12月はクリスマス(13ヶ月)給与の季節
今までも、毎年この時期になるとお話してきましたが、フィリピンでは法律で13ヶ月給与が定められています
クリスマス給与という言い方もされるようですが、クリスマスシーズンの12月には2ヶ月分の給与が支給されるのです。
- 最低額 ‐ 1暦年中に労働者が支給された基本給総額の1/12
- 受給条件 ‐ 当該労働者が、本暦年中に1ヶ月以上就労した場合、毎年12月24日までに支給
- 受給対象外 – 管理職、政府職員、13ヶ月手当以上の支給を既に受けている労働者、家政婦、純粋に手数料ベースの支給、又は特定の作業の実施に対する固定額の支給を受けている者(作業の実施に要した時間は問わない)
- 支給方法 – 賃金の支給は、16日を超える間隔があけないよう、月に少なくとも2回行なう必要がある。
(出典)
フィリピン投資制度 外国人就業規則・在留許可、現地人の雇用『現地人の雇用』詳細(ジェトロ 2020/11/16)
知っておこうフィリピン法 第32回 フィリピンにおける使用者の金銭上の義務(弁護士法人 黒田法律事務所 黒田特許事務所 2016/01/07)
また、これは最低の基準であり、上乗せしてしたり、別途ボーナスを支給する場合もあります。
セブ(フィリピン)のタクシーやジプニーのドライバーのほとんどは従業員ではなく、一日いくらで車両を借り、バウンダリー(利用料)を支払う方式をとっています。
つまり、労働者としての雇用ではなく、日本での労働基準法に相当する労働法などの適用外になりまっす。しかしDOLE(労働雇用省:Department of Labor and Employment – Region VII Central Visayas)の指導により、解雇(契約破棄)などは従業員に準じた扱いをするようになっています。
去年と今年の収支状況とリワード
今年の状況
昨年の3月末から7月末まではロックダウンで、収入ほぼゼロ(6月頭に再開したがすぐに再度ロックダウン)でした。
8月以降、バウンダリーの額は、システムや車両(12時間システム、24時間システム、車両の古さ)によって異なりますが、平均して、一日一台あたり3,4百ペソくらい値下げしています。
また、以前は土日・祝日もフル稼働していましたが、今は、運休するケースも多くあります。このため、稼働日も、コロナ前と比べると1割近く減っています。
それに加えて、今年はバウンダリーの一部未払いが、かなり増えてきて(減額した)バウンダリー額の1割以上になります。(昨年は、未払いはほとんどどありませんでした。)
ただ、この未払いは、ほとんどないケースもあり、ドライバーによって差があります。
バウンダリーの未払いは、払えない場合は運行させないオペレーター(オーナー)もいますが、うちでえは一部未払いを認めています。ドライバーによって、どの程度自分の収入を確保し、一部未払いにするかは、本人の意思次第であり、差が出てしまうところが課題です。
昨年はそれほどでもないのに、今年一部未払いが増えた理由として考えられるのが
- 昨年はジプニーもバスも少なかったが、増えてきたこと。
- バイクの二人乗りが解禁され、ハバルハバル(バイクタクシー)が増えたこと
- 社会の経済状況が、昨年より悪化している可能性(ビジネス、プライベートどちらもタクシー利用を控えている)
- 今年になってからのガソリンの高騰(収入から自分の収入(生活費)とガソリン代を引くとバウンダリーを満額払えない)
車両の維持費や管理費等は、それほどは変わらないので、オペレーター(オーナー)としては非常に厳しい状況です
今年のリワード
さて、タクシードライバーの場合、そもそも給与支給がないので、当然13ヶ月給与も支給されません。
しかし、その代わり、リワードというボーナスを支給するオペレーターもあります。
うちも、それほど大きいがくではありませんが、支給してきました。しかし、今年は、そもそもバウンダリーの未払いが発生しています。
バウンダリーの減額後の額は、他のオペレーターの額に合わせ、平均的な額にしていますが(うちのような小規模オペレータは、大規模オペレーターと比べると厳しいのですが・・・)、なかには、もっと安くしているケースもあります。
ただ、うちの場合は、『一度下げると上げることが困難である』こと、『ドライバーの能力で差があり、支払いが可能なドライバーもいること』などから、生活費を優先し、一部未払いを認める方法をとっています。また、未払い額の一部を帳消しにすることもやむを得ないと考えています。
『年の途中で辞めたドライバーもいて、未払い額は実質的に回収不能なので、未払いに関しては、“辞め得”になってしまう』。このため、継続ドライバーの未払いも考慮してあげる必要があります。
また、未払い額を帳消しにするような方法だと、『頑張って未払い額を少なくしたドライバーより、頑張らずに未払い額を多くしたドライバーの方が得をしてしまう』という不公平が生じます。
また、一律で補填した場合、年の途中から入ったドライバーと比べ、1年を通したドライバーの方が未払い額が多いので、返済が困難になります。
この辺は、ドライバー間の不公平感と、今後へのモチベーション(未払い額が多いと今後のモチベーションが下がる)に配慮しなければならないと考えています。
クリスマス(シーズン)は、フィリピン人にとっては本当に大事な時期であり、『来年も頑張ろう』というモチベーションのもとにもなるので、そこは、考慮したいなあと思っています。
10月のメンテナンス等の状況
車両の維持修繕(手続費用等含む) 合計 102,160ペソ
No1 5,875ペソ
内訳 ブレーキ調整工賃(350)、 ホイールアセンブリ(2,100)、補助冷却ファン(auxiliary fan)(750) 車体消毒代(1,000)ヘッドライトスイッチ修理(400)
ほか
No2 15,975ペソ
内訳 エアコンクリーニング(2,500)エアコンコンプレッサークラッチ交換(700)コンプレッサー(新品)(7,800)化学合成油(Synthetic oil)(200)、ケミカル部品洗浄?(1,500)エアコン・レシーバードライヤー交換(350)、ファンベルト(1個)(500) ほか
No3 4,100ペソ
内訳 スパークプラグ4個(480) キャブレタークリーナー(120)エンジンサポート(マウント)(1個)(2,100)エンジンサポート(マウント)交換(1,100)エンジンチェック(300)ほか
No4 7,375ペソ
内訳 エンジンブッシング交換(800)スパークプラグ交換(350) クラッチライニング1個(1,200)クラッチカバー1個(1,380)クラッチリリースベアリング1個(470)?(1,100)clean nosal? throtle & sparkplug(500)ask to chack ?(300) ほか
No5 4,515ペソ
内訳 駐車料金(650)、料金メーターのボタン交換(350)、マフラープレート修理(350)エアコンクリーニング(2,500)パラワン送金料金(40) ほか
No6 8,535ペソ
内訳 スパークプラグ4個(1,520)イグニッションコイル1個(4,840) 工賃(交換及び清掃)(400)マウンティング調整(500) ほか
No7 6,475ペソ
内訳 燃料ポンプ1個(2,750)キャブレタークリーナー1個(130)スロットル清掃(500)ノズルクリックコイル及びフィルター清掃(300)スパークプラグ4個(1,520)ほか
No8 6,125ペソ
内訳 ショック(アッパー)マウント2個(1,500)ブロアモーターパーツ(blower moter parts)(2,900)ファンモーター交換(450)
No9 8,895ペソ
内訳 スタビライザーリンク4個(1,800)ワイパーブレード #22 1個(220)ワイパーブレード1個(150)スタビライザー及びワイパー交換工賃(350)ホーン1セット(850)?(1,100)ブレーキライト修理(バイク事故)(3,850)事故相手(バイク)支払い(ー2,000)、ステッカー・ロゴ交換?(1,000)、メーター修理(300)ほか
No10 6,415ペソ
内訳 タイヤ(comforser)2個(2,600)エアコンクリーニング(2,540)ほか
No11 2,105ペソ
内訳 スパークプラグ4個(480) スタビライザー及びスパークプラグ交換(350)ほか
No12 0ペソ
※エンジンオイル交換は全車共通で各1,275ペソ(オイル(カストロール)(835)、オイルフィルター(140)、工賃(300))
主な手続き費用 (25,770.3ペソ)
- SCCI保険(3,850)
- LTO登録更新手続き (3,200)
- LTFRB更新手続き(2,500)
- 前オーナーの未払い税金(BIR)(3,000)
- 臨時駐車場代(2,500)
- 11台分 GPS月額(3,600)、配車アプリ(2,700)ほか
メンテナンス用語集(随時追加)
今月の内容
エアコン・コンプレッサー・クラッチ
コンプレッサー(新品)(7,800)工賃(700)
エアコン実習(コンプレッサ、マグネットクラッチ点検)(YouTube:HTC 1級自動車整備士コース)
スパークプラグ
4個(480)、4個(1,520)
スパークプラグとは。寿命や交換時期・費用(zurich)
エンジンサポート(マウント)
1個(2,100)交換工賃(1,100)
エンジンマウントの交換時期と寿命は?異音や振動が出たら?交換工賃も紹介!(MOBY(モビー) 2017/06/10更新)
クラッチライニング
1個(1,200)
クラッチライニング(CLUTCH LINING)とは(保険自動車so-so用語辞書)
エアコンクリーニング
一式(2,500)
当ブログ ダッシュボード取り外してカーエアコンクリーニング【タクシービジネス備忘録2021年10月】
イグニッションコイル
1個(4,840) 工賃(交換及び清掃)(400)
イグニッションコイルとは、寿命や交換時期についても紹介(HANAMARU)
燃料ポンプ
1個(2,750)
燃料ポンプの基礎知識と交換費用・方法(Seibii 2019/12/01)
ショック(アッパー)マウント
2個(1,500)
アッパーマウントとは?ブッシュやスペーサー等との構造や異音やへたり時の交換費用は?(MOBY(モビー)2017/07/15更新)
ブロアモーター
ブロアモーターパーツ(blower moter parts)(2,900)ファンモーター交換(450)
ブロアモーターから異音!驚きの故障修理費用(SeibishiNote)
スタビライザー
スタビライザーリンク4個(1,800)スタビライザー及びワイパー交換工賃(350)
もともと英語のstabilizer「安定させるもの」という意味で、船舶や飛行機が過度に揺れることを防ぎ、安定した運航、飛行をさせるための安定器、安定化装置のこと。
車のスタビライザーは、サスペンションとサスペンションを繋ぐ棒状のパーツで、車がカーブを曲がるときに車体が片側へ傾くというようなローリング(横揺れ)を抑え、車が安定して走行するための役割を持っている。
タイヤ
(comforser)2個(2,600)@1,300
以前の内容
ウォーターインレット
ラジエターを通過した冷却水が、エンジンブロックに戻る部分です
バッテリー
6ヶ月保証(3,500)
プラスチックバリアシートーコロナ感染防止用のドラーバー席と客席を仕切るシート、18メートルの物を購入して自分で切って手作りしたものの材料代
おわりに
セブにつづき、マニラ首都圏もアラートレベル2になり、マニラ首都圏の方はカーフュー(夜間外出禁止)も撤廃され、一気にコロナ収束、あるいはwithコロナに向かっていきそうです。
タクシー事業に関してはバウンダリーの支払い状況は10月までは改善がみられず、11月は若干上向きでこのまま12月はさらに、ということを願っています。
入国規制に関しても、12月1日から15日まで『日本などグリーン国の観光目的のビザなし渡航』のアナウンスがされるなど、本格的な観光再開に向けたグッドニュースが効かれますが、欧州や韓国などの状況、南アフリカの変異株などの情報を鑑みると油断はできません。←変異株オミクロンの防止の為、日本を含めたグリーン国からの観光での入国予定の停止を含め、グリーン国の検疫プロトコルはすべてイエロー国に準じることになりました。(以下参照のこと)
IATF releases new Red List(IATF発表 2021/11/28)
(一部抜粋)
『The IATF likewise approved the temporary suspension of testing and quarantine protocols for countries/jurisdictions/territories classified as “Green” effective immediately until December 15, 2021. Except for countries classified as “Red,” the testing and quarantine protocols for all inbound international travellers in all ports of entry shall comply with the testing and quarantine protocols for “Yellow” list countries』
『同様に、IATFは、2021年12月15日まで、「グリーン」に分類された国/管轄区域/地域のテストおよび検疫プロトコルの一時停止を承認しました。「レッド」に分類された国を除き、すべてのインバウンド海外旅行者のテストおよび検疫プロトコル すべての入国地で、「黄色」リスト国の試験および検疫プロトコルに準拠する必要があります。』
コロナに関しては、本当に一歩先が見えないですね。されど、希望を持ち、前向きな気持ちでいたいと思います。