「フィリピン タクシービジネス 始めたものの悪戦苦闘〔新車で大事故・ビジネスパートナー失踪〕」(セブ暮らし9)

はじめに(この投稿について)

長年勤めた公務員を46歳で早期退職し、2014年に初めてフィリピン セブの地に足を踏み入れてから、早いもので、今年で丸9年になろうとしています。

そこで、今まで投稿した「9年間の振り返り」を、整理したうえ、再投稿いたします。

今回のブログは2017年12月5日の投稿(※1)と2017年12月7日(※2)、2020年2月14日の投稿(※3)の該当部分をまとめたものです。

(※1)現タイトル「『FREETEL』のプラスワン・マーケティングが民事再生申し立て」:旧タイトル「セブで始めたタクシービジネスについて」
(※2)現タイトル「セブでビジネスやるなら不動産関係?」:旧タイトル「セブで始めたタクシービジネスについてーその2」
(※3)現タイトル「フィリピン(スモール)ビジネスで思うこと」:旧タイトル「タクシービジネスを始めてみたら【セブの5年間を振り返る6(最終回)】」

1年目(2015年)

役所手続き

いざ!!

ダメと感じたら即撤退』と、あまり気負いすぎないようにしながらも、いよいよ本格的にビジネスのスタートです。

日本でも、事業を始めるにあたっては、いろいろと手続きが必要ですが、フィリピンの場合、「細かいルール」も多いうえに「頻繁なルール変更」が行われ、「手続きが煩雑」な一方、「役所事務が遅い」「ミスが多い」、「周知不足や案内不足」で2度手間、3度手間を強いられるなど、とてもストレスを感じました。

毎年行われるビジネスパーミットアニュアルレポート(Annual Report:年次更新)では、ドライバー数人を抽出したレントゲン写真の提出が求められます。

定期検診が義務付けられていて、その実施確認というなら理解できるのですが、このために検査を求められても、問題ないレントゲンだけ提出するに決まっています。形だけという感じ。

このように、意味不明と思えるようなものや、同じような手続きを何度も行うといったことも気になります。

また、ビジネスではありませんが、例えば結婚の場合、日本だったら婚姻届を提出するだけで、1日あれば済むのに対し、私の場合は3~4か月ほどかかりました。

もっとも、全般的にみれば、10年ほど前と比べると、目に見えて改善されてきていることは確かです。

フランチャイズ売買(Deed of sale)

当時、セブでは新規のフランチャイズ(1台ごとの営業権)は発行されておらず、既存のオーナーから買い取って、名義変更を行うことになります。

この売買にあたっては、まず、売り主のオーナーと「Deed of sale(売買証書)」という権利証書を取り交わします。

(車の売買だけでなく、不動産売買でもよく使われます。日本で言うところの「土地の権利書」と似ていますがやや異なります)

OR/CR

そして、重要なのはこのときに「OR/CR」を受け取ることです。

これは、日本で言えば車検証のように重要な書類で、プライベートの新車や中古車を取得したときにも大事にとっておくべきものです。

「OR」は「Official Receipt」で「CR」は「Certificate of Registration」で、いずれも「LTO(フィリピン陸運局:Land Transportation Office)」が発行したものです。

DTI登録

タクシー事業を行うにあたっては個人事業主として行うか、会社として行うかを選択します。

個人事業主で行うにはDTI(貿易産業省:Department of Trade and Investment)に、会社だとSEC(証券取引委員会:Securities and Exchange Commission)に登録します。

一般的には、相当大きな規模でなければ、個人事業主の方が、税などでメリットがあるのではないかと思います。

以前訪れたことのある、100台以上を所有しているタクシーのオーナーさんは、個人事業主でした。

私の場合、この時点では、将来的に会社に移行する前提で、当面はフィリピン人ビジネスパートナー名義個人事業主)で行うこととしました。

ビジネスパーミット申請

フィリピンでビジネスを行うためには、ビジネスパーミットが必要です。

ビジネスパーミットは、地域の自治体(私の場合はセブ市)が発行し、事業所ごとに必要になります。

ビジネスパーミットの取得自体は結構面倒で、消防署の検査を受けたり、環境部からオフィスに分別用のゴミ箱が設置されているかなどの確認をうけ、証明書をもらいます。

手続きはビジネスパートナーのジョンが自分で行いました。

BIR手続き

税金を払うためにはBIR(内国歳入庁:Bureau of Internal Revenue)でTINナンバーを取得する必要があり、今回はジョンの個人事業主としてのビジネスでの登録になります。

支払いに関しては、ジョンの知り合いのブックキーパーに手続きを頼むことにしました。

ブックキーパーというのは日本では聞き慣れない言葉だと思いますが、辞書だと簿記係というふうにでています。

日本だと何に当たるのでしょう、税理士は英語で「Tax accountant」というそうですが、業務的には一番近いかな。あとは社会保険労務士(Labor and Social Security Attorney)の業務も入るかもしれません。

LTFRB手続き(フランチャイズ名義変更)

フィリピンのタクシーはフランチャイズ(営業権)が必要ですが、このフランチャイズの許認可を所管する役所が「LTFRB(陸上交通許認可規制委員会)」で、最も関係が深い役所になります。

フランチャイズを取得した場合は名義変更が必要ですし、車両を新車に更新する場合も手続きが必要です。

また、フランチャイズの更新手続きや、1台ごとに毎年手続き(強制保険の支払いなど)があります。

LTO手続き(車両名義変更)

LTOは「陸運局 (Land Transportation Office)」のことで、運転免許証の交付や車両登録などを行っています。

LTFRBの手続きが終わると、フランチャイズ購入で得た中古車両の「OR/CR」の名義変更を行います。

運転免許証を持っていたり、自家用車やバイクを持っていると一般の人でも関わることになるのですが、免許証(カード)の発行やナンバープレートの交付が遅延するなど、フィリピンのワースト役所ランキングに入るセクションで知られています。

新しいフランチャイズを購入

1台目のオンボロ ビオスは、少し走ると故障という状態でした。

修理中はバウンダリーは入りませんから無収入で、修理代のみかかってしまいます。

フランチャイズ代の回収どころではなく、利益になりません。

ただ、1台目で修理が多いということは、メンテナンスの勉強にはなったとはいえます。

(ポジティブシンキング…)

数ヶ月運行してみて、『新車ならビジネスになるのではないか?』という、感触を持てるようになってきたのでした、

そのときは、最初にフィリピンに送金した資金が十分ではなかったので、次の一時帰国の際に、再度送金することに。

そして、セブに戻った後、とりあえず、2台分のフランチャイズを売ってくれるオーナーさんを見つけ、新車を購入することにします。

中国系フィリピン人オーナーで10台所有しているのですが、縁起のいいという数字にするため、2台を売って、今行っているカカオ事業を拡大するための資金に回すとのこと。

(確か、その頃、2020年にカカオ不足になるとか、2050年にチョコレートが食べられなくなるといった「チョコレート危機」といった問題が話題になっていました。)

売買価格は、1台目が、オンボロながら車両付きのフランチャイズが50万ペソで購入できたのに対し、わずか数ヶ月で相場がどんどん上がっていました。

理由は、新規でのフランチャイズ交付がなくなった(正確にいつかは分かりませんが、比較的最近のことのよう)ために、大規模オペレーターが事業拡大のため、既存のフランチャイズを競って買い求めたためのようです。

当初はフランチャイズのみで、1台あたり55万ペソ(車両はオーナーが処分)ということで、話しを進めていたら、ある大規模オペレーターが「60万ペソでも払うから売って欲しい」と言ってきたとのこと。

しかし、もともと、知り合いづてで知り合ったオーナーさんは、値段を吊り上げることなく、当初の55万ペソで売ってくれたのでした。

このフランチャイズの値上がり具合は、正直言って「厳しい」と感じました。

当初は、「いける」と思ったら、手持ちの資金(退職金など)をつぎ込んで、何とか10台くらいにして安定した収入を得られればと考えていたのですが、(アベノミクスによる)当時の円安も響き、半分いけるかというくらいな感じ。

ドライバーの採用と試行錯誤のオペレーション

タクシービジネスのオペレーションについては、2人のドライバーが24時間交代で行う24時間システムと、1人のレギュラードライバーとサブドライバーで回す12時間システムがあります。

1台目のオンボロビオスはリチャードの12時間システム、その後購入するフランチャイズは、新車を当てて、24時間システムとしました。

オンボロビオスのリチャードのほかに、新しい2台のドライバーが必要です。

マニラの日本人オーナーさんや、フランチャイズを売ってくれたオーナーさんからのアドバイスでは、「タクシービジネスで最も大事なのはドライバー」ということでした。

「1にドライバー、2にドライバー、3,4がなくて、5にメンテナンス」という感じです。

ドライバーは従業員ではなく個人事業主ですが、実態としては従業員と同様といえます。

一般的な職場では、従業員に対して、雇用主は勤務時間中に何か問題があれば、注意したり指導したりできますが、タクシーの場合はオーナーの目は届きません。

さらに、車という財産を完全に預けるのですから、信頼できる人物でなければなりません。

(ドライバーが車を盗んだり部品を勝手に売りさばいたりといったことも噂では聞きます。)

そのうえで、「バウンダリーを毎日しっかり払ってくれる」、「事故を起こさない」、「乗客とトラブルを起こさない」、「故障などの対応でマネージャーの指示に従う」といったことが求められます。

ドライバーは経験者を採用します。

しかし、いわゆる「グッドドライバー」はオペレーターも手放したくありませんから、離職した何らかの理由があるドライバーを採用することになります。

メンテナンスも大事

マニラで会ったオーナーさんのアドバイスのひとつが、メンテンナンスが大事ということでした。

本来ならば専属のメカニックを雇うのがベストですが、当初は小規模タクシーが集まる修理屋でメンテナンスを行いました。

修理屋と行っても、店構えがしっかりしている修理工場ではなく、フリーのメカニックが路上で修理します。

近くにはビオス専門の部品を売っている店(サリサリストアのような個人商店)もあります。

↓こんな感じで路上で修理します。(1台目のオンボロビオス)

タクシーは24時間システムだと、1ヶ月で1万キロを超す場合もあります。そこで特に重要なのはオイル交換です。

フィリピンでは、ガソリンもスタンドによっては、不純物がまぜられていたりすることがあると聞きました。

オイル交換も、最初はタンクから入れているショップに頼んでいたのですが、その後は自分でオイルを購入し、交換のみ行ってもらうようにしています。

日本と異なり、フィリピンでは、修理の場合でも、自分で部品をパーツショップで購入し、リペアショップに持って行って、工賃のみ払って修理してもらうことが一般的に行われています。

新車はビオス

フランチャイズ2台分の新車を購入しました。

車種はトヨタのビオスです。

セブで走っているタクシーは、おそらく9割以上はビオスだと思います。

その後、フランチャイズについてきた中古のキア(起亜)を持ったこともあるのですが、走行距離の割にすぐに故障してしまう印象でした。

何よりの問題が、部品がマニラからの取り寄せとなる場合があり、すぐに修理できないことが度々生じたことです。

部品待ちで運行できなければ、その間はドライバーもオペレーター(オーナー)も無収入です。

その点、ビオスは純正、中古、社外品など大抵のものはセブで手に入ります。

新車価格は、当時の価格は60万ペソしないくらいだったと思います(今は70万ペソ以上します)。

トヨタ公式ホームページ

新車のブレッシング

新車2台が走り出しました。

日本だと新車を購入したら、神社でお祓いをしてもらうケースもあると思います。

フィリピンでもカトリックでは新車のブレッシング(祝福)をしてくれます。

↓これは、最初の2台のときのもの。神父さんが聖水をかけてくれます。

実は、このブレッシングは、購入直後ではなく、後にお話しする事故の後のことです。

ドライバーからやった方がいいのではという声があり、行ったのでした。

私自身は日本にいたとき、お祓いをしてもらったこともなく、特に気にするタイプではないのですが、運転するドライバーの気持ちの問題でもあるので、これ以降は行うようにしています。

(幸い、それ以降は大きな事故は起きていません)

ユーチューブ動画では2023年の新車購入時の一連の流れを投稿しています(ブレッシングもあります)ので、よろしければ御覧ください。

新車でビジネスに手応えが

新車は、故障もありませんから、修理代もかかららず、バウンダリーもフルで入ります。

「やっぱり新車だなあ」

「この調子で行けば2,3年で車両代金は回収できて、フランチャイズ代もすぐに元が取れそうだ!!」

手応えを感じていたのもつかの間・・・

大事故で最大の危機

新車が走り出してわずか2か月足らずで大事故が起きます。

場所はセブシティから、南にあるカルカル市に向かう途中のハイウエイ(※)でした。

インド人男性と連れのフィリピン人女性を乗せていました。

バイクが脇道から飛び出し、前の車が急ブレーキをかけたために追突してしまいます。

バイクと前の車は接触せず、バイクはそのまま逃げてしまいました。

前の車は大学生が運転していて、幸いなことに怪我はなく、車の後部が破損しました。

こちらの車はエアバックが作動し、ドライバーは無事で、後部座席にいたフィリピン人女性は無事だったものの、インド人男性は大腿部骨折という重症を負ったのです。

かなり体格のいい方で、足に大きな負荷がかかったようです。

すぐ、救急車で近くの救急病院に運ばれました。

事故については、当時は市の交通局が裁定を行っていました(今は警察が行っています)。

日本だと交通事故が起きた場合、警察は現場検証や実況見分を行い、実況見分調書を出してくれますが、民事不介入ですから、示談交渉(過失割合)はあくまで当事者同士(通常は保険会社が間に入ります)で行われます。

一方、フィリピンでは、オフィサーが裁定・調停を行います。

今までに私が経験した事故に関して言えば、過失割合は勘案されず、どちらか一方の過失(全額弁償)か、五分五分(お互いに相手方の修理を行う)、という大雑把な裁定が行われます。

この事故に関しては、まず、追突した相手方に対しては、100%こちらの過失ということで修理を行うことに。

次に、乗客のケアも行わなければなりません。

こういった場合、すべてが円満に終了するまでにドライバーの免許が取り上げられるということもありますし、示談ができない(Complain(コンプレイン)される)場合は、裁判までいかなくとも、所管官庁のLTFRBに連絡され、場合によっては、オペレーターに対し、指導や営業停止といった処分が行われる場合もあります。

もっとも、交通事故の補償金の相場は日本と比べると驚くほど低い額で、また、入院費用を払うより、むしろ死亡事故の見舞金の方が安いこともあるとも言われます。

実際に、私の友人の叔父さんがバイク事故で死亡したケースでは、相手は運送会社のトラックだったのですが、葬式代を全額負担したのみだったそうです。

今回の事故では、外国人ということで、近くのプライベート病院に運ばれたのですが、公立病院であれば、かなり安く済むと思います。

治療費は100万ペソ近くにも及びました。

外国人ということで旅行保険などに入っていないかと期待したのですが、何もないとのことで、こちらが全額負担することになりました。

乗客にしたら、母国に帰ったらまた再手術も必要で、帰りの飛行機も変更しなければならず、とんでもない災難です。

もっとこじれても致し方ない、というケースですが、ジョンの誠意のこもった対応もあってか、特に監督官庁にクレームが入れられるということもなく、退院して、そのまま帰国する際は、ジョンが飛行場まで送って、笑顔で別れたとのこと。

事故を起こしたドライバーは、当初は「3万ペソ弁償します」と言っていたそうなのですが、結局、故郷のミンダナオ島に戻ったまま、音信不通になってしまいました。

このことで、『やっぱりタクシービジネスはリスキー』だと痛感することになります。

相手方と当方両方の車両の修理も終わり、今後の対応を考えなければなりません。

かなりのショックではあり、事故直後はもう『ギブアップ』かという思いも脳裏をよぎりましたが、落ち着いて、考え直し、ここでギブアップするのではなく、『何とか対策をとって前に進む』こととしました。

今回の原因は『スピード超過』と『車間距離』が短かった、という点につきます。

課題は『ドライバーの雇用』と『安全教育』です。

しかし、そんな思いとは裏腹にジョンから思いがけない話が・・・

※)ハイウエイといっても有料高速道路ではありません。フィリピンの国土計画に定められた、幹線道路のことを指します。
Philippine Nautical Highway System」(ウィキペディア(英語版))

ビジネスーパートナーがギブアップ

タクシービジネスを始め、1年に満たない時期での大事故に、ジョンは対応に追われました。

事故処理での事情聴取や入院した乗客の世話、追突した相手との示談、破損した自車の修理など。

そして、事故処理も落ち着いてきた頃、ジョンからビジネスを辞めたいという話がありました。

『事故が起きたらオーナーである自分が責任を追わなければならない(特に人身事故の場合)』

『24時間システムなので、深夜でも日曜祝日でも事故や故障があったら、対応しなくてはならず、精神的負担が大きい』

というもの。

また、話し合いの中で、私がマネジメントに細かく干渉したことが、『信頼されていない』と感じているとも伝えられました。

2年目(2016年)

早いもので、ビジネスを始めてから2年目になろうとしていました。

2代目ビジネスパートナーのマネジメント

新しいビジネスパートナー探し

ジョンは、新しいビジネスパートナーが見つかるまでは仕事を続けてくれることにはなりましたが、あまりのんびりはしていられません。

ジョンの知人で、以前に一度会ったことのあるジョリーとルイーズというビジネス経験もある30代の夫婦がいました。

ふたりとも、この話に関心があり、トントン拍子で協力してくれることに。

また、以前、英語学校にも関わっていたこともあり、共同経営を望んでいるフィリピン人経営者がいるということで、実際に話しを聞いたりしました。

ただ、まだタクシービジネスが全く安定していないので、その話は軌道にのってからということにしました。

ジョリーは定職についていたので、ルイーズが中心になってくれるということで話が進んだのです。

振り返れば、本来なら、ジョンのときのように、親戚を訪ねたりして、身元をしっかり確認すべきところですが、時間がなく、あせっていて、それができなかったことが第一の失敗でした。

会社化を進める

当初は順調でした。

当時、妻デスとの結婚の準備の最中で、私が40%、デスが57%、ジョリー、ルイーズと、従姉妹のライラがそれぞれ1%ずつの持ち株で、弁護士に会社設立の手続きを頼んでいました。

(当時はタクシービジネスの場合、フィリピン人が持ち株60%以上、取締役は5人以上、うち代表取締役と秘書はフィリピン人に限る、となっていました)

ジョリーとルイーズは英語学校のビジネスに携わっていたこともあり、自信満々です。

このときは、とても頼もしく思えていました。

しかし…

マネジメントで問題発生

ジョンのときは、初めてのビジネスということで、私も一通り勉強しなくてはという思いもあり、気がついた点は逐一指摘していました。

しかし、それが『信頼されていない』と感じていたとのこと。

自分では十分信頼していた上で、コミュニケーションも取っていたつもりだったので、正直ショックでした。

その反省もあり、今回はマネジメントについては、なるべくビジネスパートナーを尊重するように心がけたのです。

しかし、これが第二の失敗でした。

当初はとてもやる気が感じられていましたが、1か月、2ヶ月と立つと、次第にドライバーについての愚痴が多くなってきます。

その愚痴の内容は、最初から雇っているドライバーについてなのですが、「今日は稼ぎが少なかったからと、バウンダリーを満額払わなかったり」、「バウンダリーを渡す予定の時間に指定場所に来なかったり」、「かってに休んだり」、など。

そして、バウンダリーの受け取りを、メカニックとして雇ったケインにやってもらいたいという話が。

ドライバーとのコミュニケーションはとても大事なので、それをやらないというのは問題なのですが、とりあえず、希望どおりにしてみました。

しかし、しばらくすると、今度はケインから、「辞めたい」という話が。

どうやらルイーズとの関係がうまくいっていないようなのです。

結局ケインとの話し合いの場では、彼は涙も流しながら退職を申し出ました。結局詳しい状況は聞けないまま、退職を受け入れたのでした。

2代目ビジネスパートナーが辞める

「このままではまずいな」と思っていると、ルイーズから「もうタクシービジネスは辞める」、「英語学校の方は話が進むなら協力する」とのこと。

とりあえず、バウンダリーの受け取りはデスと私で行うことに。

メンテナンスについても、メカニックが辞めてしまったのでドライバー任せです(まずい状況です)。

近所でフリーのメカニックがいて、もし、いい感じなら、専属で雇えないかと、1台目のオンボロビオスの修理を頼んだのですが、高い請求をされて、二度と頼まないように・・・

このときからの、試行錯誤のマネジメントについては次回でお話しします。

さて、2人には1パーセントの持ち株を与えマネジメントを任せましたがこれが第三の失敗でした。

ビジネスパートナーが失踪!持ち逃げ?

とりあえずタクシービジネスは引き継ぎましたが、駐車場の精算などの事務処理もあり、おいおいすべてを引き継ぐことにします。

しかし、ある日、ジョンから、「2人が海外に行ったようだ」という連絡が来ました。

フェイスブックに、空港での出発前のショットが載っているというのです。

すぐに、郊外のサブディビジョンにある2人の家に向かいました。

そこでは、2人の友人で、私も何度か会ったことのある女性が家の後片付けをしていたのです。

もぬけの殻・・・

事情を聞いても「よく分からない」、「ただ整理を頼まれただけ」とのこと。そして、私に届けるよう頼まれたという、私宛の封筒を預かっていて、その中には通帳と出納帳、レシート、などが入っていました。

通帳は全額引き出されており、計算すると、直前に購入した新車の頭金に相当する額とビジネス用の予備費など、総額30万ペソ以上が未返還というかたちです。

数日経ってメールが来ました。

内容は「今、オーストラリアです。急にビザがおりて連絡する時間がありませんでした。今住んでいる所はネットも使えない『へんぴな場所』なので今後連絡できません。預かっていたお金は雑費の清算だと思ってください」みたいな感じです。

事前に連絡できないほど急なはずがないし、オーストラリアでは仕事もしているはずで、ネットも使えない場所に住んでいるとは考えにくい。

30万ペソはとても雑費の精算で済ませられる額ではありません。

また、すでに手続きが完了している会社から2人の名前を削除しなければなりません。

プロの詐欺師ではなかったこと、共通の友人がいたことが幸いし、協力して家族に連絡を取るなど、仲介をしてくれて、所在も突き止め、知人らの立会いのもとスカイプで、当人と話をすることができました。

その場では、いろいろ言い訳を言って逃げ切ろうとしている態度が見えましたが、友人の助力もあってか、全額返還するということで合意したのです。

また、会社から名前を除く手続きも、国際郵便を使って進めることができました。

その後は、なんだかんだと理由をつけて、度々中断はしていますが、今のところ、少しずつは返済されている状況です。

次回へ

以上がビジネスを始めてからの2年間です。

正直なところ、この2年間は決して順調とは言えませんでした。

プライベートの方では結婚に向けて、順調でしたが、妻(デス)については、ビジネスに関わらせるつもりはありませんでした。

彼女は、個人ビジネスのスタッフとして働いていましたが、マネジメント的な業務がどこまでできるかは未知数でした。

しかし、いい面で予想を裏切り、彼女のマネジメントのお陰で、ボロボロだったタクシービジネスは立ち直ることになります。

一方、「なんとか順調にいくか」と思いかけた矢先、役所によるルール変更コロナのダブルピンチで、事業継続の危機に陥ることになります、

次回はそのお話をしたいと思います。

※当ブログに登場する人物については仮名を用いています。

おわりに

3人の子どもたち(姪っ子・甥っ子)と同居していることもあってか、定期的に風邪を引きます。

今回はいつもとちょっと違っていて、熱はそれほど出ないのですが、頭痛が酷く、また、頬か前歯の奥あたりが酷く痛みました。

以前前歯の奥が化膿して手術したことが2度あり、またなったらやばいなと思ったのですが、何とか痛みは治まったので安心しました。

次回の一時帰国では歯の治療を行おうと思っています。

あと、ネットフリックスにTBSのドラマが提供されるようになり、「VIVANT」や「ブラッシュアップライフ」などが面白かったのですが、今は「不適切にもほどがある!」を見ています。

1986年(昭和61年)と現代をいったりきたりして、「あまちゃん」同様にリアルタイムに育った(1967年生まれ)私はどちらもよく分かるのですが、若い人たちは分からないネタも多いかと。

主人公が現代で分からない言葉を「ググる」シーンがでてきますが、同時に視聴者に対して分からなければ「ググってね」と投げかけているようでおもしろい。

「コンプライアンス」が題材としてとりあげられており、結構際どいセリフやシーンを、先手を打って「注意喚起テロップ」を流したり、小ネタも多くて楽しめます。

多分全部見終わったら見返したくなるような、話のつながりや過去と現代がシンクロするところなど上手いなあ。

脚本が演劇畑のクドカン(宮藤官九郎)ということで、(表面的なリアリティにこだわらず)芝居を楽しむように鑑賞するのがいいかなと思います。

日本ではコロナやインフルエンザが流行っているようですので、皆様に置かれましては、くれぐれもお体にお気をつけてお過ごしください。

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