英語力ゼロからのフィリピン移住とビジネス(2020)

私は現地語はもちろん、英語力もほぼゼロで6年ほど前にセブにやってきました。

英語学習に関しては以前も投稿しており、定期的に「こんなに上達しました」みたいなお話をしたいと思っていたのですが、一向にできそうにありません。

やはり年齢もあり、記憶力、体力、集中力、どれをとっても厳しさを感じます。

それでも、時々は、今どうしているのか?今後どうするのか?などについて、お話ししていきたいと思います。今回は今までのまとめと、「それでも、諦めずに頑張ろう」という内容です。

現地語・英語力ほぼゼロでも移住もビジネスもできた

セブでの生活を始めた頃の私の英語力

私がセブに来たのはおよそ6年前のこと。

英語学校のレベルテストでのヘッドティーチャーと面談では全く会話にならず終了、当然最下位のレベル。

街中ではコーヒーの注文さえ伝わらず我ながらショックを受けたくらいでした。

仕事で英語を使うことも皆無、何十年も英語から離れた生活を送っており、文法など基礎学力も随分と低下しているようです。

そういえば、昔の上司や同僚の名前でさえ思い出せないことも多いなあ。

英語学校はどうだったか

英語学校に約6カ月通い、その後英語教師の知り合いや、知人から英語学校経営を誘われていた時に聞いたり調べたりしたことから、私が感じたことは次のようなことです。

英語学校全般

  • この5年位でセブの語学学校は急激に増加した。
  • 学校及び教員の質には差があると感じた。
  • ウェブやHPで紹介されている内容を鵜呑みにすべきではないと思った。
  • フィリピンの英語学校はシーズンオンとオフの差が激しく、オンの時期に臨時で雇用するケースもあり、教師のレベルにも差が生じると感じた。
  • どの学校も正規採用とうたっていても、実際はそうでない場合も多いことが分かった。
  • 特に受講者が初心者の場合、講師に初心者向けのコーチングの適性があるかどうかが大事。
  • コーチングのスキルを考えると教育学部出身者が良いが、数は限られている。
  • どうしても性格的に合わない教師もいる。

学校の選び方

  • 留学エージェントを利用するのであればはっきり自分の要望をはっきり伝える
  • 留学エージェントは信頼できるところを選ぶ
  • 教師の採用形態
  • キャンセル規定(就学前、就学後:自己都合、学校都合、災害等不可抗力)
  • 合わない講師を変えられるシステムはあるか
  • 食事の質は重要
  • 寮の設備やネット環境(私の場合は窓のない部屋だった)
  • コストについては1コマあたりいくらになるか計算してみる
  • 授業料名目以外の諸経費はばかにならない。良心的かどうかがわかる。

その他

ウェブサイトの英語学校の紹介では当たり前ですが、いいことしか書いてありません。

留学エージェントのホームページも同様です。(私が知人に経営を持ちかけられた5年位前ですが)学校は留学エージェントに授業料の3割位を支払うのが相場との事でした。留学エージェントにとっては学校は収入源ですから基本的には悪いことは書きません。

本当は利害関係のないサイトでの口コミがあるといいです。なければフィリピン留学が再開される頃にフェイスブックグループか何かで作ろうかなとも思っています。

家庭教師はどうだったか

1人目の家庭教師
英語学校は土日が休みであるため、土曜日に2時間レッスンを受けました。現地で暮らしている日本人の知り合いから、コールセンターに勤めているという友人を紹介してもらい、場所はモール内のカフェを利用。代金は、当時相場と聞いた1時間150ペソ。彼女は英語教師の資格も経験もなかったので、少し多すぎたかも知れません。

最初は熱心にやってくれていましたが、1ケ月もすると緩みが感じられ、レッスン内容は会話とオーダーしていたにもかかわらず、ある日、プリントしたテキストを渡され、その間ずっと携帯をいじっている。その日はあらためてこちらの希望を確認して継続するも、後日、お金を貸してくれと言われるなどあり、終了させてもらいました。

2人目の家庭教師
英語学校で教え方も上手くて、仲良くなり、フェイスブック登録もしていた講師が学校を辞めました。私は寮も出たあとで、授業数も見直して少し減らしており、授業時間外と土日にレッスンを受けたのでした。授業料は200ペソ。

3人目の家庭教師
私が英語学校を卒業したあとの話ですが、担当講師の妹さんが大学を卒業し、英語学校に就職するまでの間、家庭教師をしたいという話を聞いて頼んだのでした。

何か、予行練習というかレッスン台という感じもありましたが、彼女は後に勤めた英語学校で、かなり高い評価を受けたとのこと。

4人目の家庭教師
この方は、英語学校の講師の友人で、もともとは語学学校のような、きちっとした勤務は好まないようで、プロの家庭教師をしている人でした。(外国人だけなくフィリピン人の裕福層など需要はあるようです)

セブノーマル大学というのはセブのみならずマニラ首都圏を含めても英語教育にかけてはトップクラスの学校だそうです、そこの幼児教育を専攻していました。私のような初心者にとってはベストの相手といえます。レッスンを受けても、ストンと落ちた感覚で、ああ教え方でこれほど違うんだというのをあらためて実感したのでした。

週3回、1日2時間500ペソでお願いしましたが、プライベートで話しているだけでも勉強になるので、安いものと感じました。彼女の家は家からも歩いても行けるくらいで、基本的には彼女の家でレッスンを受けるようになりました。

ちなみに、妹さんは当時高校生だったのですが、やはり学力優秀でなおかつ、副業で家計を助けていました。その副業のひとつが手作りバターピーナッツなどですが、これがとても美味しかったことを覚えています。

家庭教師(番外編)
最後はうちのカミさんです。奨学金を受けて通っていた大学ではビジネス英語も習っていて、英語力は十分だと思います。

1人目の家庭教師に辞めてもらって家庭教師を探している話をしたら、それまでの間、仕事の休みの日に教えてくれました。

場所は彼女の家付近のモールでした。「お金は受け取れない」というので彼女や妹などに食事をおごったりしていました。

(結局、それが結婚につながることになったのでした。)

その他にも、短期間だと、友人の友人など何人かに受けました。ただ、プロでないと当たり外れがあるのと互いにしっかりした意識でいないとグダグダになってしまうことに注意が必要です。

観光ビザでは家庭教師による勉強はできない?

「たとえ1日であっても、SSPなしで 授業を受けるのは不法です。これは個人による家庭教師の採用にも同じく適用されます。」と言う内容が記載されている留学エージェントのウェブサイトがあります。

※SSPとは移民局が発行する「Special Study Permit:特別就学許可証」のこと。

日本で語学を学ぶのであれば、学校法人として認可されている大学、各種学校の語学学校への留学などが一般的ですが、無認可の学校も存在します。また、家庭教師に関しては「消費者契約法」「特定商取引法」といった個人の消費者契約になります。以前話題に取り上げたフリースクールと同様で、それに特化した法的な規制はありません。観光ビザで来日中に家庭教師のレッスンを受けても何の問題もありません。

フィリピンで学位コースに入学する場合は観光ビザではなく、「留学ビザ」を取得する必要があります。英語学校などに入学する場合は「観光ビザで入国・滞在」して、「SSP」を取得する必要があります。

フィリピンの政府ホームページでのSSPの説明ではSSPが必要な者として「who plan to enroll in non-degree courses, including English」つまり非学位コースに入学する者とあります。

また、在日本フィリピン大使館のHPの説明でも同様に「外国籍の方が、学位取得の目的ではなく短期間の語学コースまたはその他のコース(コンピューター・コース等)を受講のためフィリピンへ訪れる場合、短期渡航者用ビザを申請する必要があります。申請の際、追加書類として入学を認めたフィリピンの学校が発行した署名付きの入学許可証を提出してください。入学が許可されフィリピン到着後、学生はフィリピン入国管理局のステューデント・デスクにて、下記の書類を提出し、特別就学許可 (Special Study Permit) の取得申請を行ってください。」とあります。

そして、SSPの取得には「Certificate of acceptance issued by the learning institutions duly accredited by the Bureau of Immigration」つまり「民局から正式に認定さ移れた教育機関が発行した合格証明書」が必要なので、家庭教師の場合は、SSPを取得することは不可能です。

上記の説明では、あくまで「留学生を受け入れる認可学校に入学する場合はSSPが必要」とも読み取れますがそうではないのでしょうか?

例えば英語ではない現地語、料理教室、ダイビング教室などは観光ビザで自由に学べますし、これらのプライベートレッスンも同様です。なぜ、語学学習だけ、家庭教師をつけることが認められないのでしょう。

フィリピンでは日本と異なり、家庭教師によるレッスンが消費者契約ではないという法令があるとか、入国管理規則で観光ビザの場合は家庭教師によっても語学学習を受けてはいけないという規定があるのでしょうか?

例えば就労に関しては日本では入国管理法に就労できない在留許可の種類などが明記されており、フィリピンでも同様だと思います。

これについての法的根拠は探しても見つかりませんでした。以前お話したように、宿泊・滞在サービスを行う際には、家庭教師の紹介も行いたいと思っており、その際にはしっかり確認したいと思っています。

家庭教師の報酬の相場

 payscale.com というサイトでは₱148.66とあります。しかし、マニラ首都圏とセブでは差がありますし、キャリア、スキルなどによっても異なると思うのであくまで参考まで。

今どうやっているか?

フィリピンの公用文はすべて英語

フィリピンの契約書や公文書はすべて英語です。

フィリピン社会で混乱していると感じるのは、簡単な英会話は多くのフィリピン人が話せます。ドライバーの履歴書にも言語の欄があってほぼ全員ビサヤ(セブアノ)語、タガログ語、英語と書いてあります。

しかし、役所文書は高校卒業程度でもなかなか読みこなせません。日本語でも契約約款や公文書は、読解が難しい面があるように大卒であっても、英文の法令やビジネス関連文書を正しく理解するには経験が必要だと思います。

うちのカミさんは短期履修ですがビジネスも大学で学んでいたので役に立っていたと思います。

紙の英文文書を自動翻訳して自分で読む

すべてを翻訳している通訳がいれば別ですが、そうでなければ、できるだけ自分自身で目を通す必要があります。

職場などでは、紙をプリンターでスキャンしてOCR(光学的文字認識)ソフトで読み取っていました。うちはプリンターがないので下記の方法で行っています。

紙の英文文書を写真に撮る
まず紙文書を写真に撮ります。解像度は高くしておきます。

写真をパソコンに転送する。「USB」や「SDカード」、「Googleフォト」「icloud」など方法がありますが、私の場合はipot tuchで管理しているので「icloud」の「photo」に同期しているので特に転送作業をすることなくパソコンで取り出せます。

写真やPDFを「Google ドライブ」の「Googleドキュメント」を使いテキストに起こす
次に写真をパソコンの「Google ドライブ」に入れ、「Googleドキュメント」に変換します。これで「テキスト」として読み取れます。

(スマホやタブレットでも作業できると思いますが私はやはりパソコンのほうが使いやすいのでそちらで作業しています)

テキストを自動翻訳にかける
Googleドキュメントのテキストを自動翻訳にかけます。これは「Gogole翻訳」と「Deep翻訳」を併用しています。

文書の概要を把握する
まず文章の概要を、ざっと頭に入れます。

細部は原文を確認する
そのうえで細部は原文を確認しています。

ビジネスでの会話

会話に関しては最近はポケトークもありますし、スマホアプリでも一応対応できます。

私が手術した病院も話しかけると反訳してくれるスマホの無料アプリを使っていました。グーグル翻訳などでも可能です。

それでもやはり翻訳機ではテンポも一息遅れますから、私は使っていません。

基本的にビジネスパートナーやカミさんに任せます。事前に十分に打ち合わせをしておくことを心がけています。

基本的にはカミさんやビジネスパートナーが現地語で話し、要点だけ教えてもらう形です。

ドライバーとのコミュニケーション

言葉はあくまで「コミュニケーションツール」です。つまり手段であって目的は「コミュニケーション」です。

もちろん言葉によるコミュニケーションができることに越したことはありません。ただ、目的をしっかり据えていれば、できなくても諦める必要はないと思います。

タクシービジネスで一番大事なのは、ドライバーのマネジメントです。

仕事において一番大事なのは人間関係だと思います。仕事の厳しさやミスなどといったものは取り返しのつかないケースはほとんどなく、人間関係の中で取り返せたり、何とかうまくいくケースが多いように思います。

「ドライバーに対するマネジメントはストレスフルである。」という話は他のオーナーからも聞きます。

ドライバーとの関係では、ドライバーはオペレーターに不平不満を持ち、オペレーターもまた、同様にドライバーに不満を持つという、プラス面よりマイナス面が表に現れる関係になりがちです。

これはオペレーターがドライバーの仕事ぶりを見ていられるわけではなく、何か一緒に作り上げていくという性質の仕事ではないこと、オペレーターとドライバーが顔を合わせるのはバウンダリーの受け取りや、事故やトラブルが合った時だけということも影響しています。

若い頃に「厳しさを秘めた優しさ、優しさを秘めた厳しさ」という言葉を聞いたことがあります。ただ優しいだけではだめだし、ただ厳しいだけではだめ。もし100%ただ厳しいだけの上司を持ってしまったら、押しつぶされてしまうでしょう。また、そういった関係性はお互いにとってマイナスです。

以前のビジネスパートナーがドライバーとの関係で消耗したことから、カミさんがドライバーに接する際、「厳しいことを伝える時は、私のせいにしていい」としています。

特に外国人からみた日本人のイメージというのは「勤勉」「規律正しい」「まじめ」といったものがあると思われるので説得力もあるかと思います。

例えば、ドライバーに対して怒りたいことがあっても「Yoshiが怒っている」あるいは「がっかりしている」と言う言い方で自分を全面に出さないこと。

また、反対にドライバーにとっていいことも、例えば今の時期だと、クリスマスのリワード(ボーナスのようなもの)を支給するにあたっても、「カミさんの私への助言」があったと伝えています。

ボスは厳しいけれど、マム(カミさん)はときどき優しいし守ってくれるときもある。というくらいの関係がバランスがとれているのではないかと思います。

これはタクシービジネスを始めるにあたって、最初のオーナさんからの「フィリピンではジャパンスタイルだけでもだめだし、フィリピンスタイルだけでも失敗する可能性は高い、そのバランスが大事」という助言にも基づいています。

私が現地語や英語が得意であったら、私自身が全面に出て直接、自分の感情をドライバーにぶつけてしまっているかも知れません。

法務省による「法曹有資格者による日本企業及び邦人の支援の方策等を検討するための調査研究」(平成27年度)では、フィリピン人に対しては「絶対に人前で恥をかかせてはならないということである。恥をかかせるとは、大げさな話ではなく、他人が見ている前で何かミスを指摘する、相手を見下すような形で自分の自慢話をする、自分のわがままで相手を困らせるようなことを言う等、ほんの些細な言動も含まれる。」「部下や使用人に対して、同僚が見ている前で注意したり、ましてや怒鳴ったりする行為も、同様に恨みを買うことになる。」と書かれています。
(この調査研究以前も紹介しましたが、別途私の感想・コメントを投稿したいと思っています。)

夫婦関係もそうですが、言葉がうまく通じないということは、「ワンクッションおけるという利点もある」ともいえるかもしれません。

今後どうするのか?

英語は基礎まではもっていく
とりあえず、ビジネスの商談ができるくらいまでは持っていきたいのですが、どうなることやら。今後、落ち着いたら、また家庭教師を願いしようかと思っています。

セブアノ(ビサヤ)語

私がセブに来た後に生まれた姪っ子、甥っ子はもう、5歳と4歳で言葉も話せます。私がセブアノ(ビサヤ語)が話せないのも認識しているようで、一所懸命英語で話しかけてくれます。そのうち、たぶん子どもたちに教わるかな、と思っています。

認知症対策
あとは、語学学習というのは、認知症対策になるのかなと思っています。とにかくストレスにならない程度に楽しんで学ぶのが一番です。

全国地域生活支援機構の「認知症予防の脳トレに、外国語教育は効果的?」ではこのように書かれています。

「外国語を理解しようと努力することが脳にはたらきかけ、ひいては脳全体の運動になるため、効果が高いのではないか」「『単語を覚えられた』といった外国語学習における学びの成果は、『やればできる』といった自信を持つことにつながる」

「何も外国語学習だけが認知症の予防やその進行の抑制につながるものではないのではない(中略)『何かをやろう、やりたい』という意欲を持ち、実際にそれにチャレンジする。そのような姿勢が、認知症予防や進行の抑制にもっとも重要なことなのかもしれません。」

おわりに

最近、夜眠れず体調が今ひとつです。セブはこの時期は1年のなかで一番過ごしやすい気候なのですが、どちらにしても外に出て何かするというわけでもないので、ゆっくり休んでいます。

そんな時、パソコンのディスプレイが姪っ子に破壊されてしまいました。カミさんに頼んでSMモールの販売店で修理を依頼したところ、交換で7,000ペソかかりましたが、その場で修理してくれました。最初は工場での修理になって値段ももっとするかなと思っていたので、まあよかった。

  • キーボードに(なぜか)洗濯ばさみをおいて思いっきりディスプレイを閉じてしまい、そこが黒い点になり、全く表示できなくなってしまいました。

これまで、姪っ子の長女には前のパソコンのキーボードにジェラードをこぼされ部品交換、甥っ子の長男にはプリンターを台から落とされガラスが割れ廃棄、と経験してきました。しかし、最近は彼女たちはもうパソコンを扱わせて大丈夫になってきており、安心していたところでした。油断大敵です。

  • ‘’Sorry‘’を覚えました。

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