シェアリングエコノミーとタクシー配車アプリ「Micab」

サッカーはワールドカップ初戦でコロンビアに勝利しました。TBSニュースによればモスクワの大手ブックメーカーのオッズはコロンビア勝利1.7倍、引き分け3.7倍、日本の勝利は5.75倍だったとのこと。そういった予想をはねのけての勝利。この後にも期待したいです。

これはシェアリングエコノミー推進ロゴマークです。政府ポータル

今回はシェアリングシステムやライドシェアそしてセブのタクシー配車アプリ「Micab」についてです。

以前のブログでもお話ししたところですが、フィリピンのタクシー事業に関する規則改正が行われ、タクシー料金の値上げ及びダッシュボードカメラ(ドライブレコーダー)とGPS・Wi-Fiの設置が義務付けられました。

設置費用は1台あたりおよそ1万ペソと収入からすると結構大きい出費でした。また今後はWi-Fi料金として毎月600ペソかかります。

今回のタクシー料金の値上げは2012年以来で約5年分の物価上昇分も含めてのことで、多くのオーナー(オペレーター)はバウンダリー(※)の値上げを行ったところです。

(※ フィリピンのタクシーはドライバーが社員ケースは少なく、ドライバーが一日の利用料をオーナー(オペレーター)に支払うレンタカー方式が一般的でこの利用料を「バウンダリー」と言います。)

バウンダリーの額は私のような小さな会社は大手を参考にするのですが、当社は比較的低い値上げにとどめました。

日本だとタクシードライバーは乗客ごとに記録をつけています。ビジネスを始めて間もない頃に、同じことをやろうと思ったのですが最初のマネージャーに「絶対に無理」と言われ諦めました。しかし毎日の走行距離は記録しています。

新料金になってまだ数か月ですが平均して走行距離がかなり減っています。

今回の料金の改定にあたっては値上げ当初は乗客数の減少も予想されましたが、総じて収入は増えているはずです。ドライバーば同じ時間働いてもっと稼ぐのではなく、その日の十分な収入を得たらそこで運転を終了しているのではないかと思われます。こういったところはフィリピン人気質なのかもしれません。

もっとバウンダリーの額をあげてもよかったかなとも思ったりもしましたが、まあ、頑張りすぎて過労運転で事故を起こされるよりはいいかなと思っています。

タクシー業界は今大きな問題を抱えています。今回の料金の値上げを含む今回の制度改正はそういった背景のなかで実施されました。

海外では「Uber(ウーバー)」に代表される配車アプリによるライドシェアリングが急速に広まっています。door-to-door(ドアツードア)の交通手段ではタクシー業界と競合することになります。

ただ、日本においてはライドシェアリングは規制の対象となっており、まだ身近に感じることは少ないかもしれません。

インターネットの普及で多くの業界が影響を受けていますが世界中のタクシー業界はこういったインターネットによる社会の変革の中で重大な局面を迎えています。

今日は少し長いので最初に内容を整理してポイントを述べますと

  1. シェアリングエコノミー(ビジネス)が注目されている
  2. 世界においてはすでにタクシー業界はライドシェアの影響をきく受けている
  3. 日本は今後、ライドシェアの議論が深まっていく
  4. フィリピンではすでに政府が一定の介入(規制)をする形でライドシェアを取り入れている
  5. グーグルやアマゾン、アップルといったIT産業が自動運転開発を進めている。タクシー業界だけでなく社会が激変すると言われている。
  6. セブにおける今回の制度改正について
  7. セブの配車アプリ「Micab」について

日本での仕事ではこういった分野には関わっていなかったこともありライドシェアやシェアリングエコノミーといった問題にはあまり関心がありませんでした。しかしこれらの問題は私の事業の将来にも関わってきます。そこで、そもそもシェアリングエコノミーとは何か?ライドシェアとは何かといったことから調べていきたいと思います。

シェアリングエコノミーとは

シェアリングエコノミーという言葉が最近注目されています。レンタル業というのは昔からありましたが、インターネットの普及でB to C(Business to Consumer:企業対消費者間取引)のサービスからさらにC to C (Consumer to Consumer:個人間取引)のマッチングが容易になってきています。このことにより個人が所有する資産やスキルの貸し出しを仲介するすビジネスが大きな広がりをみせています。

総務省の「平成27年度情報通信白書」では市場規模は2013年の約150億ドルから2025年には約3,350億ドル規模になる見込みと書かれています。ここでは上記の白書及び内閣官房シェアリングエコノミー検討会議 中間報告(首相官邸HP)などを参考に内容をご紹介します。

シェアリングエコノミーは下記のように分類されます。

(1)モノに関するシェア(モノ×シェア)

個人間で利用していないモノを共有するサービスなどで、フリマアプリやレンタルサービスが代表例です。

「サービスの多くは、インターネット上の仮想のフリーマーケット内で、出品者と購入者が個人間でのやり取りを通して物品の売買を可能としたスマートフォンアプリである、いわゆる「フリマ」で行われる。両者間でのやり取りがフリーマーケットに似ている為、フリマアプリと呼ばれている」

「なお、フリマは、所有権の移転を伴う点で同じく「モノ」を対象としているレンタル取引とは異なり、「お金」を除く他のシェアリングとも性格を異にする。また、シェア対象がハード資産(動産)である点で「スキル」と「移動」とも異なる。」

日本国内においてユニコーン企業(評価額が10億ドル以上の未上場のベンチャー企業)として注目を集めていた「メルカリ」は6月19日に東証マザーズ市場に株式を上場し公募価格3,000円に対し終値は公開価格を77%上回る5,300円、時価総額は一時8,119億円に達し、日本マクドナルドホールディングス(約7,900億円)を上回って新興企業向け株式市場で首位となりました。

「メルカリ」は盗品や現金また詐欺まがいの出品がなされるなどの問題がニュースになるなど課題もありますが2013年創業から僅か5年での急成長です。

フィリピンでは意外にネット通販サイトは盛んで「lazada」や「Zalora」といったところがよく知られています。私は利用したことはないのですが知人の話ではちゃんと届いたそうです。フリマですとシンガポール他東南アジア19都市で展開される 「 Carousell」があります。

(2)個人の所有するスペースを共有するサービス(空間×シェア)

住宅の空き部屋等を宿泊場所として貸し出す民泊サービスをはじめとしたホームシェアや、駐車場、会議室の共有などで日本国内企業では「STAY JAPAN」「スペースマーケット」「スペイシー」「スマートパーキング」「akippa」「軒先パーキング」海外企業では「Airbnb」「カウサチサーフィン」「自在客(ジザイケ)」「途家(トゥージア)」などがあります。

6月15日に住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行されました。国土交通省の「民泊制度ポータルサイト」が開設されています。

民泊事業者の届け出件数が8日時点で約3,000件になったと発表されましたが「Airbnb」に今春までに掲載された宿泊施設は6万以上で届け出件数の水準は総じて低調とされています。特区でない場所だと新法が適用され年間営業日数の上限が180日に規制されていたり自治体によってはさらに厳しい規制があったりすることから簡易宿所に変更したり民泊経営を諦めたケースも多いようです。

また、「Airbnb」による未届け物件予約の大量キャンセルによる混乱がニュースになったりしています。

ちなみにホテルや簡易宿泊所などの旅館業法の所管は厚生労働省ですが民泊は国土交通省の観光庁になります。

厚生労働省のHPに「民泊サービスと旅館業法に関するQ&A」が掲載されています。

日本でゲストハウスや民泊業をやろうと思ったらこれらの関係法令や通知を読みこなさないといけないので大変です。私はいつかゲストハウスをやりたいと思っているのですが、フィリピンなら大丈夫と甘く見ると大変なことになる可能性があります。

いい加減な面が目立つ一方、やたら法規制に厳しい面もあります。「大丈夫。大丈夫」と言われて大丈夫でないことも多いのがフィリピンビジネスの難しさです。

(3)個人に家事等の仕事・労働を依頼できるサービス(スキル×シェア)

個人が開いている時間などを利用して家事代行、介護、育児、知識、料理などのサービスを提供するもので「エニタイムズ」「ココナラ」また、以前ブログで紹介しましたが、海外在住者が情報やサービスを提供する「トラベロコ」もあります。

「『スキル×シェア』のサービスも近年日本において普及が進んでいる。その中で最も普及している形態が『クラウドソーシング』である。ただし、発注者が主に一般企業であり、あくまでもB to C(Business to Consumer:企業対消費者間取引)のサービスにとどまっていることに留意を要する。」

「その一方で、スキルを提供したい個人とサービスを受けたい個人同士をマッチングさせるサービスが登場している。エニタイムズ社のサービスは、C to C (Consumer to Consumer:個人間取引)にとどまらず、女性や高齢者の労働参画を促す働き方改革や地方創生をはじめとした社会的課題の解決につながるものとして注目を集めている。」

(4)移動に関するシェア(移動×シェア)

自家用車の運転者個人が自家用車を用いて他人を運送するライドシェアやカーシェアが代表です。次の項目で詳しくお話しします。

(5)お金に関するシェア(お金×シェア)

不特定多数の人が通常インターネット経由で他の人々や組織に財源の提供や協力などを行うことを指すクラウドファンディングが代表例です。金銭的リターンのない「寄付型」、金銭リターンが伴う「投資型」、プロジェクトが提供する何らかの権利や物品を購入することで支援を行う「購入型」に分類されます。

私も将来的に何か非営利事業を行う際には利用してみたいなと思っています。

ライドシェアとは?Uber(ウーバー)とは?

「カーシェアリング」というのは日本でもビジネスとして広まってきていますが、事業者の車両を共有する形です。「ライドシェアリング」は配車アプリを通じて個人所有の車両に相乗りさせてもらうものです。

Uber(ウーバー)」は現在は70カ国・地域の450都市以上で展開しており、一般的なタクシーの配車アプリ事業も行っていますが、最も特徴的なのは配車アプリを通して「ライドシェア」を行うことにあります。

配車アプリを提供している企業は沢山あります。

  • Uber(ウーバー)(本社:アメリカ)
  • GrabTaxi(グラブタクシー)(本社:マレーシア)、
  • EASY TAXI(イージータクシー)(本社:ブラジル)、
  • 滴滴出行((Didi:ディディチューシン)(本社:中国)
  • Lyft(リフト)(本社:アメリカ)アメリカ国内のみ

上記の企業のうち、世界のユニコーン企業(評価額が10億ドル以上の未上場のベンチャー企業)にUber)が1 位、滴滴出行:Didi)が4位にランクインされています。

また自動車関連企業では1位のトヨタ、2位のダイムラー、3位のフォルクスワーゲン、4位のBMWについで創業たった5年半の時点で「UBER」が5位で、6位の本田技研工業や7位のGMを追い抜いています。出典:「At $68 Billion Valuation, Uber Will Be Bigger Than GM, Ford, And Honda」 (Forbes)

急成長している配車サービス市場

こうした配車アプリで一般のドライバーが乗客を運ぶこということはタクシー業界と競合することになります。こうした配車アプリが急速に広まった大きな要因はタクシー業界にあります。

日本でも最近は改善されてきているかもしれませんが以前はよくタクシー運転手の接客態度やサービスの悪さが話題に取り上げられました。世界ではマナーやサービスの悪さでは片付けられない利用者にとって深刻な問題が生じています。

  • 「夜間である」「目的地まで遠い」「渋滞している」などの理由で乗車拒否あるいは追加料金を請求する
  • メーターを使わない
  • おつりがないといって支払わない
  • 特に料金や道路に不案内な外国人観光客を狙ったぼったくり
  • 道に不案内な乗客だと思うと遠回りする
  • 料金メーターを改造する
  • 領収書を発行しない

上記のようなタクシー乗車における問題は東南アジア各国では日常的に起こっており、それぞれの国で自分の住んでいる国こそがワーストワンだと思っている人も多いと思います。程度の差こそあれ世界中の多くのタクシー業界に共通している問題ともいえます。

こういったトラブルや不愉快な思いを経験しなくて済むように例えばUberでは「顧客が運転手を評価すると同時に、運転手も顧客を評価する『相互評価』を実施」したり「料金はクレジット決済で運転手と乗客は現金のやり取りをしない明瞭会計」などによりタクシー乗車で起こるトラブルを回避する仕組みをとっています。

一方、供給する側であるドライバーも自家用車さえ持って入れば自分の好きな時間に働けるというメリットがあります。もちろん、職業としているケースもあります。

こうしてUberに代表される配車アプリは利用客の圧倒的な指示を受け世界中で急速に広まっていきました。

しかし、既存のタクシー業界からの反発も根強く、訴訟や運輸当局から営業禁止命令を受けたり、タクシーと同等の規制を課す国、地域もあります。

一時は飛ぶ鳥を落とす勢いで成長していたUberですが不祥事や経営のごたごたがあったり、2016年7月には中国の事業を滴滴出行に売却し、2018年3月東南アジア事業をGrabに売却し、ともに市場から撤退するなど一時期の勢いは衰えているかのようにも見えます。

しかし配車アプリ自体は確実に市場を増やしています。少し前に孫社長の「ソフトバンク」がUberの株式の14%を取得したというニュースが流れましたが、ほかにも中国マーケットの「滴滴」や東南アジアの「GrabTax」、インドの「Ola」など多くの配車アプリ事業者に片っ端から出資しています。

日本におけるライドシェア

日本では「自家用車による運送サービスは白タク行為に当たる」となっています。「白タク」とは「白ナンバーのタクシー」です。道路交通法では営業許可を得たタクシーは緑のナンバープレートをつけることになります。つまり無認可の違法営業ということになります。

最近は中国観光旅行客へ配車アプリを使った白タク行為が問題になっています。しかしドライバーが乗客と友人であると口裏を合わせたり、アプリを使った決済で国内で現金のやり取りがないことなどから摘発が困難でまだ実態もよく分かっていない面があります。

昨年の6月には沖縄で白タク行為を行っていた中国籍の会社員をが入管難民法違反(資格外活動)の疑いで、また自社のドライバーとして働かせたとして、中国籍の会社経営者が入管難民法違反(不法就労助長)の疑いで逮捕されており、不法就労の問題でもあると言えます。

「楽天」などインターネットを利用したコンテンツ産業を行う企業群が参加する経済団体である「新経済連盟」による 「ライドシェア新法の提案」(2018.5.8)では「ライドシェアの新法を整備することにより、白タクの蔓延という 不正常な状態を是正することにもつながる」としています。

2015年10月20日、国家戦略特区諮問会議で、安倍内閣総理大臣晋三は「過疎地などで観光客の交通手段として、自家用自動車の活用を拡大する」と述べ、一般の人が自家用車で有償送迎する「ライドシェア(相乗り)」を可能にする規制緩和を検討するよう指示しました。

また現行法でも地域住民を対象とした過疎地等のライドシェアは可能ですが、2016年5月26日、京都府京丹後市では国家戦略特区の規制緩和を利用し、NPO法人がUberの仕組みを採用して、一般人による観光客も対象にした有償旅客輸送を開始しています。その後兵庫県の養父(やぶ)市なども特区を利用して事業を開始しており広がりをみせています。’

また、現行法ではガソリン代などの実費を徴収するのみのライドシェアは認められており、2015年に設立された「Notteco」は自家用車で長距離移動するドライバーと、それに同乗したい希望者をマッチングし相乗りする無料ウェブサイトです。中長距離ライドシェア(相乗り)マッチングサービスを提供しています。

私も次回の帰国では首都圏と長崎を行き来しなくてはならないのですが機会があったら利用してみようかと思っています。

カーシェアリング、ライドシェアリングとタクシー業界の未来

国土交通省がライドシェアに慎重な姿勢である理由としてはまず「安全面」があげられています。確かに現在のタクシードライバーは二種免許が義務付けられており高いスキルが求められています。

しかしこれはいわゆる「流し」で乗客を探したり乗客の指示で目的地をさがしたり運転への集中という点でスキルがもとめられるためで車を運転すること自体は普通免許で十分なはずです。

他人を載せるということを考慮に入れても認定講習や届出制にすること。事故があったあった場合の補償を保険等でカバーすることを義務付ければほとんどの問題はクリアできるのではないかと思われます。

今後の状況はまだ不確かですが確かですが日本においても民泊のように一定のルールや規制を設けたうえで解禁していくのではないかと思われます。

その先にある自動運転車システム

国土交通省では国土交通省自動運転戦略本部では 自動運転の実現に向けた今後の国土交通省の取り組み  という報告書や「自動運転を巡る動き」といった資料が出されています。

自動運転は以下の段階に分けられます。

レベル1は「自動ブレーキ」や「前の車について走るACC」「車線からはみ出さないLKAS」など単独の機能が付いたもの。レベル2はそれらが組み合わされたもので高速道路の自動運転モードなどで、このレベルまでは現行通りドライバーの全責任で運転するものです。

レベル3になると加速・操舵・制動を全てシステムが行い、システムが要請したときのみドライバーが対応する状態になります。

レベル4は加速・操舵・制動を全てシステムが行い、ドライバーが全く関与しない状態で高速道路や特定地域などの条件下で完全運転するものです。

レベル5はすべての条件で完全自動化され、日本政府は2025年までの実用化を目指しています。

あと10年もたたないうちにクルマ社会は一変するかもしれません。

タクシー業界も将来の無人化を見据えています。ライドシェアはやがてドライバーも要らなくなります。車さえ所有していればライドシェアに参入できます。

タクシーの無人化と同時に訪れるのは物流における運転手の無人化です。トラックが無人化されれば物流コストはかなり安くなるでしょうし宅配も無人化すればさらに通販業が拡大し食材等の日用品もほとんど宅配で済んでしまうかもしれません。

レベル5の時代になるともはや多くの人は個人で自家用車を所有せず必要な時にスマホで呼び出すようになるともいわれています。

世界ではグーグル(2016年に自動運転車開発部門がWaymoウェイモ)として分社化)やApple、アマゾンなど、日本ではソフトバンクなどのIT企業が参入しています。

IoT(Internet of Things)という言葉も注目されています。「モノのインターネット」という意味ですがインターネットは車や家電製品などあらゆるモノを取り込んでいくようです。

映画「ターミネーター」の世界が近づいているようです。

フィリピン セブの配車アプリ事情

日本ではまだライドシェアは原則として違法行為ですがフィリピンでは2015年5⽉に交通通信省が省令を改正(Order 2015-011)し、ライドシェアをTVNS(Transportation Network Vehicle Service)という新たなサービス業態と位置付け、自家用車利用によるライドシェアを認めました。

Uberは同年にTNVSでの営業許可を得て数年で66,000人以上のドライバーを抱えるなど成長を遂げていました。

タクシー業界は税制や規制での不公平などを理由に裁判を起こしたり政治的な圧力をかけたともいわれていますがLTFRBから新規のドライバー募集を行わないようにとの命令が出されました。

2017年ウーバーは8月半ば、その命令に違反し新規ドライバーの募集を続けたとしてフィリピン運輸当局から1カ月の営業停止処分を受け、罰金1億9000万ペソ(約4億円)を支払うことで処分が解除され、2週間後に営業を再開しました。この際に運転手に多額の資金援助を支払っています。

その後2018年2月にLTFRBは正式に総量規制を発表しTNVS車両をメトロマニラで65,000台、メトロセブで1,500台とされましたがこれは事業拡大どころかむしろ縮小になる数でした。

GrabTaxi(グラブタクシー)は3月26日、ウーバーの東南アジア事業を買収すると発表しウーバー・フィリピンもサービスを停止し、グラブの配車サービスと統合されました。

これによりGrabTaxi(グラブタクシー)は現在TNVS登録車の93%を所有するという独占状態となりそれもまた問題となっています。

最近のニュースではTNVSの料金はLTFRBの管理下に置かれることになったようです。

今回のフィリピンの制度改正の背景

料金改定

料金の値上げ改定は2012年以来で私は初めての経験です(その間にガソリン料金の値動きにより暫定的に改定されたことはありました)。

フィリピンは物価上昇前年比が過去10年間、2008年から8.3%、4.2%、3.8%、4.6%、3.2%、3.0%、4.1%、1.4%、1.8%そして2017年が3.2%と推移してきました。セブのオフィス賃料などは平均毎年5パーセントは上がっていると言われたことがあります。ちなみに対ドル為替レートは2008年の44.5ペソから2017年は50.4ペソで比較的安定しています。

本来ならタクシー料金も毎年か、少なくとも隔年で改定すればよいのですが一気にやるので値上げ率が高く感じます。

従来は初乗り料金40ペソで300mごとに3.5ペソで2分ごとに3.5ペソだったのが初乗り料金は40ペソで変わらず1キロごとに13.5ペソで1分ごとに2ペソになりました。LTFRB TAXI FARE RATE

ダッシュボードカメラ

ダッシュボードカメラは前後両方を記録できるものです。事故の確認の為もありますがタクシーに限らずウーバードライバーなどへの強盗などが起こっており殺人も起こっており防犯の意味もあります。セブはマニラに比べると安全ですがそれでも事件のニュースは耳にします。。

GPS

フィリピンでは「GrabTaxi(グラブタクシー)」はライドシェア用の配車とタクシー配車それぞれを別アプリで提供していました。しかしオペレーターが設備を設置しドライバーが個別に登録する必要があり手数料の支払事務も煩雑で利用するドライバーは一部にとどまっていました。

大部分は流しのみであったタクシーも配車アプリを取り入れることでタクシーの利便性を向上させる目的があります。

また、オペレーター(オーナー)にとっては車両の運行状況を把握することができます。

GPSについては基本的には配車アプリシステム事業を行っている「GrabTaxi(グラブタクシー)」か「Micab(マイカブ)」のどちらかのシステムを選ぶようになっており当社は「Micab」を選択しました。

セブの配車アプリ「Micab」

「Micab」は2012年に設立され、フィリピンのセブ市に本社を置くタクシー配車事業者です。

グラブタクシーは収入に応じてドライバーが支払います。数年前に確認した時点ではドライバーが現金で毎日支払うシステムで非常に煩雑で導入を見送った経緯があります。一方「Micab」はオペレーターが使用料として毎月600ペソを支払えばドライバーは登録するだけです。グラブタクシーとは異なり料金はメーター料金のみで加算はありません。

オペレーター用と利用者用で内容は異なりますがと正直なところアプリの使い勝手は今一つで、個人的にはLTFRBがUberと提携してそのシステムを採用すればよかったのにと思っていますがすが、今後改善されることを期待します。

日本は多くの地域が梅雨だと思いますがセブは雨期という感じです。昨日は大雨で我が家の1階は床上浸水でした。ではまた皆さまお元気でお過ごしください。

参考

国土交通省国土交通政策研究所  国土交通政策研究所報第 65 号 2017 年夏季「ライドシェアとは何か

国土交通省 自動車局 平成29年2月 「シェアリングエコノミーとライドシェアについて」一般社団法人 日本自動車会議所HPから

2017年10月 株式会社 三井住友銀行 「自動車シェアリングの動向

デジタル庁 「シェアリングエコノミーの推進

三菱UFJ信託銀行「シェアリングエコノミーとその特性

野村総研「付加価値源泉の構造的変化の可能性とシェアリングエコノミーの拡大」(内閣府第13回税制調査会2017.10.23)

経済産業省 自動走行ビジネス検討会 ‐ 報告書「自動走行の実現に向けた取組方針」Version2.0

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