました。同社は、マクタン セブ国際空港に取り組んでおり、セブ市にとって見知らぬ人はいない有名企業です。

メガワイドが提案する再開発計画には、古いカーボン マーケットとその周辺の 7.8 ヘクタールの土地が含まれます。プランには公園、チャペル、ライフスタイルビレッジ、ナイトマーケットが含まれます

メガワイドは当初、このプロジェクトに総額 55 億ペソを投じており、期間は 50 年間で、さらに 25 年間延長可能です。

基本的にメガワイドは、旧カルボンマーケット跡地に建設される複合用途資産の建設、開発、運営を行います。また、歴史的なフリーダム パークを並木道のある美しい公園に復元することも含まれます。 

JVA の条件に基づいて、メガワイドはセブ市に年間保証された支払いを送金します。これは 5 年間で増加します。 4、最後に 5 年目とそれ以降は毎年 5000 万ペソ (インフレを考慮して 5 年ごとに 10% ずつ増加)。

その見返りに、メガワイドは「プロジェクト サイトのすべての資産クラスの開発と運用から生じるすべての収益を集めて受け取る」権利があります。これが、メガワイドが投資を回収する方法です。

一部のカルボン マーケットのベンダーを含む JVA の批判者は、交渉プロセス全体を通じて、またこの地域の古い構造物を取り壊す命令が出る前に、公開協議が行われなかったと主張しています。しかし、メガワイドはこれを否定しています。 

700 を超えるベンダーは、屋台から追い出されました。彼らのうちいくらかは近くの中間市場に移転しました。

しかし多くのベンダーは以前稼いでいた額よりもはるかに少ない収入だと言います。

また、民営化に反対であり、このプロジェクトは、メガワイドではなく、セブ市政府によって処理されるべきだという意見もあります。

ベンダーは、中間市場への移行について、その立地から収入が減ったとしています。まあ、一部のベンダーが不正に多くのスペースを割り当てられたと不満を述べています。

また、ベンダーが懸念しているもう 1 つのことは、新しいカーボン マーケットでのレンタル料金の上昇が迫っていることです。

現在、旧フリーダム パークの露店を借りる費用は、1 平方メートルあたり 1 日あたり P8.50 です。移動販売業者、または正式な屋台を持たずに通りで商品を販売する商人は、1 日あたり P20 の定額料金を支払います。新しい市場での典型的なストールの料金は、2024 年までに 3 倍以上になり、1 平方メートルあたり P28 になります。 

2021 年 8 月 25 日、さまざまなベンダー協会が、JVA の無効を宣言するために、メガワイドとセブ市の地方政府の両方に対して訴訟を起こしました。ベンダーのグループは、JVA がいくつかの法律に違反していることに加えて、再開発プロセス全体で多くの利害関係者が除外されたと主張しています。

ベンダーのグループは、メガワイドとセブ市に対して訴訟を起こし、カルボンマーケットの再開発計画を阻止しようとしました。

さらに、この地域に住む約 1,000 世帯も家を追われ、家を追い出されると主張しています。 

ベンダーは、JVA に含まれる 78,000 平方メートルの土地面積を約半分に分割することを推奨しています。36,900 平方メートルの 1 つのエリアは、JVA に従ってメガワイドによって開発されます。一方、約40,110平方メートルの残りの半分はJVAには含まれず、代わりにセブ市政府がベンダー協同組合と協力して開発するといった対案です。

<参考ニュースサイト>

「Why Cebu’s Carbon Market vendors refuse to leave」(セブのカルボンマーケットのベンダーが去ることを拒否する理由)(Rappler 2022.07.18)https://www.rappler.com/nation/visayas/reasons-why-vendors-carbon-market-cebu-refuse-leave/

「TIMELINE: Carbon Market redevelopment from proposal to demolitions(タイムライン: 提案から解体までのカルボンマーケット市場の再開発)」(Rappler 2022.7.30)

 https://www.rappler.com/nation/visayas/timeline-cebu-carbon-market-redevelopment-proposal-demolition/

「Why Is Cebu City’s P8 Billion Carbon Market Redevelopment Project So Controversial?(セブ市の80億ペソのカルボンマーケット再開発プロジェクトがなぜ物議をかもしているのか?)」( EsquireMag 2022.09.14)https://www.esquiremag.ph/long-reads/features/why-is-cebu-city-s-p8-billion-carbon-market-redevelopment-project-so-controversial-a2056-20220914-lfrm3

カルボンマーケット再開発事業完成予想図

カルボンマーケットの事業完成予想図です。今後もこのような街並みになっていくのか、カルボンマーケットの姿を撮り続けていきたいと思います。

Going to Carbon will be more than just going to(Sunstar 2021.02.04)

Megawide To Help Jumpstart Cebu Economy With Proposed Carbon Market Redevelopment(cebufinest 2020.10.26)

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