ボンボン・マルコスとサラ・ドゥテルテがセブで会う【フィリピン・セブでつぶやき・最近のニュースから】

下記1)Inquirerから

下記2)CNNから

最近の大統領選挙に関したニュースで、セブは少しざわつきました。

各メディアが、ボンボン・マルコスとサラが同時にセブに訪れたことを報じる

先週末、各メディアが一斉に、セブでボンボンマルコスとサラ・ドゥテルテが会ったことを報じました。

1)今日、サラとボンボン・マルコスはソロンのセブの誕生日パーティーで会う:Inday Sara, Bongbong Marcos meet at solon’s Cebu birthday party(Inquirer 2021/10/23)

  • ダバオ市長のサラ・デゥテルテ・カルピオと大統領候補者のフェルディナンド「ボンボン」マルコスジュニアは、土曜日にセブでレイテの議員マーティン・ロムアデス( Martin Romualdez)の妻のティンゴグ・シニランガン党議員イェダ・ロムアルデス(Tingog Sinirangan party-list Rep. Yedda Romualdez.)の誕生日パーティで会った。(マーティンロムアデスの父方の叔母がボンボンマルコスの母イメルダにあたる。)
  • マルコスの参謀長であるビクター・ロドリゲス弁護士は、「ボンボン・マルコスとサラ・ジマーマン市長がセブで一緒にいることは、もう1つの美しい偶然だ」と述べた。

2)ボンボン・マルコス、サラ・ジマーマンがセブで会う:LOOK: Bongbong Marcos, Sara Duterte meet in Cebu(CNN 2021/10/23)
3)「美しい偶然」:ボンボン、サラがセブで会う:‘Beautiful coincidence’: Bongbong, Sara meet in Cebu(Inquirer 2021/10/24)

本当に偶然?

duke frascoのインスタグラムから

左側の写真の中央がガルシア州知事、向かって左が、サラ・ドゥテルテ、右がボンボン・マルコス、向かって左端はガルシア州知事の娘でリロアン市長のクリスティーナ・フラスコ(christina frasco)、写真の右端はクリスティーナの夫で元リロアン市長、現下院議員のデュケ・フラスコ(duke frasco)

3人(ボンボン・マルコス、サラ、ガルシア)の関係

  • グエンドリン・ガルシア:Gwendolyn Fiel Garcia(セブ州知事)
  • フェルナン・ドマルコス・ジュニア(ボンボン・マルコス):Ferdinand “Bongbong” Romualdez Marcos Jr.
  • サラ・ジマーマン・ドゥテルテ=カルピオ:Sara Zimmerman Duterte-Carpio

  • グエンドリン・ガルシアはドゥテルテ大統領と同じ政党(PDP-ラバン)である。(wiki)
  • クリスティーナ・ガルシア・フラスコは、セブ州知事グウェンドリン・ガルシアの娘で、フィリピン自治体連盟(LMP)セブ支部の会長およびLMPの全国副会長であり、サラ・ジマーマンのスポークスパーソンを務めている。 (※1)
  • ボンボン・マルコスは、ドゥテルテ大統領が推進してきた「麻薬戦争」と呼ばれる強権的な麻薬犯罪対策や、密売人の死刑などの政策を支持してきた。(※2)
  • ドゥテルテ大統領は、父親が故マルコス政権の閣僚を務めていたこともあり、歴代の大統領が認めてこなかったマルコス元大統領の遺体を、首都マニラにある国立の「英雄墓地」に埋葬することを認めるなど、マルコス家とは親しい関係にあるとされている。(※3,4)


※1 サラ・ジマーマンがセブのリロアン市長をスポークスパーソンに任命Sara Duterte names Cebu mayor as spokesperson(Rappler 2021/07/19)
※2 マルコス元比大統領の息子、大統領選への出馬を表明(AFP・BB 2021/10/05)
※3 フィリピン大統領選 故マルコス元大統領の長男が立候補(NHK 2021/10/06)←リンク切れ
※4 比大統領候補にマルコス氏ら 現職の長女出馬の観測残る(日本経済新聞 2021/10/08)

ボンボンのランニングメイトはまだ未定

フィリピンの大統領制度はアメリカと異なり、大統領、副大統領選挙はまったく独立して行われます。このため、例えばアメリカなら、大統領が民主党、副大統領が共和党なんてことが起こりえて、実際、現政権のドゥテルテ大統領とロブレド副大統領は激しく対立しています。ですからロブレド副大統領は現政権の政策に関与していません。

ですが、もし大統領に何かあり、辞職した場合は、副大統領が大統領に自動的に繰り上がります。

このため、通常は大統領候補と副大統領候補は、同じ政党や政策の者同士でタンデムを組み、共に選挙戦を戦います。しかし、現在のところ、ボンボン・マルコスのランニングメイトは未定のままです。

今年9月に行われた「 Pulse Asia’s」の世論調査によれば、フィリピンの成人の20%がサラ・ドゥテルテに投票するという結果がでています。スコアは、彼女が6月の調査で得た28%の評価から8%低下しており、これは、調査時点でサラが出馬を否定していたことによります。

調査では、次点でボンボン・マルコスが15%、続いてマニラ市長のイスコ・モレノが13%、マニー・パッキャオ上院議員が12%、9%、グレース・ポー上院議員(出馬せず)が9%、レニー・ロブレド副大統領が8%でした。

サラが出馬しない場合、支持を表明すればもちろん、そうでない場合でも、サラ支持票はボンボン・マルコスに多く票が流れるかもしれません。

サラ・ジマーマン、ティト・ソットが2022年の選挙に関するパルスアジアの最新調査のトップ(Sara Duterte, Tito Sotto top Pulse Asia’s latest survey for 2022 elections)(CNN 2021/09/29)

フィリピンのマルコス政権崩壊以降の大統領

フェルナンドマルコス以降の大統領を、少々乱暴にざっくりと表すとこのようになります。(ウィキペディア及び下記記事参照)

  1.  コラソンアキノ(1986-1992) エドゥサ革命のきっかけとなった暗殺事件で亡くなったベニグノ・アキノの妻。タルラック州の富裕な華人の家に生まれた。人気は絶大だったが、大統領最後の年には、インフレーション率が17%にまで上昇するなどフィリピン経済は停滞した。
  2.  フィデル・ラモス(1992-1998) 軍人であり、国軍参謀次長であった際、国防相と共にマルコス大統領の独裁に反対して決起し、エドゥサ革命で政権崩壊に貢献した。その後、国軍参謀総長、国防相として、コラソン・アキノ大統領を支え、アキノ大統領により後継者に指名される。就任時の純満足度は64%で、ドゥテルテ大統領の64%を上回っている(※1)。ラモスの経済政策は国民の支持を得、1995年の議会選挙では多数派を占めることができた。
  3.  ジョセフ・エストラダ(1998-2001) 元俳優 経済を活性化させるために、特定の富裕層向けの優遇政策を打ち出すが、通貨ペソの下落を招いたり、不正蓄財疑惑によりフィリピン議会から弾劾の訴追を受け、2000年に弾劾動議が成立、6年の大統領任期を大半を残して、退陣を余儀なくされた。(※1)
  4. グロリア・マカパガル・アロヨ(2001-2010) 2001年、エストラーダ大統領に対する弾劾が成立すると副大統領から大統領に昇格した。(エストラダのランニングパートナーでなかったことから混乱もあった)。その次の大統領選に立候補し、次点候補に100万票以上の差を付けて当選した。しかし、選挙結果の不正操作疑惑は、主要閣僚の一斉辞任や在任中2度目の大統領弾劾発議といった事態を招き、政局を揺るがした。これを機に大統領支持率は下落し、非常事態宣言の発令などの混乱が生じる事態となった。大統領を退任後、選挙法違反容疑で逮捕、2012年にも公金の不正流用の疑いで逮捕(その後無罪判決)
  5. ベニグノ・アキノ3世(2010-2016) 安全保障や経済政策で評価されるものの、国民は物足りなさを感じたのか後継者指名した候補はドゥテルテに敗れた。(※3)
  6. ロドリゴ・ドゥテルテ(2016-)

アキノ、ラモス政権によって特権階級のみが富み、貧富の格差は広がり、エストラダ大統領はアキノ政権以後に権力を握っていた特権層の支配とは一線を画す政治を行おうとしたものの(※2)、結局不正蓄財で弾劾。比較的高い支持率を保っていたベニグノ・アキノ3世ですが、抜本的な改革を期待する国民の審判は、2016年の大統領選挙で後継者ではなくドゥテルテを選んだのでした。

※1 歴代のフィリピン大統領(Former Philippine President)13代 ジョセフ・エストラダ(Joseph Estrada) 就任期間:1998年~2001年 出身:マニラ
※2 就任90日のドゥテルテ比大統領、国内世論調査で高い評価(REUTERS 2016/10/06)
※3 もったいなさと何もしない美徳 アキノ大統領の6年(HUFFPOST 2016/06/20)

マルコス・ドゥテルテ批判メディアと国民の反応

メディアの論調は、先のノーベル平和賞でみられるように、概ねドゥテルテ政権に批判的です。これらの記事はフィリピンのメディアを参考にしていると思われますが、それでもなお、ドゥテルテ大統領が高い支持を得ていることは事実です。

「独裁者マルコス」と「暴君ドゥテルテ」の同盟でフィリピンの悪夢が甦る (NEWSWEEK 202110/12)
フィリピンのドゥテルテ大統領に一撃を加えたノーベル平和賞(東洋経済Online 2021/10/24)←リンク切れ

つぶやき

サラは、ダバオ市長選への立候補届を出していますが、まだ今回の大統領選への鞍替え出馬の可能性は残されています。しかし、ボンボン・マルコスが大統領選を降りる可能性は低く、友好関係にあるボンボン・マルコスとあえて対立する(票を割る)可能性は少ないのではと思われます。

(今回のような写真を広めておいて大統領に立候補したらば、相当「怖い」かな。)

サラは従前の見込みどおり、2028年の次期大統領選への立候補が順当と思われますが、国政経験が無いことから、それを見据えると、2025年に予定される中間選挙で国会議員に出馬するか、今回、ダバオ市長選への出馬を取りやめ、副大統領選に鞍替えすることも考えられます。

サラが副大統領に立候補するかしないかは別にして、引退表明しているものの、依然として高い支持を得ているドゥテルテ大統領やサラ氏が明確にボンボン・マルコスへの支持を表明して選挙戦で応援すれば、ボンボン・マルコスはかなり優位に戦えることになるでしょう。

セブは、ドゥテルテ大統領、サラへの支持が堅いので、今回のニュースでは、サラが副大統領でボンボン・マルコスとタンデムを組むという期待もあるようですが、そうでなくとも、いずれにせよドゥテルテ路線が続くことが多くの人々に望まれていることは確かです。

ちなみに、前回の大統領選では、レストランのエントランスに、候補者に丸いシールを貼る、投票ゲームがあったりして、フィリピン人はずいぶん選挙を楽しんでもりあがっているなあと思ったものですが、そのときは圧倒的にドゥテルテだけが獲得していました(90%以上でしょうか)。

パッキャオはせっかくドゥテルテと同じ政党(PDPラバン)で党首までやったのに、また、イスコモレノもロブレドと同じ反ドゥテルテ的なポジションに立ち、ドゥテルテ路線と対峙する対立軸のようになってしまったため、サラが出馬しない限り、ドゥテルテ支持者の多くがボンボン・マルコスを選ぶ可能性があります。

(ドゥテルテ大統領所属の「PDPラバン」からはロナルド・デラ・ロサ(Ronald dela Rosa)が候補者登録していますが最初から、当て馬、ダミーとされていました)

一方、ダバオ市に関しては、副大統領選出馬にせよ、次回の国政進出にせよ、長男のパオロは下院議員で、次男のセバスチャンは現副市長なので、ドゥテルテ家による政権基盤は、よほどの失点がない限り、市民の支持を得て当面維持されると思われます。

メディアはドゥテルテ大統領の乱暴な言動や麻薬戦争における人権侵害に注目しますが、やはりフィリピン国内では評価も高く、支持も得ています。

少なくともセブでは、私の家の周囲でも逮捕者はたくさん出ていますが、一般庶民が麻薬戦争による人権侵害や巻沿いに恐怖するということよりかは、以前より治安全般や役所の汚職が改善して安心して暮らせると多くの人々が感じていると思われます。

もちろん、メディアが報道するような事実はあるでしょう(アメリカなどでも起こっていることです)、また、ドゥテルテ大統領の「もの言い」が違っていれば、もう少しメディアとの軋轢や扱いも変わっていたかもしれません。

それでも、1986年のアキノ政権以降、20年、周囲の東南アジア諸国と比べても、経済的にも一般庶民の期待に答えられなかったり、先ほどの大統領一覧にあるように、裕福層が恩恵を受けるか、本人が不正をするか、何もしないかというようなイメージを国民が抱いてしまったことや、一向に治安や麻薬の蔓延、経済の停滞や汚職・腐敗が良くならないという現実が、傷と痛みを伴う大手術をしてでもと、ドゥテルテ政権への国民の支持と期待につながっていると思われます。

また、ボンボン・マルコスへの評価は、「過去のことにはあまりこだわらない(あるいは、親は親、子は子)という国民性」と、「その後(アキノ政権以降)の政権への不信がマルコス政権への評価を見直すべきではないか(その後の政権によって誤って評価されているのではないか)という認識が生まれていること」と、「ボンボン・マルコス自身が、この6年間、例えばセブにも足繁く通うなど、その活動が評価されている」という3点が挙げられるのではないでしょうか。

まだまだどうなるか分かりません(ひと波乱、ふた波乱あるかもしれません)が、未来のフィリピンを左右する『大事な大事な選挙』ですので、注目していきたいと思います。

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