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「中国国営ニュースによるフィリピン中傷動画」「戦後81年、フィリピン残留日系2世の国籍回復判決」ほか【フィリピン・ビサヤ・セブのニュース 2026.7.19】

皆様、こんにちは。

相変わらずイラン情勢も不安定なままで、先日は米イラン両軍がインフラ施設への攻撃を強めるというニュースもあり、緊迫した空気が漂っています。

原油反発、米イラン戦闘激化を懸念-ブレント週間で4月以来の大幅高」(Yahoo news 2026.07.18)

【経済】燃料費高止まりと再高騰への懸念

この世界情勢の煽りを受けて困るのがガソリン価格の高止まりです。タクシーを経営している私個人としては「本当になんとかしてほしい…」というのが切実な願いです。
ドライバーたちのバウンダリー(車両利用料)は依然として減額したままですし、本来ならこの8月に1台新車へ更新する予定だったのですが、これでは全く見通しが立ちません。本当に困ったものです。

さて、今週のフィリピン・セブ地方も、ニュースが数多く入ってきています。最初に、主なトピックについて、私の個人的な所感も交え、コメントしたいと思います。

【政局】サラ・ドゥテルテ副大統領の弾劾裁判と支持率上昇

緊迫が続くサラ・ドゥテルテ副大統領の弾劾裁判ですが、ここへ来て彼女の支持率が急反発したとのデータが報道されました。2028年5月に予定されている次期大統領選への出馬も含めて、今後の動向が非常に気になるところです。

【外交】シンガポールから帰国したマルコス大統領の第5回国政演説(SONA)への準備

マルコス大統領はシンガポールへの実務訪問を終え帰国しました。来年のASEAN会議の開催地でもある都市国家シンガポールは、かつてセブの前市長も何度も足を運んでまちづくりの参考にしていた国でもあり、今後の二国間連携にも注目です。

そのマルコス大統領ですが、7月27日に控える第5回国民年次教書演説(SONA:State of the Nation Address)を前に、首都圏警察から大規模な警備計画のアナウンスがありました。

当日だけでなく、それまでの期間もマニラ全域で厳重な警戒態勢が敷かれますので、これからマニラへ行かれる方は十分にご注意ください。

中国との緊張関係と中傷動画

中国との緊張が高まるなか、中国国営メディアがフィリピンを猿扱いする差別的AI動画を公開し、フィリピン国内から大きな反発が生じています。中国政府は「政府の行為ではない」とする一方、フィリピンの外交姿勢を批判しています。

現在の状況は、南シナ海の領有権をめぐり、フィリピンが「中国が主張する九段線(南シナ海の広大な範囲を囲む独自の境界線)には国際法上の根拠がない」として2016年7月に国連海洋法条約(UNCLOS)に基づく仲裁裁判所に提訴し、中国による主張を退けた判断から10年が経過した節目の年という背景があります。

この判決では中国に法的根拠がないと結論づけましたが、中国は判決を拒絶し、むしろ実行支配を強化し、現在も海警局の船などで威圧的な行動を続けています。

セブ市議会は「西フィリピン海勝利の日」を制定。その式典に、中国政府からペルソナ・ノン・グラータ(好ましくない人物)に指定されているギルベルト・テオドロ国防相を主賓として招いたため、在セブ中国総領事が猛烈に反発する事態となりました。
この式典を巡っては、式典を欠席したアルキバル市長に対し、主導したオスメニャ副市長が「安全策をとって逃げた(日和見主義だ)」と公の場で痛烈に批判しています。

市長と副市長の立場の日本との違い

前項で触れたセブ市の状況についてですが、日本では副市長は市長が任命するため、トップ同士の対立は滅多に起こりません。
セブの二人も同じ地元政党(BOPK)に所属しているため本来は対立しないはずなのですが、山岳地帯の巨大開発計画(モンテラザス・デ・セブ)の洪水被害をめぐり、開発停止を求める副市長と市長が真っ向から衝突するなど、もともと関係は微妙でした。

フィリピンでは市長と副市長がそれぞれ別の選挙で選ばれ、副市長が市議会議長を兼ねるシステムのため、このように別々の政党やスタンスの二人が誕生します。ドゥテルテ前大統領の時代に、思いっきり対立していたレニ・ロブレド前副大統領の姿を思い出す方も多いのではないでしょうか。

このシステムには「首長の権力監視や牽制」という意味があるそうです。議会だけでなく副市長も一緒になって首長を監視しなければならないほど、フィリピンの政治構造は一筋縄ではいかないということなのかもしれません。

米国の「ICC解体」制裁キャンペーンと日本とフィリピン

まだ、今後どうなるか分かりませんが、米国政府が、国際刑事裁判所(ICC)によるイスラエル首相らへの逮捕状請求に反発し、ICCの機能を実質的に無力化・解体するための多国間キャンペーンや外交的制裁措置を開始しました。

アメリカ自体はICCに加盟していません。しかし、例えば逮捕状の出ているロシアのプーチン大統領やイスラエルのネタニヤフ首相は、両国とも非加盟ですが、ウクライナとパレスチナ自治区が加盟しており、当事者という理由で逮捕状がでています。

フィリピンは2019年に脱退しましたが、周知の通り、マルコス政権下でドゥテルテ前大統領がICCに逮捕され、現在も拘束され、裁判にかけられています。現政権は(過去の義務として)これを容認しつつも、ICCへの再加盟自体は否定しています。

日本は、もともとこのICCの設立にあたり、強い影響がありました。もちろん現在、加盟しており、世界第一位の拠出金額を負担しています(約45.6億円(2025年予算ベース))。

日本もフィリピンも、今後アメリカから同調を強く求められる可能性はあります。この問題については別途、記事にできたらと思っています。

学校での駆虫くちゅう後に児童が死亡

昭和一桁生まれの母からは、回虫駆除の虫下しを飲んだという話を聞いたことがあります。私の世代(昭和42年生)だと、小学校の時に、ぎょう虫検査をした覚えがある方もいらっしゃるかもしれません。日本では2016年を最後に検査自体が廃止されたそうです。

フィリピンでは、ぎょう虫ではなく、主に回虫かいちゅう鞭虫べんちゅう鉤虫こうちゅうといった「土壌伝染性蠕虫ぜんちゅう(STH)」と呼ばれる寄生虫をいっぺんに駆除するために薬が飲まれます。カビテ州の公立学校で、集団駆虫プログラムの薬を服用した小4児童が敗血症性ショックで死亡するという悲劇が起きました。

プログラムで使用されている「アルベンダゾール」という薬自体は、WHOが認めた非常に安全性の高い標準薬とのことで、死亡した児童に基礎疾患があったのかなど調査されています。

フィリピンでは、2016年頃に起きたデング熱予防ワクチン(デングバクシア)で数百人規模の児童が死亡した大事件が記憶に新しいところです。一刻も早い原因究明が急がれます。

なお、一般観光客は心配する必要ないとされています。寄生虫の主な感染原因は、家畜の糞尿などが混ざりやすい一部の農村地帯や未舗装の土壌に日常的に裸足で触れたり、泥のついた手で食べたり、未洗いの地元野菜を口にするといった行為です。地方に旅行した場合などは、そういった行動をとらないように注意しましょう。

アメリカ人海洋学者殺害事件

ネグロス・オリエンタル州で起きた米国人海洋生物学者殺害事件では容疑者3人がスピード逮捕されましたが、動機は金品目的の強盗であり、しかも現場は自宅でした。

よく路上強盗対策として「犯人に渡す用の現金をあらかじめ用意しておく」「絶対に抵抗しない」と言われますが、自宅の防犯でも、万が一の時に命と引き換えに差し出すための現金を用意しておくべきなのかもしれません。

タクロバン高校内銃撃事件の影響

レイテ島のタクロバンでの高校内の事件を受けて、未成年者と同居する銃所有者への厳罰化法案が下院で可決されましたが、アメリカでは子供が親の銃を使ってしまう事件のニュースが流れます。

銃社会のフィリピンでも、子どもが親の銃を誤って使うことは十分考えられ、今回の事件が起きるまで、このような法律や規則が無かったのか?という点には驚かされます。

外国人の不法就労

これまでも、なんども取り上げていますが、外国人の不法就労の事件も後を絶ちません。

マニラ首都圏でイタリア人やトルコ人ら3名が逮捕されました。これらの事件とは別ですが、例えば、フィリピンで働く場合、もし雇用主側がビザの手続きを怠っていたとしても、最終的に不法就労者として処罰されるのは自分自身ですので、自己責任でしっかり確認することが大切です。

フィリピンの報道の自由

報道の自由を巡っては、SunStarの元編集長が宗教団体からの告訴による「不快感(アンジャスト・ベクセーション)」容疑の逮捕状で出頭・保釈されるという、メディアへの威嚇いかくが懸念される動きがありました。

この事件の詳細は分かりませんが、日本だと、メディアにより大騒ぎになるでしょう。日本の表現の自由とどのような違いがあるのか、気になるトピックなので今度深く調べてみたいと思います。

太陽光発電

太陽光発電に関する巨大インフラ記事が、フィリピン全土とセブ島最北端(ダアンバンタヤン)の双方で話題となりました。ただ、個人的には日本での土砂崩れや環境破壊といった様々なトラブルをニュースで耳にするので、この急速なメガソーラー計画には不安が大きいのも事実ですが、実際のところどうなのでしょうか。

フィリピンの役所の手続きの煩雑はんざつさと不正や汚職

Grabなどの配車アプリ(TNVS)の手続きが緩和・簡素化されるというニュースもありました。

配車アプリが便利になるのは良いですが、我々既存のタクシーの手続きは煩雑なままなので、「全体的に簡素化が進むのなら歓迎だけど、配車アプリ優遇の裏には何かあるのでは?」とつい邪推じゃすいしてしまいます。

また、運転免許や車両登録を管轄するLTO(陸上運輸局)は昔から評判がよろしくない組織なのですが、今回、セブを含む管轄区で、ナンバープレート配給や路上の取り締まりで不当請求・収賄に関与した職員40名が一斉免職処分になるというニュースがありました。

こうした大規模な内部浄化のニュースが表に出るということ自体は、フィリピンの行政が徐々に良い方向へ変わってきている兆候なのかもしれません。

フィリピンへの海外からの送金

海外送金額が前年比2%増と堅調なニュースもありますが、現在の激しいインフレ率を差し引いて考えると実質的には減少と言えるかもしれません。

セブパシフィックがスターリンク導入

そんな中、セブパシフィック航空が2027年から、イーロン・マスクのスペースX社が提供する衛星インターネットサービス「スターリンク」による機内無料Wi-Fiを全機に導入するというニュースは、明るい話題です。

LCC(格安航空会社)のセブパシは、以前は遅延も多く「安かろう、悪かろう」の代名詞でしたが、最近は頑張っていると感じます。

給付金

マルコス大統領が緊急発表した総額900億ペソの巨大給付金「UPLIFT」(750万世帯へ一律1万2,000ペソ支給)というニュース。コロナ禍の時のように地方自治体の中抜きやピンハネで一般市民の手元に届かない(届いてもほんの少し)、なんて事態にならないよう切に願うばかりです。

ミンダナオ島沖地震の余震

ミンダナオ島南部でM6.2の強い地震が発生し、依然として激しい余震が続いています。先月の大震災からの復興の歩みも続くなか、現地の地盤の緩みなどが非常に心配です。

カワサン滝のコブラ

セブ南部でオスロブやモアルボアルと並ぶ超人気スポット「カワサン滝」のキャニオニングエリアでコブラが目撃され騒然となりました。バディアン町が安全性に問題はないと公式声明を出しつつも、観光客へ冷静な対応と警戒を呼びかけていますので、これから行かれる方は指定ルートを外れないようご注意ください。

在セブ日本領事館からの注意喚起

在セブ日本国総領事館の関係者を名乗るフリーメールから、LINEなどの個人情報を抜き取ろうとする悪質な「なりすまし詐欺メール」が横行しており、公式に注意喚起が出ています。皆様も不審なメールのURLは絶対に開かないよう警戒してください。

残留日系2世の日本国籍回復

今回、最も深く考えさせられたのが「日本国籍回復(就籍)」をめぐる残留日系2世のお二人のニュースです。

95歳の河内さんは「最後の願い」が届かず法律上の父親の壁に阻まれて却下(即時抗告)された一方、85歳の太田ミヨ子さんはテレビ報道をきっかけに熊本県で古い学籍簿が見つかり、81年ぶりに国籍回復が正式認可されました。

戦後しばらくの間、フィリピンはアジアで一番激しい反日国家でした。命を守るために日本人であることを隠し、あらゆる証拠を自ら廃棄せざるを得なかったケースもあったといった歴史的背景もこの問題の根底にあります。

本来であれば、日本人として日本で暮らしていけたかもしれず、ただただ、運命に翻弄された多くの人たちがいた事は確かです。このような戦争の悲劇が二度と繰り返されないことを願います。

日本人の生活苦

フィリピンとは直接関係ありませんが、日本国内のニュースで、厚労省の国民生活基礎調査により過半数(54.4%)の世帯が「生活が苦しい」と実感し、ひとり親世帯にいたっては8割超(82.1%)が直面しているという衝撃的なデータが出ました。

やはり、日本はどんどん貧しくなっているのでしょうか。ここで言う「生活苦」とは、旅行に行けないといったようなたぐいのものではなく、衣食住という命にも関わるレベルの危機感だと思いますが、昨今の米や食料品、エネルギー価格の高騰が家計を直撃している影響が大きいように思えます。特に食べ盛りの子供を抱えている家庭の苦労は大変なものでしょう。

フィリピンの行く末だけでなく、日本のことも色々と心配になってしまう今日このごろです。

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