南の島セブ日記
日本とセブを行ったり来たりしながらはや5年、セブの地で第二の人生を歩む決意をしたのはいいけれど生計はどう立てていけばいいのか?試行錯誤で小さなタクシー屋をはじめ2年目になります。夢は南のこの島でフィリピン人と日本人の小さくとも温かいコミュニテー作りをしていけたらなあと思っています。そんな日まで、毎日の出来事を書き留めたいと思っています。
運転免許証の更新
実は今回の日本滞在中にフィリピンの運転免許証の期限が切れてしまいました。有効期限は誕生日です。日本は以前は同様でしたが今は誕生日のの前後1か月が更新日に変わりましたね。
フィリピンの運転免許は「LTO(Land Transportation Office)」という役所が所管しています。フィリピンでは「SSS」という社会保障を所管する役所は評判悪いみたいです。私は直接被害はなく最近のドライバーたちに日本だと健康保険に当たる「フィルヘルス」という制度と合わせて加入する手続きをしたのですが、時間はかかりましたが無事手続きは終了しました。
日本と比較してしまうとどこの役所も文句を言いたくなってしまいますね。でもLTOも仕事でよく行くタクシーやバスの許認可業務を行うLTFRB(Land Transportation Franchising And Regulatory Board)も業務量に比べて職員の数が少ないように思えます。
フィリピンでは役所仕事は何かにつけてペナルティといっては支払いが要求されるという印象があります。よく分かりませんが所得税にしろ法人税にしろ所得把握は結構困難だろうと思われ、それに比べ確実に徴収できる手数料はしっかり取るのかなと思っています。
というわけでまた「ペナルティかあ」と覚悟しながらLTOへ向かいました。
LTO
最初の免許取得の際はフィリピン人の友に付き添ってもらいました。以前は多くのフィクサーと呼ばれる申請の仲介人がいたそうです。(日本でフィクサーというとなんだか○○界のドンとか黒幕など大物感が漂いますが)
今はかなり厳しく対応しているようでLTOの中にも禁止のポスターが掲示されてました。フィリピンに来た最初の年にシキホール島のヴィラマーマリンに行きたくてドマゲッティからシキホール島へ行くためフェリー乗り場乗船券を買おうとしていたら100ペソで待たずに買えると言ってきました。それと同じようなシステムでLTOは無茶苦茶混んでますから役人に分け前を渡して優先して手続きをするなんてこともできたのかもしれません。
一方3年前くらいで名前は忘れましたが犯罪歴を所管する役所などは公認でエクスプレス料金を払えば早く手続きしてくれました。まあ、日本でも郵便は速達があるので、役所が公式にやる分にはアリなのかもしれませんね。フィリピンでは役人個人がアンダーザテーブル(袖の下、賄賂)で勝手にやってしまうので問題でしたが、だいぶ無くなってきているようです。
さて、最初にLTOのハイウエイを挟んだ向かいの建物で尿検査(ドラッグテスト)をしました。ほかのフィリピン人の場合は女性の係員がトイレで後からチェックをしていましたが私の場合はありませんでした。外国人特権かな。でも、ドラックテストって抜き打ちじゃなくて意味があるのだろうか?
以前芸能人の覚せい剤事件でワイドショーなどでも取り上げられましたが、1週間も抜けば反応がなくなるみたいですから、あらかじめわかっている免許取得あるいは更新日の検査で陽性がでるとしたらよほど間抜けだなと思ってしまいます。
このあと場所を移し視力検査をしましたが、ものすごく雑で思わず笑っちゃいます。最初に免許証を受けた時ですが、私は眼鏡をはずすと視力が0.1以下で一番上の字も分かりません(個々の視力検査はアルファベットをあてるものです)。分からないというとメガネをかけて覚えていいから指した所を当てなさいと言われました。
とりあえず「やりました」というだけの感じです。尿検査で300ペソ視力検査で200ペソ合わせて300ペソ。きっとその大部分は役所に登録料として流れているのだろうなと思いました。
ちなみにタクシーのメーターを取り扱っているのはセブにこれだけのタクシーの台数があってたった3軒しかないとのこと。役所の認可が必要なのです。尿検査と視力検査も何故LTO直営でないのかよく分かりません。日本だと視力検査は免許センター内でやりますし。
ともかく時間はかかりましたが無事手続きは終わりました。723.63ペソを支払い無事手続きは終わりました。帰ってきた免許証は有効期限が切れた前のまま。会計でもらう領収書(オフィシャルレシート)がとっても大事でこれに有効期限(私の場合2022年でした)も書いてあります。
運転免許カードについては前回は後日問い合わせるようにと言われたのに、今回は何の説明もありませんでした。てっきり新しいカードかと思って、「凄い。即日交付だ」と思っていたら、古い免許証でした。帰りのタクシーで気が付きました。後で確認しないと。
↓左がメディカルチェックをした場所(二つの建物の間の道を抜けた先にあります)右がLTOの中です
フィリピンの運転免許証について
ライセンスにはプロフェッショナルとノンプロフェショナルがあり、私はノンプロフェッショナルなのですが、これは日本でいえば1種免許と2種免許に相当すると思います。
タクシードライバーになるにはプロフェッショナルの免許が必要で、私がドライバーを採用するにあたっては必ずチェックします。ドライバーの多くは期限切れの免許証を提出してくるのですが、先ほどお話ししたようにLTOの事務手続き上のものなのか本当に執行しているかを聞き、オフィシャルレシートの写しの提出を求めることになります。めんどくさい。
あと日本の仮免許に相当するのがスチューデントライセンスですがセブには日本のような立派な教習所はありません。教習所はあり時折見かけますが、最初から路上です。スチューデントライセンス所持者は、プロフェッショナルライセンス所持者が同乗していれば運転できます。ですから大抵は親戚や知り合いのプロフェッショナルライセンス所持者に教えてもらうみたいです。
日本だと確か1種免許と取得して3年たたないと二種は取れないですし実地試験もかなり厳しいですがなぜかプロフェッショナルライセンスは初めて免許を取る場合でもいきなりとれます。
以前私は友人の弟と同居していたときに彼がライセンスを取りたいというので援助してあげたことがあります。確か実地試験もなく、筆記試験もも英語でさっぱりわからなかったが検査官が同じバランガイ(市より下の行政区です)で試験を通してくれたとのこと。
彼が取得したのはプロフェッショナルライセンスです。私が当時所有していた車を練習用に使わせていたのですが、日本でいえば仮免検定にも受からないでしょう。緩やかな坂道発進もエンストを起こしてできませんでした。それでも制度上はタクシードライバーになれるのです。
ですから私はドライバーの採用に当たっては、プロフェッショナルライセンスを持ってもっているといるからといっても運転技術が伴っているとは思っていません。日本では教習所で習う運転マナー・ルールなどというものはほとんど勉強していないと思ったほうがいいです。もっとも最近は日本でもロードレイジなどと運転マナーが問題になっていますね。
今日のタクシー業務日誌
今日は1台バッテリートラブルでした。保証期間は6か月なのですが7か月目でした。なんとか1年くらいはもたせられないだろうか。マネージャーと相談です。
ではまた明日