はじめに
長年勤めた公務員を46歳で早期退職し、2014年に初めてフィリピン セブの地に足を踏み入れてから、早いもので、今年で丸9年になろうとしています。
そこで、これまでの投稿の一部を再編集してまとめました。今回は中編です。
今回のブログは2019年1月27日の投稿(※1)と2019年2月21日の投稿(※2)の本文を整理したものです。
(※1)旧タイトル「初めての海外(セブ)生活【セブでの5年間を振り返る3】」:現タイトル「『19歳の少女がシヌログのパーティーで死亡』『インフルエンザでも出勤が当たり前?日本の労働環境』『土地を見に行ってきました」
(※2)旧タイトル「海外(セブ)移住を決意する【セブでの5年間を振り返る4】」:現タイトル「ジュースをこぼされ故障したパソコンを修理」
セブで暮らしたいと思うまで
今回は治安と衛生・生活面を中心にお話したいと思います。
公衆衛生・環境・保健・医療
弱々しい野良犬(だけど注意)
私がまだ小学生の頃、昭和50年代初頭位までは、まだ私の住んでいた地域では野良犬を見かけました。
しかし、行政が積極的に保護(捕獲?)したようで、(都市部や住宅街では)野犬を見かけることは、ほとんど無くなりました。
日本国内では、昭和31年(1956年)を最後に発生がなく、狂犬病の心配はほとんどありません(※1)。
しかし、フィリピンでは、まだまだ狂犬病の恐れがあり、毎年200人から300人が狂犬病によって死亡していると報告されているとのこと(※2)。
街中の犬は、なぜか皆弱弱しく、とても噛み付いてくるようには見えないのですが、もし噛まれたらすぐにワクチン接種の治療が必要です。
2006年に日本人がフィリピンで犬に噛まれ、帰国後に死亡した事例があります。
近所の子供がネズミから感染して死亡したという話も聞いたことがありますし、猫などから感染する可能性もあるようですので、野生の動物には近づかないといった注意が必要です。
※1)「狂犬病に関するQ&Aについて」(厚生労働省)
※2)「Philippines ‘failing to control’ rabies(フィリピン、狂犬病「制御に失敗)」(Eco-Business 2022/08/17)」
ゴミ捨てなど公共マナー
とにかく街中に、ゴミが多く捨てられているのが目につきます。
セブにきて2年目くらいに、車に同乗していたフィリピン人の知人が、ファストフードのドライブスルーで食べたゴミを「窓から道端に捨て」て、少々驚いたことがあります。
でも、その後は身の周りではそういったことはないので、こういったマナーも少しづつ改善されてきているのかもしれません。
タクシー事業でも、ビジネス許可をとるにあたって、駐車場とオフィスに「分別のごみ箱」があるかを確認されました。
民家のゴミ出しも、以前は収集場所に山積みだったのが曜日が決められるなど徐々にルールも厳しくなってきています。
しかし、最近のニュースでもゴミの分別が進んでいないことが問題になっています。
(※)「Seares: Cebu City garbage still not being segregated. While private firms, some households segregate, trash collectors don’t. Haul goes directly to landfill: no transfer station, no MRF. With Mayor Rama’s June 12 cleanup ‘ultimatum,’ major concern is removal of ugly sight on streets.(シアレス氏: セブ市のゴミはまだ分別されていません。民間企業や一部の家庭では分別を行っているが、ゴミ収集業者は分別をしていない。輸送は埋め立て地に直接送られます。中継ステーションやMRFはありません。ラマ市長が6月12日の清掃活動に「最後通牒」を突きつけたことで、大きな懸念は街路の醜い光景を取り除くことだ。)」(SunStar Cebu 2023/06/08)
あとは、日本のようにあちこちに公共トイレ(公園)がないこともあり、「男性はそこらへんで済ませる」という姿も見かけます。
それに、たんつばを吐く光景もよく目にします。
以前は、レストランの椅子やテーブルの上を子供が土足で立っていたり、歩いているなんで光景も目にしましたが、最近は少なくなってきたような気もします。
このような公共マナーは、日本はかなりしっかりしていると思われますが、フィリピンも少しずつ変わっていっていると感じます。
衛生と病気
セブに来て2年目でしたが、知人の近所の子が、デング熱(Dengue Fever)で亡くなったということがありました。
デング熱は蚊によってデング熱ウィルスが媒介され感染するものです。
「デング熱を起こすウイルスは、4種類の異なる血清型があり、それぞれの型が密接に関係しています。ひとつの血清型のウイルスに感染して回復すると、その血清型への免疫力が生涯にわたり続きます。しかし、回復後、他の血清型への交差免疫は部分的かつ一時的となります。他の血清型ウイルスに続けて感染すると、重症型のデング熱になるリスクが増加します。」(「デング熱と重症型のデング熱について (ファクトシート)」:厚生労働省)
2回かかると重症化すると言う話は、何度も聞きました。
フィリピンでは、政府は2016~17年に、政府がデング熱ワクチンの接種キャンペーンを実施したところ、接種を受けた70万人以上のうち子ども数十人が死亡したことを受けて、当該ワクチンの販売、輸入、頒布を禁止した事がありました。(※1)
フィリピンでは、コロナ禍において、なかなかワクチン接種が進まず、「ワクチン未接種者はモールに入れない」、「接客業などは実質的に就業できない」といった、かなり強引な政策を取りました。
国民がワクチン接種に消極的だった理由として、当初のワクチンが中国製ということもありますが、このデング熱ワクチン問題でワクチンに対する拒否反応が強かったともいわれていたようです。
さて、地球上で、圧倒的に多くの人間の命を奪っている生き物は「蚊」なのだそうです。
世界保健機構(WHO)の統計によれば、蚊は年間72万5千人の命を奪っており、2位の人間の47万5千人や蛇の5万人を大幅に引き離して1位となっているとのこと。(※2)
私は、英語学校で知り合った海外旅行慣れしている方から教えてもらった、ワンプッシュの防虫スプレーを必ず一時帰国の際に買っています。
スプレー缶の殺虫剤はスーパーで売っているのですが、こういうワンプッシュ型のものは見つかりません。効き目は抜群で、多分ゴキブリにもある程度効いているような気がします。
フィリピンでも蚊取り線香が売られていて、一度買ったことがあるのですが、スモークが凄くてカミさんが「無理」と言うくらいで、部屋で焚くのは難しいです。
あとは、コンセントに差し込むタイプのものもあって、こちらも持っていますが、効き目は「おすだけベープスプレー」と比べると弱い気がします。
※1)「比、デング熱の全国的流行宣言 600人死亡もワクチン禁止は堅持」(ADP BB 2019/08/07)
※2)「『最も多く人間の命を奪う生き物』との戦い」(Spectee 2021/08/04)
入院治療費と保険
英語学校は海外旅行保険が必須だったため、セブで病気や怪我をした場合の医療費についての心配はありませんでした。
実際、留学中に、一回、歩道でつまずいて転んで手首をひねり、セブドクターズホスピタルのジャパニーズヘルプで診察を受け、レントゲンを撮ってもらいました。
このときは、自己負担ゼロですが、自己負担で入院や手術となると、結構な額が必要となります。
セブでの1年目に、フィリピン人の友人のお母さんが、盲腸で入院したときの医療費は、プライベートホスピタルで10万ペソ以上とのことでした、
また、別のフィリピン人の叔父さんが、交通事故で重症を負い、セブでは最も設備の整ったプライベート病院のひとつであるチョンヷ病院に入院して治療を受けたのですが、転院するまでの数週間の医療費は100万ペソ以上だったとのこと。日系の会社に長年勤めていて、会社の保険がでたとのことでした。
1年目は、英語学校のために住民票を抜いたのですが、それ以降は、高齢の父が健在だったため、頻繁に行き来していたこともあり、住民票を日本に残しており、国民健康保険(国保)にも加入しています。
国保には「海外療養費」という制度があって、海外の医療機関で10割負担した後に、保険診療の範囲内で、自己負担分を除いた額が、療養費として支給される制度があります。
保険診療に換算できる診療報酬明細書を医療機関に作成してもらわなければならないなど、手数料もかかるので、医療費が少額だと割が合いませんが、万が一大きな怪我や病気をした場合などには利用できるでしょう。
(書類は慣れていないと難しいので、ジャパニーズヘルプのある病院に頼むとスムーズに申請できると思われます。)
なお、日本に住所がないと国保だけ加入するということはできません(年金は任意加入制度があります)。
海外在住者の住所の問題については別途投稿したいと思います。
※海外療養費(大阪市の案内)
- 海外渡航中の急病やケガにより、やむを得ず日本国外の医療機関等で治療を受けた場合、日本国内で治療を受けた場合を基準に計算した額(実際に海外で支払った額の方が低い時はその額)から一部負担金を差し引いた金額を支給される。(日本国内で保険適用されていない治療については対象にならない)
- 治療を目的として日本国外へ出向き治療を受けた場合は対象にならない。
トイレ事情
これはフィリピンに限らず東南アジア全般に言えるようですが、日本と比べるとトイレ事情はだいぶ異なります。
男性だと小に関してはあまり問題はないのですが、大の場合は、まず、お店や公衆トイレは汚いところが多く、また、便座の蓋もない便器が多いというのもあり、外出時はトイレに行かなくて済むように気を付けています。
マニラのフィリピン人宅に泊まった時はトイレにトイレットペーパーがなく、その時はトイレットペーパーを使わない習慣があるということを知らなかったので、不思議に思ったものでした。
(ただ、スーパーなどに行くと日本で売ってるようなトイレットペーパーもたくさん販売されています。)
日本人にとっては結構厳しい環境で、将来、観光業や飲食業を行う場合は、トイレ事情への十分な配慮がポイントかなと思っています。
あとは水量や配管の太さからトイレットペーパーを流してはいけないトイレもあるようです。私のこれまでの経験では、ローカルの家でも市販のトイレットペーパーであれば、詰まるということはありませんでした。
「フィリピンのトイレではトイレットペーパーは使えない」といったことが言われることもありますが、恐らく、昔は実際に細い排水パイプが多かったか、トイレットペーパーの質が悪いか、あるいは水に溶けないペーパーを使うことで詰まるケースが多く、一般的にそのように言われる様になったのではないかと思われます。
なお、アパートやコンドミニアムでも、水量の少ないケースがあるのはたしかです。
賃貸にしろ購入にしろ水量はチェックしたほうがよいようです。
ゴキブリ事情
これも衛生面ですが、学校の寮では私の部屋ではゴキブリ(以下Gとします)は出なかったのですがほかの部屋では出るという話を聞きました。
どうやら部屋で菓子類を食べるのも原因になっているようです。
フィリピンのGもいくつかの種類があるようですが大抵はものすごく動きが鈍く、うちの家族はまったく動ぜず、手づかみもできますし、簡単にサンダルで踏んづけてやっつけたりします。
以前学校の廊下のベンチに座っていたらGがいて、気づかずに歩いてきた人に踏まれていたのを見たことがあります。トロすぎです。
あとは、フィリピンのGは動きが鈍い反面、よく飛ぶことと噛む(寝ている間)ことも特徴的です。
中古の賃貸のコンドミニアムで、Gが大量にでて悩まされているという人がいましたが、こればっかりは住んでみないと、なかなかチェックは難しいかなと思います。
以前、手作りのホウ酸団子を作ってみました。効果があったかどうかは、今ひとつはっきりは分からないのですが、ある程度は効いたかもしれません。
なお、我が家では3年前位に猫を飼い始めたのですが、ときどき、いたぶって遊んでいるので、駆除の効果もあるのではないかと思われます。
水の大切さ
フィリピンでは蛇口から出る水は飲めません。
安全に水道水が飲める国は日本を含め世界で16か国位だそうです。飲める水がトイレやシャワーにも使われているというのは、もの凄く贅沢な話です。
飲料水以外は水道水を使います。私の経験では市街地の水道水でも異臭などは感じず、シャワーなどは特に問題なく使えます。
ただ、硬水なので、軟水用の日本のシャンプーを持ってきて使うと、がさがさになるようです。
なお、これは、個人差があるのですが、胃腸が繊細な方は、街中のカレンデリアやレストランで無料で提供される水などは注意した方がよいと思います。
また、そういう方は、ホテルなどでも、日本の感覚で蛇口から出る水でうがいや歯磨きをするのも避けた方が賢明かもしれません。
私は、昭和42年生まれで、まだ衛生観念も今のようでなかった時代で育ち、キャンプなども好きなので大丈夫ですが、実際に、おなかを壊す人もいます。
セブでは街中あちらこちらに水を販売している店(ウォーターステーション)があります。最初に5ガロン(約19リッター)の容器を買えばあとは、1回30ペソ位で詰め替えて使えるので、コンビニなどでペットボトルを買うよりかは遥かにお得です。
治安・犯罪
強固な民家の門と壁
普通の家の「壁」はものすごく強固です。
壁の上にガラスが突き刺さったりしている場合もあります。
さらには、中の建物が全然見えないような高い壁に囲まれている家も多く見られます。
銃を持ったガードマンと装甲車のような車
銀行などだけでなく、ファストフードやちょっとしたドラッグストアにも銃を持った警備員がいます。
その銃は、見た目に結構ちゃっちい作りのように思えて、最初はゴム弾のようなモノなのかと思っていたら、フィリピン人の知人に、あれは「本物の銃」だと言われました。
暴発とかしないか、心配ですが、最近は警察官の銃に関してこんな事件がありました。
セブ州アストゥリアス市のセブ島北部の警察官が自宅で、ガールフレンドが抱きしめた際、誤って拳銃に触れ、誤射で腹部に銃弾が当たり、死亡したとのこと。
「Central Visayas cops reminded of safe gun handling after officer dies in accidental shooting(中央ビサヤの警官が誤射で死亡、銃の安全な取り扱いを注意喚起)」(Manila Bulletin 2023/05/24)
あとは、銀行や店の売り上げなどを集荷する「装甲車のような車」が走っています。
これも日本では見られない光景です。
銃犯罪に関するニュースは、セブでもあげたらきりがありません。
イミグレーションがあったJセンターモール内で白昼堂々、集団で銃を持った強盗団が宝石店だったかを襲ったという事件もありましたし、つい最近も、ダウンタウン地区や、ロビンソンからアヤラに向かう途中のエリアで、ギャング同士の闘いに巻き込まれて一般人が銃で死亡したというニュースもありました。
セブでの1年目に、フィリピン人の友人の家に遊びに行ったのですが、隣の家から銃の流れ弾が飛んできたことがあるとのこと。
とはいっても、銃社会という点においては、アメリカのほうがよほど危険という話も聞いたことがあります。
確かに、スリのような軽犯罪は別として、深夜帯にでかけたり、夜間に人の少ない場所を歩くなどせず、また、「見知らぬに声をかけられても着いていかない」というように行動に気をつけている限りは、私自身危険な思いをしたことはありません。
ただ、安全に関しては日本が例外ということを認識して注意することが、何よりも大事かと思います。
盗難
これはセブでの二年目に入ったころのこと。
それまで、一度もスリや危ない目にもあったことがなく、「セブって意外と安全な街だなあ」と思い始めた矢先にやられました。
この時、日本から戻ってきた直後で、日本円で持ってきて預金しようと思っていた現金数十万円を盗まれたのです。
もっとも全く無防備だったわけではなく、ほんとに一瞬の油断で、スマホでテキストを打っていて鞄を脇に置いていたところをバッグの中から盗まれました。
翌日に、現金だけ抜かれてパスポートやキャッシュカード、クレジットカードは、その後離れた場所に捨てられており、拾った人が通帳の銀行に届けてくれたため、銀行から連絡が来ました
これ以降は、セブへの帰国直後でも気を緩めず、現金は最小限にし、基本的に貴重品は持ち歩かず、カフェやファストフードなどで一人のときは、座る位置を考え、バッグは基本的にに手から離して机や椅子に置かないようにしています。
また、声をかけられたりする場合は、背後から仲間が盗もうとする可能性もあり、やむを得ず、立ち止まって話をするときは、壁を背にすることも大事です。
実際に、私のフィリピン人の友人は、グループによる連携プレイで盗まれたことがあるそうです。
明らかに私の油断です。
言い換えれば、それまでは、危険と感じるような思いは殆どなかったということです。それでも、決して油断しないことが大事です。
スキミングに注意
私のフィリピン人の友人が被害にあったのですが、いつの間にか銀行のキャッシュカードがスキミングにあっていて現金がほとんど引き出されていたとのこと。
以前のニュースでは、ATMで、トラブルが起きていると(お金が出ないなどということが度々あります)、親切で手伝ってあげている隙にスキミングする手口が横行しているという、注意喚起のニュースがありました。
クリスマスシーズンは特に注意
ATMのニュースはクリスマスの時期でした。
フィリピンは12月は2ヶ月分の給料が法律で義務付けられているので、悪い連中にとっても稼ぎどきです。
以前の投稿でもお話ししましたが、この時期は偽札も多く出回り、私も(実際のところはドライバー)500ペソを掴まされたことがあります。
治安全般
以前も紹介しましたが、フィリピンを訪れる際は、「在フィリピン日本領事館」が作成している「フィリピンにおける安全対策(安全の手引き)」を一読されることを強くおすすめします。
「フィリピン安全対策基礎データ」(外務省海外安全ホームページ)
「フィリピンにおける安全対策(安全の手引き)」(在フィリピン日本国大使館 2022年4月)
インフラ
交通事情については前回お話したので、今回はそれ以外の、電気、水道、ガス、通信についてです。
電気
英語学校では、自家発電のお陰で、あまり不便は感じませんでしたが、一人暮らしを始めると、停電の多さに驚きました。
大抵は数時間で復旧するのですが、夜間は、懐中電灯など持っていないので、スマホのフラッシュライトを使うしか無いのですが、今度はバッテリーあがりが心配になります。
現在のフィリピンの電力事情は、他の多くの国と同様に、石炭・石油・天然ガスといった化石燃料を利用した火力発電が電源構成の主流で、2021年時点で火力発電の設備容量が全設備容量の70%強に及ぶとのこと(※)。
それでも、今のマボロでは、停電は数ヶ月に1回位で、だいぶ改善されてきました。
しかし、これは都市部ということで、地方の電力事情はかなり厳しいようです。
また、電気代も高く感じます。日本との単価の比較は分からないのですが、原油や石炭などの化石燃料を輸入に頼っているフィリピンの電気料金が高いのは当然ともいえます。
一年中夏ですから、年中エアコンをガンガン回していると、日本よりかなり高い電気代になってしまいます。
※)「再生可能エネルギー分野における外資規制の緩和(フィリピン)」(長島・大野・常松法律事務所 2023/01/19)
水道
水は衛生面でも触れましたが、インフラとして考えると、値上げは気になりますね。
水道に関しては、これまであまり気になっていなかったのですが、60%値上げとなると、ただでさえインフレが家計を直撃している中、かなり厳しいです。
「セブ都市圏水道区 (MCWD) は、水道料金の 60% 引き上げ案について地方水道事業局 (LWUA) の承認を待っています。2023年6月1日(木)の記者会見で、MCWDのゼネラルマネジャー(弁護士)は、LWUAの認可が下りるまで、MCWDの理事会と経営陣は水道事業の増大する経費をどのように維持するかについてまだ話し合う必要があると述べた。水道料金の値上げと今年の追加の脱塩水の供給を提案した。(※1)」
「セブ市はメトロセブ水道地区(MCWD)に関する問題を解決するために、地方水道事業局(LWUA)の介入を求めていると法務官が金曜日に発表した。セブ市法務事務所所長は、政府企業評議会事務局(PGCC)が民間企業とMCWDとの間の複数の一括水道契約について、買収手続きに問題があるとして警告を発したと述べた。(※2)」
「セブ都市圏水道区 (MCWD) の現在の水道料金は変更されません。地方水道局(LWUA)が水道料金を60%引き上げるというMCWDの提案にまだ応じていないからだ。
MCWD は当初、2023 年 7 月 1 日に引き上げを実施する予定でした。しかし、LWUA の承認が得られるまで、政府所有・管理法人 (GOCC) は料金変更を進めることができません。(※3)」
※1)「MCWD awaits LWUA approval for water tariff increase(MCWDは水道料金値上げについてLWUAの承認を待っている」(CDN 2023/06/01)
※2)「LWUA intervention sought over ‘questionable’ water deals(「疑わしい」水取引をめぐってLWUAの介入を求める)」(Philippine News Agency 2023/06/23)
※3)「MCWD’s water rate unchanged(MCWDの水道料金は変更なし)」(Sunstar 2023/07/10)
通信・インターネット
初めてフィリピンに来た2014年頃は、フィリピンはアジアはもちろん、世界最低レベルのインターネット環境といわれていました。
英語学校内のワイファイもとても使い物にならず、ポケットワイファイを買ったものの、データ容量制限無しで確か1,990ペソ位だったのですが、不安定で、調子のいいときは動画も何とか見られるのですが、全然だめなときもあって、とにかくストレス。
固定回線は、ランドライン:(Landlines)といって、評判も悪くて、しばらくは、ネットはカフェを利用するのみでした。
そんな環境なので、フィリピンの多くのカフェは、多分、グレードの高いインターネット回線を引いていて、お客もネット環境のいいカフェを探してさまよっている感じ。
2017年にマボロのスクワッターエリアに引っ越して、globeのランドラインを引いたのですが、これが、メンテナンスが酷く、故障してもなかなか来なかったり、来ても直らなかったり、直ってもまたすぐ壊れたりで、3ヶ月位不通になったこともありました。
コロナ禍の最中の2021年に新規参入してきたConvergeに乗り換え、今に至っています。
普通に動画が見られることに感動しました。
ただ、当初は快適だったのですが、やはり、年数が経つと設備もだんだんと問題が生じてくるのか、時々故障するようになってきました。
フィリピンは、PLDT、Globeという2大通信会社が長く寡占状態だったのですが、ここに来てConvergeの他にSKY、RISE(企業向け?)といった通信会社も新規参入しているようです。
ネット環境は悩みの種です。理想的には複数の通信会社や、モバイル、ホームプリペイドWi-Fi(有線ではないが、家庭内でワイファイ共有できる)などでバックアップ体制を整えるのがいいのですが・・・。
(参考サイト)
「比のネット速度、世界103位=米調査(2014年)」(NNA ASIA 2014/10/03)
「インターネット環境向上のための、フィリピンの取組み―未だ途上か。」(Web活用経営株式会社)
おわりに
今回は少しネガティブな内容でしたが、次回の後編は、私がセブに住みたいと思った理由に繋がるお話をしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。